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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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三勇教撲滅計画

 そんなある日の事ですぞ。

 婚約者からの伝言で勇者が揃って城に案内されました。


「勇者様方、近日中に私を騙る者から指示が来ると思うので……指定した場所で罠を切りぬけて返り討ちにして頂きたく思います」

「え? 出来なくは無いけど……物騒な話だね」

「まったくですね。何かあると見て良さそうですね」

「ええ……あと、育てている方々の中で多数でも勝ち残れる方をその日、村に残して、村に居る人数を減らす準備をお願いします」

「何かあるのですか?」

「私の読みでは三勇教が正体を現し、貴族を先導しながら私を排斥しようと城と……セーアエット領に押し入ると思われます」

「そんな……」

「事前に防ぐ事は……」

「出来なくは無いですが、泳がせて三勇教の名目を潰すのが今回の作戦となります」

「なるほどな。尚文を差別して殺させようとしていた宗教を、逃がさない様に潰すのか」


 錬の言葉に女王が頷きました。


「影の調査によると三勇教はキタムラ様の情報通りに隠し持った切り札を使って乗り込んで来ると思われます。おそらく……私の言葉を騙って一人一人誘き出すと思われますので、勇者様方も覚悟をお願いしたい所存です」

「もちろんですよ」

「この度は、この国の膿を出す事に協力をしてくださり、誠にありがとうございます」

「気にするな。これをしなきゃ始まらないようなもんだ」

「本来なら俺が三勇教の教会を魔法で焼き払えば一発ですぞ!」


 俺の言葉にお義父さんを始め、錬も樹も手を横に振って否定しました。


「かなり危険な事だけど……村の復興を本当にするには避けられない問題なんだろうね」

「ですね。何だかんだで風当たりが強く感じられる時があります」

「勝利の暁には三勇教が悪であり、国民に改宗を勧める……という所か」


 錬が腕を組みながら言った言葉に女王は頷きましたぞ。

 そうですな。

 三勇教が如何に巨悪の根源であるのかを明かす良い機会ですぞ。


「二度目の波により、既に波の脅威を国民は知っております。この度の問題さえ片付けば勇者様方を排斥しては生き残れないと言う意識を国民は理解すると同時に、そんな脅威があるというのに戦争をしたがっている三勇教を追い出す事が可能になります」

「ここが正念場……か」

「はい。その為、勇者様方には内密に事に当たって頂きたく思います」


 なるほど、知っている者が多いと失敗するかもしれないという事ですな。

 では誰に話しましょうかな?

 フィロリアル様に話しても良いですかな?


「元康くん、君は絶対にフィロリアル達に話さない様にね」

「何故ですかな?」

「フィロリアル達だと露骨にばれる筆頭でしょ! むしろ勇者以外は話しちゃいけない範囲だよ!」


 なんと! 誰にも話さず秘密にしなくてはいけないと!

 これはとても辛い任務になりそうですな。


「わかりました。……これでやっと正義を示せるのですね」

「そうだな。尚文に冤罪を掛けて俺達に殺させようなんてする奴が、正しいなんて思えない。樹の正義には問題が発生する事があると元康が言っていたが、これは間違いじゃないだろ」

「……そうだね。和解出来るなら良いんだけど」

「もちろん再三に渡り、三勇教には厳重に注意を致しました。世界は波の脅威に晒されている、今は戦争をすべきではないと……ですがそれを聞き入れる様子は、どうやら無い様なのです」


