メガソーラーに森林の違法伐採…「買われたら手遅れ」専門家が警鐘!北海道で横行する外資の無許可開発
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規制強化の効果は?
農水省は今年4月から、外国人が農地を取得する際の規制を強化した。在留期間が1年未満の外国人に対しては、農地の取得を原則禁止する。効果はどうなのか。 「農地については、もともと農地法第3条の売買規制があるので別格の扱いが可能です。’23年9月に、外国人が農地を取得する際に国籍を記載することを義務づけました。さらに’25年4月からは、在留期間が短い外国人による農地取得を禁止しました。これは一定の効果があると思います」 10月1日には国土交通省が、一定規模以上の土地を取引した場合、日本人も含めて取得者の国籍を自治体に届け出るよう義務づけたことを発表している。 「この改正には、二つの問題があると思っています。一つは、この国土利用計画法第23条による事後届出行為が、従前からあまり守られていないこと。よって、改正による影響は期待できません。 二つ目は、国籍の解釈、定義に問題があります。海外法人が日本で日本法人の子会社をつくった場合、外国籍にはなりません。しかも、届け出義務は大規模な買収に限られます。国交省によると、件数は全体の1%だそうです。これでは全貌はわかりません」 日本はまだまだ、ガバナンス上のグローバル対応がなっていないということだ。 「過疎化が著しい都道府県や市町村は、今後さらに公務員の数が減っていきます。ガバナンスそのものがますます手薄になっていくことは明らかです。 一方で、日本の国土面積は変わらない。しかも、所有し始めているのは外国の人たちです。登記簿を見ていくと、数ヵ月や1ヵ月おきに住所を変える法人も少なくありませんから、所在を追うことに限界があります。 そうして外国人に持ち続けられると、登記簿の記載はあるけれども所有者は不明のまま。結局は、“行政が手を出しにくい土地”になってしまうでしょうね。 諸外国のように、日本も普通の国土管理ができるような仕組みを作る必要があります。一筆の土地ごとに管理ができるよう現行の不動産情報基盤を整理・強化し、予算もつけて動員するしか策はありません」 ▼平野秀樹(ひらの・ひでき)国土資源総研所長。九州大学卒業。環境省環境影響評価課長、農水省中部森林管理局長を歴任。東京財団上席研究員、姫路大学特任教授も務めた。著書に『サイレント国土買収』(角川新書)『日本はすでに侵略されている』(新潮新書)『日本、買います』(新潮社)など。 取材・文:斉藤さゆり
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