たまに帰って来た娘が、部屋の中に脱ぎ捨てている吾輩の衣類を
「あらあら、いつからこんな子になったのかしら♪」
そう、おどけながら拾う姿を見て
「そうだよな」
と、深く納得したことがあります。
子供と暮らしていた時に子供がそれをやったら
「ちゃんと洗濯機のところに持って行けよ」
服が裏返しになっていようものなら
「干す側のことも考えろよ」
なんてことも、確実に言ってましたね。
それは洗濯をする自分の手間を少しでも減らす為ではありますが、子供の躾の為にもなると思うからです。
それが独り暮らしになり自分のことだけになると、どうせ拾って洗って干すのも自分だし誰にも迷惑を掛けないからと好き勝手な生活になってしまうんですよね。
無論、本来がそのような人間だからなのですが……
来客があった場合の挨拶は当然ですが、帰りの際は見えなくなるまで見送るという習慣もずっとありました。
それはどうしてなのかということも、折りに付れ子供達に説明しながら……
それが都内のマンション暮らしになったとはいえ、いつの間にかお客さんを玄関で見送るようになりました。
これも子供達と暮らしていれば、まだ下まで一緒に降りて自家用車なりバスなりが見えなくなるまで目を離さなかったと思います。
子育てをしていた20年程の間……
記憶の中ではしなかったことがないぐらい当たり前のことだったことでさえ、生活の中で影を潜めていくわけです。
中には、今の緩んだ吾輩の生活に幻滅する子もいるかも知れません。
それでも……
〃親〃としてやっていたにしろ吾輩ごときにそれをさせるわけですから、〃子供の存在〃って親にとっては偉大なんだということは伝えたいですね。
そして、だからお前も
「自分はどうだったか」
なんて考えずに棚に上げて子育てをしていいんだとアドバイスしたいと思います。
親は……
自分の中に子供の為になるなら変えられる部分はたっぷりありますから、子育ての間ぐらいその方針を優先して生きられますもんね。
そんな話もあんな話も……
そろそろ子供達と話せる時期が近付いて来た親父業です。
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