転生先はエーテリアス   作:YEX

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夏イベの開始の宣言をしろ、磯野!

は、はっ――夏イベ開始ぃぃぃぃっ!


盛夏の夢物語

side タンザナイト

 

フェロクスの件が一週間ぐらい経った後....衛非地区で散歩していると、柚葉とアリスが、奇々解々の前で何やら興奮気味に話し込んでいる。俺たちが到着したことに気付くと、目くばせをして、こちらに話しかけてきた。

 

「アキラくんにリンちゃんにタンザナイトくん、ちょっと聞きたいんだけどさ、夏って言ったら何を浮かべる?」

 

『夏か....最初に思い浮かべるのは、夏祭りだな。あとキンキンに冷えたスイカとか....』

 

「....ジリジリと身を焦がす猛暑、どこにでもいる蚊....エアコンと『Fairy』のせいで恐ろしいことになる電気代の請求....それが夏だ」

 

「ネガティブすぎるよ、お兄ちゃん!うーん...去年の夏、リゾートに行けなかったこと...まだ気にしてる?」

 

やめてくれアキラ...その答えは俺に効く。日本の夏は秋ですら喰らうから....

 

「えっと...なんかゴメンね?変な空気にしちゃって...ねえ、去年の夏を後悔してるなら、今年こそは思いっきり楽しんでみない?」

 

『え?なんか近いうちにイベントがあるのか?』

 

柚葉がそう言うと、何処か得意げに笑みを浮かべ、アリスのポケットから三枚のチケットを取り出し、ちょっと照れくさそうに、それを渡してきた。

 

「アキラ、リン、タンザナイト、この間の事件は三人のおかげで解決できたのだわ。このリゾート無料招待券は、私と柚葉からのささやかな感謝のしるし。ぜひ受け取って!」

 

「ちょうど学校もお休みだから、私達と真斗も行くよ。いっしょに怪啖屋テイスト満載の、最っ高に楽しい夏を過ごそうよ!」

 

『おおっ!リゾートの招待券か!いいのか?』

 

「わーありがとう!ちなみに、『怪談屋テイスト』ってなあに?やっぱり怖い話と関係がある感じ?」

 

「ううん!そんなことしたら、アリスにまた怒られちゃうもん。ビーチをはだしでお散歩して波のの感触を楽しんだり、椅子に寝っ転がって日光浴したり...夜になったら大輪の花火を眺めて...とか、うん、そんな感じ!」

 

なんか聞いた感じ、普通のバカンスだな....

 

『聞いた感じ、『怪啖屋テイスト』が感じられなかったが....』

 

「それは...柚葉が言う『テイスト』というのは、私達がこのリゾートを見つけた過程に由来するのだわ。....怪啖屋の提示版に、そこを紹介する投稿があったから」

 

「やっぱ怖い話と関係あるじゃん!怪啖屋の投稿が発端なら、普通のリゾートなわけなくない?」

 

「まあね~。でもアリスと下見に行ったけど、変な雰囲気じゃなかったよ。インターノットには色々噂があったけど、()()()()()()なんじゃないかな」

 

「むん....柚葉の言う通り、変なところはなかったのだわ。やけに人が少なかったことを除けば、サービスも雰囲気も良かったもの」

 

「アリスがそう言うなら、きっと大丈夫だよね....!じゃないとお兄ちゃんとタンザナイトが絶対行きたがらないもん。よーし、ずっとしまい込んでた水着の出番だよ!」

 

『....おれもこれを機に水着でも買っておくか....』

 

「水着だけじゃなくて、着替えとカメラとか...バカンスに必要なものはひととおり持ってきてね!リゾートが()()()()()()()()なんて機会、そうそうないんだから~」

 

....え?リゾートがまるまる貸し切り?それって買い取ったってこと?

