「お母さんやめます」と思っちゃダメですか?子育てに悩む母たち 約8割が「やめたい」と考えたデータも 当事者たちの悲鳴と原因、計り知れない重圧の中身
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■「一緒に住みたくない」距離を置いた後に関係が良化
シングルマザーの吉沢さんは、19歳の息子と2人暮らし。息子が10歳のころ、2人の関係に亀裂が入った。前年に離婚すると、息子の反抗期が始まり、毎日些細なことで言い争いになった。少し距離を置いた方がいいと、祖母の家あずけたが、息子が祖母のお金を取ったとわかり大きなショックを受けることに。同時に育児に対する諦めの感情が芽生え「一緒に住んでいたくない」と児童相談所への相談も考えるようになった。 それ以降、吉沢さんは母親の役割を減らしていった。子どもとの距離を置き、自身の仕事を優先。家の中でもなるべく顔を合わせず干渉を減らし、実家に預けることも増えた。また息子は違う人間だと思い、分かり合う努力もやめた。それでも食事だけは一緒に食べるようにすると、イライラや怒る回数は減り、息子の成長とともに会話も増えたという。 当時の心境を聞かれた吉沢さんは「学校が休みの土日は一緒にいないといけないという思いが、すごく私の中にあったが、積極的に距離を置こうとした。本当に一緒に住みたくないということもあった」。ただ、やめると心では思っていても、完全に切り離すことはなく「未来、将来のことに関しては、ちゃんと責任を持って育てるというのあった。自分の心のバランスを考えて、コミュニケーションの仕方を変えた」ことで折り合いをつけた。時間の経過とともに関係は上向き「気づいたら彼も思春期、反抗期から抜けていて話すこともできた」と語った。
■泉健太氏「親にも『失望期』『諦め期』はある」
家庭に問題を抱える子どもや親の相談を受け付けて支援するNPO法人ウィーズ理事長・光本歩氏は、2025年から運営を始めた半里親制度「エブリリーフ」を推奨する。「もともとはフランスの制度。里親と聞くとどうしても親の代わりというイメージがあるが、それとは少し違い、お父さん・お母さんがお子さんと離れる時間に、半里親(リーフメイト)の大人が子どものニーズを満たす。子どもが釣りに行きたいなら一緒に行くし、話を聞いてほしければ聞く大人をマッチングする。その間にお父さん・お母さんは自分のことをしていただく時間を作ってもらう」と説明する。現在は専門家による厳しい選考によって採用された30人以上がリーフメイトとして登録、子どもには念のためGPS機能付きの端末を貸与もする。 また立憲民主党・泉健太衆議院議員は、子どもにイヤイヤ期・反抗期があるように、親たちにも育児について悩む時期があり、それを認めることで気持ちに余裕ができるのではと提案する。「子どもに反抗期という言葉があり、それはだいたい12歳から16歳ぐらいと捉えているが、親にも『何々期』があるのかもしれない。子どもとの意思疎通がままならない、ワガママを言う時期に本当に子どもが嫌になる『失望期』とか『諦め期』が親にもあるはず。そういうものがあると予め言われていれば、心の準備にもなるし『ああ、来た来た。これこれ』と思えるのではないか。親が失望したり諦めたりしてはダメというようになっているが、僕はそれを言ってもいいと思う」。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部
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