あっタンザナイトの出番最後だよ
タンザナイト『シュワット!?』
sideオルペウス
「『鬼火』姉さん、また夢をみたのでありますか?」
なにやら、鬼火姉さんが苦しんでいるような感じで寝言を呟いてたので、起こしてみるのであります。
『む.....知能構造体は夢を見ない。あれはただ、ストレージの隅に残ったキャッシュの断片に過ぎん...』
「つまり、またあの時のことが夢にでてきたんでありますね....?」
『....夢は見ないと言っただろう!オルペウス、学業を諦めて軍に入ったのは幸いだったな。お前があのまま、
と、鬼火姉さんが皮肉った言い方で言うのであります....
「あはは...ときどき頭の回転が鈍いのは、自覚できているであります。でも結局、『鬼火』姉さんは寝ているときずっと寝言を言うので.....」
『『寝て』などない、『セルフチェック』だ。それと前にも言ったな、車の中では役職で呼べ!あと、盗み聞きは趣味が悪いぞ!』
「はっ、『鬼火』隊長!もう二度と寝言を盗み聞きしません!」
でも、こんなに距離がちかいわけでありますから、聞かないというのも難しいのでは....
『寝言じゃない、『セルフチェック中に音声モジュールが発した余波シグナル』だ!』
「はっ、『鬼火』隊長!もう二度と、セルフチェック中のほにゃらら寝言シグナルを盗み聞きしません!」
『....それにしても奇妙だ。今日は私が寝坊....ではなく、セルフチェックが規定時間内に終わらなかったとは、どうにも
今さっき寝言って言ったような....というか―――
「知能構造体も、ジンクスを信じることがあるのでありますか?」
『私もお前と同じく、学業を諦めて軍に入ったクチだからな。ジンクスのほかに、知性の拠り所がないんだよ――さて、優雅な朝食はここまでだ。オルペウス、そろそろ作戦会議
に向かうぞ』
「はいでありますっ、『鬼火』姉さん!」
そうして私と鬼火姉さんは作戦会議があるところへ向かうと、トリガーさんがお出迎えしていたのであります。
「『鬼火』隊長、オルペウス隊員、お待ちしていました」
『狙撃手を一人で待たせるなどと....オルペウス隊員、突撃兵として失格だぞ!』
「えっ....?『鬼火』隊長が寝坊したからじゃ....」
『『セルフチェック』だ!さっきも言っただろう!』
と、小言が聞こえたのか鬼火姉さんが怒鳴ったのであります....
「お気になさらず、前もって配置について戦友を援護するのも、狙撃手の責務ですから。では、一緒に作戦会議にへ向かいましょうか。小隊全員で遅刻して、1人ずつ大佐に叱られることにならないよう....」
そう言い、小隊をあつめて、イゾルデ大佐の元へ向かうのであります。
「ゲホッ....ゴホゴホ.....おはよう、諸君。今朝のブリーフィングだが、讃頌会の拠点に対する突撃作戦について占術的詳細を詰めるものになる。これまでの浸透作戦と、ポーセルメックスから提供のあった資料から....我々は、讃頌会がホロウに設けたとされる連絡拠点のいくつかを把握している」
「だが、連中の本拠地の位置や、詳細な人員配置などについては依然として、精度の高い情報を必要とするのが現状だ。よって....主力がホロウで掃討作戦を始める前に、ホロウ内にある讃頌会の連絡拠点へ、我が隊から精鋭部隊を派遣しての、偵察任務を遂行することとなった。一番槍を担ぐのは『オボルス』だ。君達の戦果が、今後の作戦を大きく左右することになると、肝に銘じてほしい」
『ふん....任せておけ、イゾルデ!』
と、鬼火姉さんがやる気満々な声で答えたのであります。
「コホン....『鬼火』隊長、既に作戦は始まっていると言っていい。呼ぶときは階級を使うように」
『了解であります、長官殿....短い付き合いでもないし、この悪癖は大佐が一番よく知っているだろう』
鬼火姉さん...今朝自分におんなじことを言ったばっかりなのに.....
『フン....またこうして肩を並べて戦えるなんてな、イゾルデ....いや、イゾルデ『大佐』か』
「大佐。今回の作戦には、オボロス小隊を支援すべく、市政側から特使が派遣されると伺ったのですが.....」
「そうそう、『トリガー』さんや『11号』さんが妙にウキウキしていたのであります!たいへん有能で、とっても頼れるお友達が同行してくださるんだと!」
「『トリガー』隊員の言う通りだ。今回の作戦は、市政側からの客人がオボロス小隊に技術顧問として同行することになっている。事前の段取りの通りに行けば、ホロウで合流することになるだろう」
よーし....作戦が始まるのでありますから、気合入れていきます!
