メガソーラーに森林の違法伐採…「買われたら手遅れ」専門家が警鐘!北海道で横行する外資の無許可開発
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日本は土地の利用を規制できない国…「利用と所有は分けて考えなければいけない」
再エネ法(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法/’12年施行)を作ったことがそもそもの間違いだった――そう平野さんは指摘する。どういうことか。 「民主党政権で菅直人首相のとき、ソフトバンクなどと組んで再エネ法を拙速につくりました。本来はもっと時間をかけて制度設計するべきだったんです。 太陽光発電の開発許認可基準をどうするか。乱開発と自然保護の兼ね合い、地域住民との調整・合意形成も必要。国外から乗り込んできた事業者が住所不明になった場合の対応や、廃棄の時期を迎えたのに放置されたままになっているソーラーパネルはどうするのか。緻密な制度設計が必要だったのに、グローバル対応がまったく不十分なまま強行しました。そこが問題だったんです。 今後5年、10年くらいすると、20年間の買い取り期間が終了するソーラーパネルが各地で膨大に出てくることは確実です。それが森林や田んぼに放置されたままだと、ソーラーのガラスが割れて鉛やセレン、カドミウムなどの有害化学物質が流れ出て田畑が汚染されてしまいます」 そうなると取り返しのつかないことになる。 「土地を買収され、迷惑施設まで作らせて金儲けをさせ、挙げ句の果てに産廃の放棄です。本当に難しい問題を次世代に背負わせてしまいました。放置された難破船の処理と同じで、後始末は市町村に押しつけられますね」 土地の問題は利用と所有を分けて考えなければいけない、と平野さんは強調する。 「土地の利用について全般的な話をすると、日本では土地を一旦買われてしまうと、利用を規制することはかなり難しいです。それは所有者が外国人であろうと、日本人であろうと関係ない。 倶知安町の問題に関しては『外国人が勝手に建物を建てている。けしからん』といった論調でずいぶん騒がれています。右派は“武張った話”ができてスカッとするかもしれませんが、所有権がすでに移ってしまっていますから、もう手遅れです。 私は所有段階の規制を求めます。利用面で頑張って規制をしても、同じことが代替わりによって繰り返されるだけ。実質的な効き目はありません」 タンチョウの飛来地として知られる釧路管内の鶴居村は、件の大阪の事業者から村内の景勝地周辺で太陽光発電の建設を計画していると伝えられ、民有地約7.5ヘクタールを購入することを決めた。 「利用規制が何もできないから、鶴居村は土地を購入して所有する選択をしたんでしょう。これこそ最初にやるべき対策ですが、財政力のない自治体にそこまでやらせるのは問題です。 市町村、都道府県、国も含めて、所有されたくない場所を選定し、公有化するしか手はないでしょう。公有化できなければ規制をかける。買われてしまったら終わりですから。 外国の人たちは日本の土地所有権がいかに強いか知っています。だから絶対に手離さないはずです」
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