転生先はエーテリアス   作:YEX

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おびき寄せるZOY☆

side タンザナイト

 

数分後.....リゾートに仕掛けられたプロジェクターをすべて回収し、テレーゼ、エーゲ、コウテイを呼んできた....彼らは大量のプロジェクターを前にして、目を丸くしていた。

 

「...これが今回の騒動の全貌なのだわ。問題のプロジェクターはすべて回収したから、もう『怪奇現象』に怯える必要はないの」

 

「良かった....本当に良かった....やっぱり、お父さんが残してくれたこのリゾートは無実だったのね.....」

 

「お嬢さん....ハンカチを。これで涙を拭いてください。皆さん....危機に陥ったこのリゾートを助けてくれてありがとう。改めて確信が持てた....今回もやはりスリーゲートが絡んでいたんだな」

 

「ンナ!ンナ!」

(ウィリスめ!僕たちをやっつけないと気がすまないのか!)

 

「もう少しでリゾートが手に入るところだったのに、私達が来て経営が持ち直しちゃったから.....当然、あの手この手で邪魔するよねって感じ」

 

となると....あの騒ぎはブラフで、このプロジェクターをつけることが本当の目的だったわけか....くだらねぇ真似しやがって....

 

「どうりで真斗が怪しいヤツを探しても見つからないわけだよ。その頃には、怪奇現象も遠隔操作で思いのままだったんだから」

 

「ンナナ!」

(ぜんぶわかった!すぐに治安局に言いつけに行こう!)

 

「いいえ...それはまだできないのだわ。監視カメラの映像はすべてチェックしても、ウィリスの手下は一切映ってなかった。あの狡猾な狐....ウィリスが、そんな初歩的なミスをするはずはないと思っていたけれど、リゾートとは長い付き合いだから、監視カメラの場所にも把握済みということみたい」

 

「それに今んとこ、プロジェクターには『カメレオン』が塗ってあったってだけでだ....スリーゲートがクロっていう決定的な証拠にはならねぇ。きっちり足がつかねぇようにしてやがる」

 

流石TOPS、証拠隠滅はお得意のようだな....

 

「ンナ....」

(なんでこうなっちゃったの...どうしたらいいの?僕達あいつに何もできないの?)

 

『...いやまだある。また悪事を働く前に現行犯で捕まえる――このプロジェクターをつかって!

 

「どういうことですか?」

 

「さっきも説明した通り、『カメレオン』はまだ不安定なもの....ウィリスのトリックはギリギリで成り立っていたにすぎないのだわ。ちょっとしたことでリゾート中のプロジェクターがひいては彼の計画が露見しかねない....それこそ、彼が最も恐れていることのはず」

 

「そういうことか...だからやつは、必ずこれを回収しにくるというんだな」

 

『そういうことだ』

 

「状況は分かったわ。ミーアとヘレンにも伝えておく。....ウィリスさんの手下がまた来るかもしれないということも。準備はきちんとしておくから。その時が来たら、私達も協力するわ。だからお願い....このリゾートを奪おうとする人たちに、絶対に法の裁きを受けさせて!

 

『ああ...任せろ!』

 

俺たちはウィリスの手下が回収するのを待つため、プロジェクターを集め、待機した。

 

