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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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いるかいないか

「キールくん、かわいい」

「カッコいいだ!」


 謎現象としてルナちゃんの色合いが……前々回と同じになりましたぞ!

 相変わらずキールにじゃれておりますな。


「ルナも……キールくんみたいになりたい」

「お? そんなに俺って憧れるのか? いやー! 嬉しいぜ!」


 キールが尻尾をブンブンと振りながら答えます。

 まるで飼い主に懐いた犬ですな。

 そこにお姉さんと友人とコウが通りかかりました。


「リファナみたいにもなりたい」

「どうしたの?」

「いやぁ、ルナちゃんが俺の事を尊敬してるみたいでさ!」

「そう。ルナは……キールやリファナみたいに、かわいくなりたい」

「なんだと!?」


 俺はそんなルナちゃんを見ながら前回との違いに関して考えておりますぞ。

 どうして前回、ルナちゃんの色合いが異なったのですかな?

 謎が深まるばかりですぞ。

 他にも若干色合いの異なる子がおります。

 何が……何か理由があるはずなのですぞ。


「どうしたの元康くん?」

「ルナちゃんの色合いが前回と異なるのですぞ。あ、前々回とは同じですぞ。性格は前々回と同じですな」

「へー……何か環境で変化が出来たんじゃない? 例えば食べた物とか周りの状況とか」


 食べた物ですかな?

 ルナちゃんが産まれてから食べた物はどちらもお義父さんが用意した物で俺達とそんなに違いは無いですぞ。

 つまり! 前回と異なる事!


「キールがいるかいないかですな!」

「そうなのかな? キールくんがいるからルナちゃんは元康くんの話じゃ色合いが変わる訳ね」

「そうですぞ! 前回はモグラと仲良くしていましたぞ。趣味は土いじりでした。ですが今回はどうですかな?」

「んー……キールくんにじゃれてるね。リファナちゃんにも」

「という事ですぞ」

「なるほどね。キールくんと相性が良いと」


 お義父さんがそう呟くとルナちゃんは俺達の方をチラッと見た後、キールに詰め寄ります。


「そういう事みたい。キールくんとルナは運命で結ばれてる……ルナはキールくんと仲良くなりたい」

「ま、まあ良いんじゃねえか。これからよろしくな!」

「前々回よりも押しが強い様な気がしますぞ」


 前々回のルナちゃんはもう少し手順を踏んでいた様な気がしなくもないですな。

 ルナちゃんは雛モードに変身してキールの頭に座りました。

 そこが定位置ですな。


「盾と槍の勇者ーバイオプラントの改造はどうするのー?」


 そうそう、村もある程度開拓が出来たのでバイオプラントの種とフォーブレイでの権力を使って主治医をスカウトしたのでしたな。

 時々フォーブレイの研究所に戻るそうですが、割と乗り気で来てくれました。

 今回はホムンクルス研究所に邪魔はさせませんぞ。


「いきなり来訪してきた時は驚いたけど、悪くは無い話よね。勇者の力でフォーブレイとメルロマルク間が一瞬だし、フィールドワークにも一役買いそうね」

「一応、世界中の殆どの国をポータルで網羅していますぞ。なので開拓の手伝いをする約束ですぞ」

「わかってるわよ。ついでにフィロリアル達の健康診断をするんでしょ? まったく、勇者が育てたフィロリアルってのは変わった成長をしているわね」


 などと言いながら主治医はルナちゃんの診断をしておりますぞ。

 ルナちゃんも最初は逃げようとしましたが、キールに情けない姿は見せられないとばかりに逃げるのを止めたようですな。

 で、主治医にはバイオプラントを使った改造をお願いしました。

 最初の世界にあった便利な家になる奴を作って欲しいですぞ。



「さてと」


 村の広場で錬と樹がフィロリアル様と村の奴隷たちを集めて班分けをしていますぞ。

 何をしているのですかな?


