side タンザナイト
色々と一悶着があったが、そこの赤い髪の羊のような角が生えた人物....オルペウスが話を
進める。
「目標との合流に成功だあります!えーとですね、イゾルデ大佐の資料によりますと.....『鬼火』隊長、こちらが市政庁のほうから来られた『特任ホロウ技術顧問』ならび『市長付き軍事行動特派員』で、さらに....」
『妙だな....イゾルデの話だと、支援に来るのは二人だと聞いてたんだが』
「ふふん、私のことは『パエトーン』様って呼びなさい!」
『.....』
「――な、なーんて、ちょっとしたアイスブレイクのつもりだったの....やっぱり、また普通にプロキシって呼んで」
『意思弱っ.....』
と、平たい目でリンを見つめる。
「ふむふむ....あの『トリガー』さんや『11号』さんが、口を揃えて賞賛する『パエトーン』殿と『タンザナイト』殿ですが....実際はとっても気さくなお嬢様と使える執事なのであります!」
『話飛びすぎだろ』
一体どう解釈したらそんな話に飛ぶんだよオルペウスてめー。
『知ってるぞ。悪名高い『パエトーン』と『タンザナイト』のことは、うちの女連中がよく言ってるからな』
「ええと....『トリガー』さん達の話では、どちらかというかポジティブな活躍が強調されていた記憶でありますが.....」
『フン...カタギの話なら、それもそうかと聞いてやれるがな――相手がならず者とくれば、それは悪名としか言えんだろうが』
「で、ですがその理屈ですと、悪名高いとご一緒する自分たちも、そう言う事に....それにタンザナイト殿はどちらかというと『善名』かと.....」
と、何か突っかかってくるオルペウスの尻尾から生えた知能構造体の鬼火....
『正直に言わせてもらう。あの時から、オボロス小隊が『プロキシ』と行動を共にするのは、どうも気が進まなかった。無論、『エーテリアス』の救助もな....私は前時代的で融通の効かん兵士だ。若い連中のように、目を見張る冒険譚もなければ、悲劇的な過去もない。だから軍の外とはほとんど関わりがなかった....まして、お前達のようなアンダーグラウンドな人間とはな』
「影に潜んで、裏の世界から街を救うヒーロー....って聞くと、むしろかっこいいかも?」
『フン....お前らの『武勇伝』そのものは度々耳にしているが、到底ヒーローなどと思えないな。この都市で行動する以上、必ずなんらかの目的がある。お前のように、背景の不明瞭なやつならなおさらだ。だが忠告しておくぞ、オボルス小隊の任務を妨害したり、防衛軍の原則を踏みにじるようなことがあれば.....』
「大丈夫。あんたの原則が間違ってなくて、なにかを守るために戦ってる限り....私達、同じ方向を向いていると思うよ」
『フン...そう願ってる』
と、何か納得が言っていない様子な鬼火....そんな鬼火を俺は斬り上げる。
『はいはい。その話は一旦やめ....それより今は目の前の作戦に集中しよう?なんたって讃頌会がホロウにいるんだから』
『ハッ....立場がどうあれ、行動でしめすと?それ自体は悪くない』
「それではこれより...自分から今回の作戦目標ならびに、『パエトーン』殿、『タンザナイト』殿に担っていただきたい役割について、簡潔にご説明させていただくであります」
そう言い、オルペウスは今回の作戦を淡々と話し始める。
「優秀なホロウの案内人―――すなわち、プロキシである『パエトーン』殿には、現在判明している地図情報およびホロウデータに基づき、我々オボロス小隊のために、最も効率的な行動ルートを策定して頂きます!」
「そしてミアズマキラー――もとい、『タンザナイト』殿はミアズマの活性を抑制または除去してもらい、当作戦を効率的に進めて頂きます!」
「その一方で我々は、『パエトーン』殿、『タンザナイト』殿がホロウデータの収集、ならびミアズマの活性状態を測定・除去するうえで支障がないよう、護衛いたします!」
『軍には優秀な偵察兵がいくらでもいる。軍事行動を経験したこともないプロキシたちに任せるのが、果たして適当なのかどうか.....』
「『鬼火』隊長....!資料や隊員たちの証言によると、プロキシ殿達は『トリガー』さんや『11号』さんと、すでに共同作戦の実績があるんですよ。『11号』さんなんて、『どんな偵察兵よりも、正確で鋭く、頼りになる』と評していました!」
と、鬼火が悪態をつくのをオルペウスはフォローする。
....ハリン、そんなこと言っていたんだ....照れるな///
「あの二人が揃って太鼓判を押すような方は....自分が記録する限り、小隊の隊員を除いてまだお会いしたことがないのであります!」
『フン....じゃあなんだ、隊員にもイゾルデにも異議はないというんだな。ならこれでブリーフィングは終わりだ。せいぜいはぐれないことだな、プロキシ君、そして蒼光の騎士。』
そう言い、俺たちはこの場からでることにした――ホント、この鬼火っていう人....人?は皮肉屋だな....
『....っ!』
「あれは...!」
外に出てみると、讃頌会の手下たちが待ち構えていた!
「敵の数が予想以上であります....!」
『『アイアン』分隊、状況を報告しろ!』
[――――]
『『アイアン』分隊!聞こえたら応答しろ!』
[―――――]
鬼火が通信機に話しかけるが、ノイズしかきこえなかった.....
「ううっ....連絡がつかないのであります....」
「ホロウ内での電波障害はあるあるだけど、これは多分、讃頌会の仕業だよ」
『とりあえず、この場を片付けるぞ!』
俺たちはそれぞれ武器を構え、戦闘態勢に入る。
「はぁっ!」ズバッ!!
「い、いくであります!!」『燃えろっ!!』ゴォォォォッ!!
『『羅戦 グングニル!』』ギャルルルルッ!!
『ぐぁぁぁぁっ!?』
幸い、この辺の敵は弱かったので、一瞬にして片付けるのだが.....増援が増え続けている。
「敵の増援が次々に湧いてくるであります....」
『こちら『マッチロック』、進行を妨害されている!―――『アイアン』分隊!聞こえたら応答しろ!』
[――――]
「北西方向、敵の増援を発見!」
『『アイアン』分隊.....!』
「まさか『シード』たちの身に何があったのでしょうか...?」
「ジャミングを止めるなら、近くの発生装置を停止させるのが一番早いよ」
「....あの、周りのミアズマが....どんどん濃くなっている気がしませんか?」
「周辺エリアのエーテル活性が上昇中、強敵に気を付けて!」
『....ちぃ、ハリン、オルペウス!リン達の所へ固まって!』
「!―――分かったわ」
「ええっ!?は、はいであります!」
『おいっ!何をする気だ!』
「隊長、落ち着いて。これは
『なんだと?』
鬼火がハリンの説明に疑問を持っている間に俺は拳にエーテル爆薬を生成する。
『弾けろ.....『
「うひゃあっ!?」
チュド、チュド、チュドドドドドンッ!!!
リン達に巻き込まない角度で、あらゆるところから爆発させ、あたりのエーテリアスや讃頌会をぶっ倒す。
『お、おまえ!私たちを巻き込む気か!?』
『っと....当たらないように調節したんだけど?』
『そういう問題ではない!!!』
「はわわわ.....何て言うハチャメチャな攻撃.....本当に味方でよかったであります....」
「あっ見て、ミアズマが小さくなっているよ」
「敵を倒すついでにミアズマを除去するなんて....腕が相当上がったようね。妹として嬉しいわ」
と、ここら一帯の敵を