 

「そっか、言ってなかったね。このリゾート客数がイマイチって聞いてたから、私達怪啖屋で交渉してみたんだけれど....なんと、超格安でしばらく運営を任せてくれることになったんだ~!もちろん、怪啖屋がコツコツ積み立ててきた活動資金を動員してね...ここ最近だと、一番お得な取引だったかな~」

 

「うっそぉ...はは、じゃあホントに『怪啖屋テイスト』だね」

 

「柚葉が交渉した時は、私も正直驚いたのだわ....でも最近は色々あったし、ちょっとくらい気分転換しなくちゃ」

 

「とりあえず、リゾートの場所はノックノックに送ったからね!向こうで水着の柚葉とアリスがお迎えしちゃうよ~」

 

「はえっ?でも私、今年の水着はまだ買って....」

 

「安心して、アリスの分も柚葉が選んどいたから!」

 

「本当に?なんだかちょっと不安なのだわ....」

 

『よし、そうなら俺たちも荷造りしないとな...また向こうで会おう』

 

俺は一旦リン達と別れ、水着や日用品など準備して、柚葉が教えてもらった住所を頼りに、『亜空間』でスロノス区の海辺にあるリゾート地までワープした。

 

その場所はいかにも海の家であり、青と白のストライプを要した建物がいたるところあり、浜辺には屋台らしき物も見当たる。

 

「アキラくん、リンちゃん、タンザナイトくん、やっほー!どう?ここが私とアリスが目をつけてた――『ファンタジィ・リゾート』だよ!ここ、ひとけはないけど眺めはいいんでしょ?そういえば、もうチェックインしたんだよね?どう部屋も綺麗だったでしょ?」

 

『これホントに貸し切りか?』

 

絶対何億ディニーしそうなくらい広い場所だが.....

 

「しばらくの間、ここの通常業務は全部私たちしだい!これもアリスが活動資金の88%を出してくれたおかげなんだから!」

 

『....なんで88%?』

 

めっちゃ中途半端な数字だな....

 

「む...それが一番シンメトリーな数字だからなのだわ!じゃなくて...そのことはもういいでしょう!」

 

「はいはい、アリスをからかうのはここまで。みんな、約束した水着、もってきてるよね?」

 

『おう!ここにちゃんとあるぞ』

 

「じゃあ更衣室で着替えよ。それからみんなでここの支配人に会いに行こっか!」

 

「ま、待ってほしいのだわ!柚葉...あなたが選んでくれたこの水着だけれど、私にはちょっと...なんというか....大胆すぎるのだわ!」

 

「いけるいける!柚葉がルミナスクエアでめっっっっちゃ時間かけて選んだんだよ、絶対似合うって!ほら、ちゃっちゃと着替えよ!」

 

「むぅ...じゃあ、アキラ、リン、タンザナイト、また後程なのだわ....」

 

そう言って柚葉がアリスの背を押して去って行った。俺たちも水着をもって、更衣室へ向かった....

 

「夏って感じの天気!バカンス日和っやつ?」

 

リンの水着は、オレンジ色のビキニを着ており、その上に白シャツにハーフパンツを着た姿になっており、帽子をかぶっている。

 

『張り切っているなリン』

 

俺は青色の水着を着ており、防水加工のショルダーバックを装着、サングラスとリンと同じ帽子を被っている。

 

「ふふ、タンザナイトもね」

 

アキラは白色の水着で黒と白のフードパーカーらしきものを羽織っており、タオルやペンダントを首にかけ、リン達と同じ帽子を被っていた。

 

『にしても....アキラ、腹筋割れてたんだな....』

 

「あれから師匠に稽古つけてもらったからね....それなりに筋力がついたよ」

 

「えへへ....ワプッ!?」

 

すると、何処からか水が放たれ、顔に当たる。

その方向をみると、水着を着た柚葉がいた。

 

「~♪」

 

『柚葉!』

 

見た目が、めっちゃきわどいが、アヒル人形やらカメラやら小物が付いて可愛らしい感じだった。

 

「アリスはやく来なって!」

 

「っ!.....うぇぇ...えっとあの....」

 

アリスが恥ずかしそうにこっちにきた。

見たは白ビキニにスカート付が後から着た感じのテイストになっており、ピンク色で可愛らしいデザインだった....てかよく見たらストップウォッチ両手にある!?