「尚文、それと元康」

「ん? どうしたの?」


 俺とお義父さんはそんな錬と樹の元へ近づきますぞ。

 もちろん、お姉さん達やキールも一緒です。


「村の連中のクラスアップも順調に終わったし、Lv上げに遠征に出ようと思っているんだが、尚文達はどうする?」

「あー……確かに波に備える意味もあるけど、村の子達もこれ以上波に挑んで良いの?」


 お義父さんが心配そうに尋ねると村の子達は頷きましたぞ。


「あったりまえだろ兄ちゃん! 俺達が波に挑んで……兄ちゃん達の力になるんだぜ!」

「うん。村を取り戻してくれた勇者様達の力になりたーい」

「あらあら」


 お姉さんのお姉さんがそんな様子を見て微笑んでおりますぞ。


「まあ……良いけどね。女王様の話だと、今はメルロマルクの兵士を鍛えるのも危険だし、フォーブレイは内部争いをしていて元タクト派の兵士を排斥している最中らしいからね」

「時間を有効活用するなら村の連中で良いと思ってな」

「僕達や村の子達に危害を加えない国の方々なら誰でも良いんですけど……判断が難しいですからね」


 そういえば以前の周回で、兵士達の育成をしたのは随分と先ですな。

 カルミラ島やノースフェラト大森林で僅かにお義父さん達がやっていた覚えがありますぞ。


「元康が信用できるって奴なら育てても良いと思うのだが」

「生憎個人まで詳細に覚えるのが難しいですぞ」

「フィロリアルは匂いで覚えてるのに言い切ったぞ!」


 錬がツッコミを入れてきましたぞ。

 フィロリアル様とモブ兵士と比べるのは失礼ですぞ!


「まあまあ、元康くんはフィロリアルが大好きな人だから……」

「そうですなー……今までの周回を参考にするならモグラ一族やエクレア、パンダとその配下に……」


 ストーカー豚はまだ時期じゃないですな。

 言われた時期になったら樹にそれとなく教えますぞ。


「シルトヴェルトの連中はある程度信用は出来ると思いますぞ。ただ、お義父さん……というよりも盾の勇者への信仰が強く、フィロリアル様に毒を盛ったりしたので危険と言えば危険ですな」

「どっちにしても今は私兵の育成はやり辛い時期か……」

「四面楚歌という訳ではないのでしょうけど」

「元康がもう少し詳細に覚えていたら楽だったのにな」

「まあまあ、とりあえずみんなでがんばって行こうよ。それぞれ遠征で戦力増強をして行けばいいんだし」


 お義父さんの言葉に錬も樹も同意しましたぞ。

 そうですな。

 前回の終盤よりも強力な組織を作るのですぞ。


「あらー」

「サディナさんも手伝ってくれるんだよね? 海とかの魔物を素材にしたら良い物あるかもしれないし」

「すぐに村に帰れる範囲なら良いわよー誰がお姉さんと来るかしら?」


 そこでビクッと錬が僅かに視線を逸らしたのを俺は見逃しませんぞ。


「そういえば錬は泳げないのでしたな。今までの周回で判明している事実ですぞ」

「俺は泳げる!」

「あらー? じゃあレンちゃんがお姉さんと行くー?」

「い、いや! 俺は俺の行きたい狩り場でコイツ等のLv上げをする! だからその権利は譲る!」


 錬が拒否をしますが、その様子にお義父さんも樹も呆れ気味ですぞ。

 まあどう見ても泳げませんからな。


「錬さん、それは泳げない事を肯定したも同然ですよ……」

「だね。錬ってカナヅチだったんだね」

「だから泳げるって言ってるだろ!」

「それでは海岸で泳ぎますかな? もちろん、お姉さんの秘密基地へ遊びに行くついでにですぞ」

「あらー……そんな事まで知ってるのねー」


 前回でも鮮明に覚えている所ですな。

 フィーロたんとデートするには絶好のポイントを俺は抑えておきますぞ。


「わーサディナお姉さんの秘密基地? 前に教えてくれたの覚えてる」


 お姉さんの友人が興奮気味に目を輝かせて言いました。

 おや、あの場所を知っているのですかな?

 見た感じ、行った事は無いみたいですが。


「こ、断る! 俺は早く狩りに行きたいんだ!」

「錬、落ちついて。隠そうとして隠せて無いから」

「俺は泳げる!」

「わかったから」


 お義父さんが錬を何度も宥めておりますぞ。


「とりあえずサディナさんとは尚文さんが一緒の方が良いと思いますよ。ここ出身の方は泳ぐのが得意だそうですから」

「んー……?」


 眠っていたのか、船を漕ぐサクラちゃんが海岸に視線を動かしますぞ。


「海中戦?」

「そうなるかな? みんなは大丈夫?」

「私は大丈夫です。ラフタリアちゃんはどうする?」

「わ、私も魔法の練習がしたい……です」

「了解。村からすぐみたいだし俺が海の方で素材を集めておくよ。錬や樹、元康くんは他の所で素材収集とみんなのLv上げをお願いするね」


 という事で俺達は各々遠征へと出かけたのでした。


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