―――
――
ー
『讃頌会は長く衛非地区を蝕んできた.....その根源こそ、大隊の使命だ』
『これまでの行動で、敵はかなり損耗しているはず.....この機に残党を一掃し本拠地を潰すぞ』
『我が軍はすでに拠点の位置を複数把握しているが.....本拠地の正確な位置はまだだ』
『そこで諸君を、
『『マッチロック』分隊は正面突破と市長の『技術顧問』との合流、およびデータ取得に協力』
『『アイアン』分隊は空から地上部隊に火力支援と情報を提供しろ』
『作戦コードは――――『アイアン・マッチロック』だ』
『戦闘準備!』
―――
――
ー
現場につくと、ミアズマに汚染されたエーテリアスたちがいたのであります。
『こちらオボロス、目標のホロウに到着』
「『マッチロック』分隊、配置につきました!」
『『アイアン』分隊、位置を報告しろ!オーバー!』
すると、通信機からシードさんの声が聞こえたのであります。
[「はーい、こちら『アイアン』」]
[「まだヘリの中に....20分ほどで『マッチロック』から3時の方向に着陸予定です」]
「行動目標その一、『市長付き特派員』のお迎えであります!」
『ずいぶんな大物だな。オボロス小隊が直々に出迎える必要があるとは』
[「確かに大物ではありますが、本当は気さくな方達でして.....」]
[「へー、どんな人だろうねぇ」]
『おしゃべりはそこまでだ、戦闘に集中しろ!『特務員』と護衛とはこの先の建物にいるぞ!』
あ、そうであります....ふと疑問に思ったのでありますが.....
「どうして合流地点をホロウにしたのでありますか?」
[「『鬼火』隊長は実戦型....『協力者』には言葉より行動で示す方が良い.....と、イゾルデ大佐が仰っていました」]
『ハッ、まるで私を浅慮の鈍感な子供のように....』
「本当ですか....?後で隊長がその方にキツく当たらないといいですが.....」
そう言い、私はちゃちやっとエーテリアス達を倒して、その『協力者』のところへ向かったのであります。
「あと少しで目標地点に到着であります!」
『この先にいるのか....っ!』
すると、鬼火姉さんが見つけたのは、
『ちっ、『オルペウス』、『11号』気を抜くな!前方に青いエーテリアスを発見、ただちに殲滅しろ!』
あれ....確か資料には青いエーテリアスの写真があったような....
「.....隊長、あのエーテリアスは―――」
『くたばれ!』ゴォォォォォッ!!
鬼火姉さんが有無を言わさず、口から火炎放射で目の前のエーテリアスを発射したのであります。
「隊長!何を!」
「うわぁぁっ!
「えっタンザナイト....?」
確か資料にはそんな名前をしたのが資料に.....や、やばいのであります!
「お、『鬼火』隊長....そのエーテリアスは―――」
『―――っ!』
と、鬼火姉さんに詳細を話そうとした瞬間、突然辺りの炎が『バシュッ』と音と共に一瞬にして消え去ったのであります。
『....やれやれ、折角
「....ホッ」
そこにいたのは青く光っていたものが今度は
『何!私の炎を....ならば、鉄をも溶かす温度で―――』
「そこまでよ、隊長」
と、11号さんが鬼火姉さんを止めたのであります.....よ、よかった....
『何故止める、11号!エーテリアスは即刻殲滅する、それが常識だろ!』
「ええ、そうね―――ただしそれは普通のエーテリアスとの場合よ、『鬼火』隊長」
「そ、そうであります!『鬼火』ね――隊長!この方は市政庁のほうから来られたエーテリアスなのでありますよ!?」
『....何?』
「タンザナイト大丈夫?今思いっきし燃えてたけど.....」
『大丈夫だ。物理的な炎は俺には当たらん...
と、壁から二人の人物とボンプがひょこっと現れたのであります。
「久しぶりね兄さん達、そして『ハーミット・パープル』。さっきはごめんなさい、鬼火隊長の代わりに謝罪するわ」
『いいよ別に。エーテリアスに対しての感情は今に始まったことでもないし....』
「...そう。兄さんがそう言うならいいのだけれど....」
『....チッ』
と、鬼火姉さんが悪態をついたのであります.....と、とりあえず、一旦まとめないと......うう、初っ端から大戦闘にならなかっただけマシでありますかぁ.....
鬼火の行動にヒヤヒヤして胃が痛くなるオルペウス。頑張れ、この先まだまだ胃痛に苦しまれる場面があるぞ!