 

「ふぇっ!?あうぅぅ....!」

 

うおっ...アリスの腰についていた機械が火花散ったぞ...そのあとアリスは電源をきり、感想を聞いてきた。

 

「フゥ...ど、どうかしら?」

 

『ん』グッ

 

俺たちはグットサインをだし、アリスを褒めた。フフッカワイイ!

そうして、一通り水着を鑑賞したあと、支配人の所へ行った。

 

「えっと....柚葉、アリス、この方がさっき言っていたVIPのお客様?」

 

「そうだよ~、三人は私たちの大切な仲間だから、バカンスにって雇って招待したんだ。アキラくん、リンちゃん、タンザナイトくん、紹介するね。こちらがリゾートのオーナーと支配人、テレーゼとエーゲだよ」

 

「お、お会いできて光栄です!私はファンタジィ・リゾートの現オーナーです....とは言っても、亡き父から引き継いだだけなんですけどね」

 

「僕はここの支配人を務めているエーゲだ、柚葉さんとアリスさんがいらっしゃる前は、リゾートの全業務をこの二人で処理していた。お二方、今回のリゾートでのバカンスをゆっくり楽しんで」

 

『この場所、結構バカンスにむいてますね』

 

「本当ですか?ありがとうございます....うぅもう長らくお客さんからお褒めの言葉を頂いていなかったもので...」

 

『お、おう』

 

泣き出すほどって...どんだけ人来なかったんだよ...

 

「お嬢さん、落ち着いてください...さあ、ハンカチをどうぞ。アリスさんと柚葉さんがリゾートを管理してくださる間だけでも、肩の荷が下ろしましょう。皆さんには申し訳ないが、リゾートはしばらく客足が鈍い状況でな....彼女もそれなりにプレッシャーを抱えているんだ。どうか気にせず、バカンスをたのしんで欲しい」

 

『えっと...このリゾートについて聞いてもいいか?』

 

「ああ。ファンタジィ・リゾートはテレーゼさんのお父上主導で実現されたプロジェクトで正式に運営を始めてから()()が経つ。僕たちは一部の上流階級でなく、広く一般の方々に利用して頂くことを経営方針としているんだ」

 

「そのため、主な収入源となるリゾートホテルの他にも、水族館や船上バー、マリンスポーツ、ステージショーなど、さまざまなエンターテインメントや消費者向けの施設を展開してきた...ですが、ここ数年赤字続きで、ほとんどのアトラクションは休止せざるを得ない状況でして....皆様がここを選んでくださったのは、そういった娯楽を楽しみにしてのことでしょうに...申し訳ございません」

 

「問題ないのだわ。短気運営権の金額を見た時点で覚悟はしてきたし...お二人が損失を補うための収入が早急に必要で、今がとても大変な時期だということは私にも分かるから」

 

「それにアトラクションは一時的に休止してるだけで、設備自体はまだ残ってるんでしょ?それで十分十分。ついでに確認なんだけど、私とアリスが責任者を任されてる間は、リゾートの収益は私たちのものになるってことであってたよね?」

 

「ええ。契約書にも書いてある通り、契約料を支払ってもらった後、契約期間中の収入は全員皆さんのものになるわ。弊社は定期の契約料のみ頂戴して経営のサポートするけど、皆さんの経営方針には干渉しないから」

 

「好きなようにここを改造するのもよし、何もせずにバカンスを楽しむのもよし、全て皆さんにお任せするよ」

 

「リゾートのフロントでお客さんを案内しているから、分からないことがあったら、いつでも声をかけてね。スタッフ一同、精一杯サポートさせてもらうわ!

 

リゾートの背景やなぜ経営危機に陥ったのかについて聞きたかったが...柚葉とアリスが俺たちと相談したいことがありそうだったので、俺たちはテレーゼとエーゲに軽く会釈をしてその場から離れた....

 

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