 

~~~~

 

ひとめにつきにくい場所に身を潜めていると、案の定、ギャング構成員たちがコソコソとリゾートに姿を現した。慌てた様子で、会話が手に取るように聞こえてくる.....

 

「ど、どういうことだ?確かにここに設置したはずなのに....消えちまってる!?」

 

「このバカ者が!そんな簡単なことすらまともにできないなんて!絶対お前が場所を間違えたんだ。プロジェクターが勝手に動くわけないだろう!」

 

「ここで間違いないはずなんだが。この前設置した時も一緒に確認しただろ?忘れたのか?」

 

「....チッ、確かにないな...一体どうなってるんだ?突然なくなっちまうなんて。あの方に知られたら、俺ら全員シャレになんねぇぞ!.....まあいい、時間もねぇし後で何とかするとして...他の場所にもプロジェクターが何台も残ってるから、さっさと回収しようぜ!」

 

その様子を見ていた柚葉は小さく口を開く。

 

「うん...やっぱり向こうから来てくれたね。プロジェクターをここに持ってきたのも、この人たちで間違いないよ。」

 

「でも、この中にウィリスはいないみたいなのだわ....」

 

『だろうな。あの小物のことだ、わざわざ自分から手を汚す真似はしないさ。だが、ここでこいつらを確保できれば、ウィリスもだまってはいられないだろうな』

 

「じゃあ、出撃しましょうか?後ろから急に現れて....あの人たちをビックリさせるのはどうかしら!」

 

「よし、それじゃあ行こうか」

 

戦闘の準備を整え、ギャングたちの前に姿を現した。彼らは見つかるとは思ってもみなかったらしく、一瞬混乱を見せたものの....すぐさま防護用のヘルメットをかぶり、武器を取り出した――

 

『御用改めである!神妙にお縄につけい!!』

 

「ちっ...無事で済むと思うなよ!」

 

『それはこっちのセリフだぜ...炸裂拳(ウルトラボム)』っ!!』ヒューンッ――

 

ドコォォォォンッ!!

 

『ぎゃあああっ!?』

 

戦闘開始と同時に拳をエーテル爆薬で飛ばして、ギャングを爆発で攻撃する。その後、畳みかけるように、柚葉達がギャングたちを攻撃した。

残ったギャングたちは逃げようとしたが、一斉に駆け寄って来たリゾートの人々によって取り押さえられた....

 

「そのままじっとしてやがれ。いま治安官さんがコッチ向かってっからよ」

 

「離せよ!俺らが何をしたって言うんだ?治安局を呼ばれる筋合いなんかねぇ!」

 

「そうね...不法侵入、器物損壊、スタッフへの暴行....そして何よりっ、その非対称なヘルメット!これだけで罪状としては十分なのだわ!」

 

『最後絶対私情だろ』

 

「うちとエーゲさんでギャングの顔は確かめたよ!でもウィリスはおろか、スリーゲートの社員っぽいやつもいなかった....」

 

「言いかえれば、この連中は表向き、スリーゲートとは無関係の、偶然リゾートに侵入したギャングということだ....あくまで表向きは、だが」

 

「ンナ!ンナナ!」

(ギャング雇ってゆうれい騒ぎを起こす、ずるい!もう逃げられない!すなおにスリーゲートのしわざって言えば、やさしくしてもらえるかも。でもジゴウジトク!)

 

「ハッ....スリーゲート?話が見えないな、なんでいきなりTOPS傘下の大企業が出てくるんだ?それに『オバケ』?お前らの話はさっぱりだ!あのな。ここを襲ったのは、ただ気に食わなかっただけだ。計画したのは俺で、実行したのはコイツら....他には誰もいねぇよ」

 

ここまで口を割らないのは、多くの金を貰ってるからだろうな....よし、なら――

 

『なあ、お前ウィリスにいくらもらったんだ?俺ならその数倍は出してあげようか?』

 

「ウィリス?知らねぇな。俺らの金は俺らの手で稼いだもんさ」

 

うーん....無理そうだな、仕方ない。

 

『狛野、こいつら治安官が来るまでこいつらどっかにやっとって』

 

駒野が縛られたギャングたちを連れて行った後、しばらくすると戻って来た....

 

「ねぇ、さっきのあれ、ディニーで探りをいれたでしょ?」

 

『ああ。...だけどあの反応、結構な額を貰っていたな....お金で懐柔はむりだな』

 

「でもひとまず、この反撃でウィリスもしばらくは良い子にしてるんじゃないかな。ギャングがあいつを売るかどうかは、治安局にお任せってことで」

 

「つまり....もう『幽霊騒ぎ』の心配はしなくてもいいってこと?」

 

「ウィリスが雇ったギャングは一網打尽にしたもの。彼は当面の実行役を失ったはず....別のギャングを雇ったり、彼自らやってくる可能性はあるけれど、そうなったら容赦はしないのだわ!」

 

『まぁ、何にせよ....明日のフェスに影響はないだろうな。娯楽の拡充とフェスの相乗効果で、きっとリゾートの人気は莫大に増えるな!』

 

「それは朗報だが....残念ながら、ここ数日の騒ぎでうちは『オバケリゾート』としてインターノットで広まってしまっている。ネガティブな影響が出ているのは紛れもない事実だ。閑古鳥が鳴いていたあの頃よりは、ずっといいがな。皆さんのおかげで、このリゾートは再び走り始めることができた。とても感謝しているよ」

 

「ンナ...ンナナ....」

(何も知らないで、インターノットで騒いでる人たち...それがなければ、もっと人気になるはずだったのに....)

 

むむむ....やはり、一目で決めつけられた印象はそう簡単にひっくり返らないか....

 

「コウテイ、そんなこと言わないで。私はね、このリゾートがこんな短期間で持ち直したことが本当に嬉しいの....心霊スポットなんて噂がたっても、今の私達ならここを続けていける」

 

「そういえばさ、こないだからインターノットでここの関連スレを漁ってたんだけど、うちの詳細がちょっとずつ変わってるぽいんだよね」

 

えっ...そうなの?

そう思いつつ、ミーアがスマホでスレを見せる。

 

「ちょっと待ってね....ほらほら、これとか。オバケも見た目はあれだったけど、ケガ人がでたわけじゃないし...それで肝試し好きの心霊オタクにマークされ始めてるみたいだよね」

 

「わぁ、本当なのだわ.....暑気払いにいいって紹介とか、バズるフォトスポットの案内まで...わざわざオバケに会いたいだなんて、新エリー都の人は頭をどうかしてしまったの....?」

 

「うんうん....お嬢様ってば、口ではオバケも怖い話もヤダとか言いつつ.....ほんとはそういう非日常に憧れるんだよね?」

 

「むっ....ち、違うのだわ!」

 

「つまり言いたいのは、この『オバケ』路線でもっとお客を呼べるんじゃない?ってこと。災い転じて福をなす、的なさ」

 

「ううん...もうオバケはもうたくさん。お父さんが残してくれたこのリゾートで、そういうやり方はしたくないもの」

 

「コウテイ、回収したホロ・プロジェクターをまとめて、治安官に渡してきてくれるかしら?」

 

「ンナナ...」

(テレーゼ...わかった.....)

 

「ありがとう。じゃあ気持ちを切り替えて、アリスと柚葉を手伝うわ。明日の夜に向けて、準備しないとね!」

 

「ええ、皆さんもうひと踏ん張り。アーノルドが声をかけたバンドも明日の昼には苦し、宣伝もできる限りしたもの。.....勿論予算の範囲で、だけれど」

 

「開幕前の準備は任せて!また前に進めるようになった今、ウチらがお客さんに素敵な夏をお届けしないとだもんね!」

 

『俺たちも手伝うよ。みんなと一緒なら楽しい夜になりそうだ』

 

『おー!!』

 

みんなで手を重ねて、気合を入れる。夏はまだまだこれからだ!嵐が過ぎ去り、希望の明日が見えている―――

 

「....こんな夏が.....ずっと終わらなければいいのに.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて、そろそろ『この力』を試す時が来たようだな』

 

物陰に隠れたフクロウの仮面が手の甲に()()()()()()が怪しく光る。

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