 女王も困り顔とばかりに答えますぞ。


「時々、錬や樹が会談に呼ばれてたね」

「ええ、女王の指示の下、行きましたよ」

「だがな……あいつ等、こっちの話を右から左に流しているようだった」

「しかも決まって帰り際に謎の襲撃者が来るんですよ」

「決まり文句は『死ね! 勇者を騙る偽者め!』だからな……疑うなってのは無理がある」


 既に錬と樹は十分な強さを得てますからな。

 ドラウキューア山脈に行った成果ですぞ。


「話し合い出来ないみたいだし、それならやるしかない……と、俺も樹も判断している」

「わかり合えないから争いが起こるとは言うけど……」


 むしろこれはと俺は判断しますぞ。


「馬鹿は死ななきゃ治らない。三勇教は世界の害悪ですぞ。この先を乗り越えるには和解など出来ない相手ですな」

「そうみたいだね」

「和解の道を探っていた女王様や尚文さんに言うのは酷でしょうが、無理な相手がいるのも事実です」

「覚悟を決めて、事態に取りかかるとしよう」


 という事で、俺達は打ち合わせをしましたぞ。



 そして数日後の事ですぞ。

 ついに事件が起こりましたな。


 その日は女王の指示で村を空け、勇者が揃って……出かけて欲しいとの指示でした。

 もちろん、女王を騙る者からの伝言でそれぞれ呼び出されましたぞ。

 命じられるまま、俺達は村を空けました。

 すると俺達、勇者の留守中、村の家に火の手が上がりました。

 読み通りに三勇教徒が襲撃をしてきたとの事ですぞ。


 その日、村に残っていたのはフィロリアル様達と、一部の奴隷達……もう既に俺やお義父さん達の教育でLvだけは十分に上がった連中でした。

 呆気なく襲撃者は捕えられましたが、襲撃は一斉に行われており隣町にいる婚約者とエクレアにも被害が及びました。

 ま、こっちも同じく資質の向上をした婚約者と単純な戦闘センスが高いエクレアのお陰である程度駆逐されたそうですがな。


 一番に駆けつけたのは近海でLv上げをしていたお義父さん達ですぞ。

 軍艦が数十隻も現れ、村に向かって砲撃してきたそうです。

 お姉さんのお姉さんの協力の下、三勇教徒を返り討ちにしたそうですぞ。


「今度は奪わせない!」


 軍艦に乗り込んだお姉さんの友人がイタチ獣人に変身し、素早く敵を切り裂き、お姉さんのお姉さんが雷の魔法で感電させ、お姉さんが幻覚の魔法で襲撃者を惑わせて一網打尽にしたとの話ですぞ。


 で、打ち合わせ通りに俺達は帰還しました。

 やはり馬鹿の一つ覚えの如く、俺達勇者を儀式魔法で駆逐しようとしました。

 俺は来ると同時にアブソーブの魔法で儀式魔法を吸収し、逆にリベレイションファイアストームⅩで皆殺しにしてやりました。


 錬は襲撃が来ると同時にハンドレッドソードⅩと流星剣Ⅹで儀式魔法を唱えた連中へ牽制し、急接近して仕留めたと誇らしげに語っております。

 樹も似た様な物ですな。アローストームⅩで戦闘不能にしてやったそうですぞ。


「予定通りだな」

「城の方へ報告はしたのですか?」

「それがどうやら城の方にも煙が上がっていて、三勇教徒が女王を排斥しようと動き出したみたいなんだ」

「急いで向かった方が良さそうですね!」

「ですな! ポータルで行きますぞ!」

「うん!」

「あの……私達はどうしましょうか?」


 お姉さんの友人が若干脅え気味のお姉さんと手を繋いで尋ねますぞ。

 お姉さんのお姉さんは辺りをキョロキョロと見渡して襲撃者を警戒しております。


「ラフタリアちゃんやリファナちゃん達は危ないから村を守っていてくれないかな。サディナさんもお願いできますか?」

「もちろんよ。しかし物騒ねー」

「まあ……その、内密に予定された事件みたいでして」

「和解は出来る限りしようとしたのですけど無理だったんですよ」

「だから非戦闘員は安全そうなゼルトブルに避難してもらったしな。ラトはフォーブレイに戻ってもらったんだったな」

「出来れば教えて欲しかったわねー」


 お義父さんがお姉さんのお姉さんにペコペコと謝っておりますぞ。


「すいません。こっちも出来る限りの事はしたんですけど」


 お姉さんのお姉さんはそんなお義父さんに苦笑を浮かべながら肩に手を伸ばしますぞ。


「良いのよ。村を壊そうとしている勢力を追い出すのに必要な事だったんでしょ? 被害も最小限で怪我人もゼロ。お姉さんは文句を言う気は無いわ」

「コウがんばったー!」

「サクラもー」


 コウとサクラちゃんが手を上げますぞ。


「クロもレンと一緒に漆黒の稲妻<ブラックサンダー>と異名が付く様な電撃戦をしたよー」


 クロちゃんもここぞとばかりにカッコいいポーズを取ってアピールしますぞ。

 錬はそんなクロちゃんを呆れた様な目をしております。


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