東京都品川区のリニア中央新幹線第1首都圏トンネル工事現場近くの区道が隆起した問題を巡り、トンネル工学の専門家が現場を視察し、原因について「作業に使う気泡が地表付近まで上昇し区道を破損させた」との見解を示した。問題が起きた北品川工区では、住宅地の下で掘削が進む予定だ。果たして安全は確保されるのか。(中川紘希)
◆「JR東海の施工能力に問題がある」
4日に現場を訪れたのは、大阪大の谷本親伯(ちかおさ)名誉教授。大型掘削機(シールドマシン)による工事では、内側から泥土と、土を後方に搬出しやすくするために使う気泡を押し出し、外側からの土や水の圧力と均衡させながら掘り進めているという。
ただ圧力や気泡量の調整が不十分で気泡が上昇。気体は地上に近づくと膨張し、区道を破損させたと推定した。周辺の地盤の強度が落ちている可能性も懸念した。
2020年の東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネル工事による調布市道の陥没や、2024年10月の町田市のリニアトンネル工事現場付近の地下水噴出なども「気泡が適切に使用されなかったという共通の原因がある」として、「トラブルが繰り返されている。JR東海の施工能力に問題がある」と批判した。
◆「事業者ではなく、行政が工事を監視すべき」
現場から40メートルほどの範囲で、歩道の一部がでこぼこの状態だったり、道路やマンションにひびが入ったりしていることを確認。最近変形したとみられることから、工事の影響による可能性を指摘した。
JR東海は、施工管理を検討するために専門家らによる「トンネル施工検討...
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