転生先はエーテリアス   作:YEX

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囚われ、からの脱出

side タンザナイト

 

―――ん?ここは...

 

俺が目を覚ますと、寂れた部屋にぽつんと俺だけ取り残されていた...今俺はロープで縛られている状態だった....

 

『こんなロープ、俺なら簡単に引きちぎれるな...』

 

『目が覚めたようだな...』

 

『!!』

 

すると、目の前に黒いフードを着た翼が生えたフクロウの仮面をつけた人物が杖を手に乗せて立っていた....こ、こいつは!

 

『お前、あのオルカの仲間か!』

 

『仲間、か....確かにそう言われるつながりはあるな...おっと、自己紹介がまだだったな....私の名は『ストラス』。覚えておきたまえ』

 

と、フクロウの仮面、『ストラス』が律儀に挨拶してきた...な、何だこいつ。

 

『さて、あのおね――もとい、オルカを初見であそこまで追いつめたことに対し賞賛を送ろう』

 

『は、はぁ...』

 

....ってそんな雑談してる場合じゃねぇだろ!!

 

『そ、そうだ!リン達は!無事なんだろうな!!』

 

『落ち着くがいい...安心しろ、彼らは色々と関係者だからな。手荒な真似はしていない――ただ...』

 

『?』

 

『あの狼のシリオン...狛野だったか?彼は今、ポーセルメックスの部下に尋問されている』

 

『なんだと!』

 

『どうやら、あの狸の少女...柚葉だったか?尋問に連れていくときに、彼が拘束を自力で解いて、見張りに頭突きをお見舞いしたのが原因だな....』

 

....なんかこいつ、ペラペラと情報を出しているな....

 

『...お前、いいのか?こんなに情報を出して...ポーセルメックスと繋がってたんじゃないのか?』

 

『ん?...ふふふ、ポーセルメックスか....どうせ、あのフェロクスは直崩壊する定め....早々に手を切るのが得策だ....それに、あの爆薬はミアズマ・フィーンドを討伐するために作ったものだからな』

 

『なんだと?』

 

ミアズマ・フィーンド....もしかして、あの怪物のことか?

 

『元々、私はミアズマ・フィーンドの捜索していたんだがな....まさか、ポーセルメックスの工業で暴れていたとは、迂闊だったな

 

捜索....確か、オルカもその怪物を探していたって言ってたな....そっか、あの怪物が出てきて暴れたから、オブスキュラの一部がこっちに流れてきたんだ...

 

『...で、ミアズマ・フィーンドが犠牲者が出てきたら、HIAやH.A.N.Dが出てくる....そうなれば我々の関係もバレてしまうからな....』

 

『...だから、明るみになる前にまとめて爆破しようと...?』

 

『そう言う事だ....まぁ、そこまでやったとしても、ミアズマ・フィーンドには倒せんがな...

 

『...マジで?』

 

そこまでやばい奴を手名付けられるオルカって一体.....こうしていられねぇ!!

急いでここから脱出しようとすると、ストラスが振り返った。

 

『さて....私はここでお暇させてもらうか....』

 

『っ!...なんだと?』

 

『私は君に期待しているのだよ....ぜひ、見届けさせてもらうよ――『タンザナイト』

 

『....』

 

『では、さらばだ。私は目的の物も手に入れたのでね....ご武運を祈るよ』キィィィ...

 

そう言い、ストラスは去って行った.....正直あいつはなんか胡散臭いが、急いでここから脱出して、みんなと合流しないと!!

 

 

~~~~~

 

side リン

 

私は、柚葉とアリス、イアスと共に囚われた場所からダクトを通じて脱出している真っ最中だった....すると、フェロクスと誰かが会話をしていたので、こっそりとダクトの中から会話を聞いた。

 

「まったく讃頌会め....私はこんなにも長い間、お前達に尽くしてきたというのに...お前達が妙な研究をしようが、始まりの主とやらを讃えようが...欲しい技術をくれさえすれば、いっさい口出しはしてこなかった...!」

 

『....』

 

「だが、お前達は何をした?衛非地区であれだけの騒ぎを起こしたあと、ふっつりと消え...今度はミアズマ・フィーンドなどという置き土産を私の工場に置いていきやがった!」

 

「クク...司教様の偉大な計画は、あなたたち凡人に理解できるものではないのです...」

 

『うるさい、ちょっと黙って』

 

「!は、ははぁ...」

 

(今『司教様』って言った?まさかメヴォラクのことじゃないよね...!?だって、あいつは師匠とタンザナイトが倒したはずじゃ...まだ生きてたっていうの?)

 

それに今の声、オルカだよ...なんか不機嫌な感じがするけど....

 

『あのさ...ミアズマ・フィーンドが暴走したのは仕方ないんだよね?だってあれ、本来なら雲嶽山の当主の記憶から抜き出して作るはずだったんだけど....色々狂って、第三者からその当主の記憶を見た記憶を抜き出して作ったから、不具合が起こるのは当たり前じゃん?』

 

「くだらん御託はいい!メヴォラクは今どこにいる?他の讃頌会の連中を連れて、奴はどこへ消えた!?」

 

『教えるわけないじゃん。バーカ

 

「こいつ...!」

 

『それに....今もこの会話が聞いてるみたいだし.....なぁ、お前ら?

 

「なにっ!?」

 

『!!』ビクッ

 

嘘!こっちの存在ってバレてるの!?.....い、急いでここから脱出しないと....

 

『逃がすわけないだろ....!』スイィィ...

 

ドコォォォンッ!!

 

『うわあぁぁっ!!』

 

突然下からの攻撃を受けて、私達は吹っ飛ばされた....

 

「うぐっ!」

「痛っ!」

「きゅっ!」

「ンナっ!?」

 

「なっ...お前ら、逃げていたのか...!」

 

『よう...また会ったな....今度は逃がさねぇぜ?』

 

「や、やばい!」

 

柚葉とアリスだけじゃフェロクスの部下は倒せてもオルカには絶対勝てない...こんな時、タンザナイトがいれば....

 

『さあ...懺悔の時だ!』ズァッ!

 

「っ!―――」

 

助けて....タンザナイト.....

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ.....

 

『っ....なんだ?』クルッ

 

音が鳴る方へ眼を向けると....ええっ!?ミサイルが飛んできたぁ!?

 

『はぁぁっ!?』

 

「な、なんだあれは!!」

 

チュドドドドンッ!!

 

『ぐああああっ!?』

 

「うう....っ!」

 

爆発で前が見えない時、誰かに引っ張られる感覚がして、そのままされるがままに後ろに引っ張られた....

 

『くっ....なんだ今のは....っ!』

 

「なにっ!?あいつらがいない!?」

 

『っ......なんだよ!もぉぉっ!!またかよぉぉぉぉぉっ!!!

 

~~~~

 

「うわっぷ....こ、これって裂け目?」

 

『無事か、リン』

 

「!」

 

後ろを振り向くと...そこにはタンザナイトと狛野くんが立っていた。

 

『すまん、色々遅くなった』

 

「た....タンザナイト!!」ダキッ

 

『ウプッ...』

 

私は不安や恐怖でぐちゃぐゃになってた心が安心して涙が溢れながらもタンザナイトに抱き着いた。

 

「うう...グスッ....タンザナイト....心配したよ.....」

 

『...ごめんな、リン。怖かっただろ?』

 

「ズビビ...うん、平気。タンザナイトが来てくれたから、安心したよ」

 

『そうかい...さてと、とっととこの場所から出るぞ!!』

 

「っといっても検討はついてるの?」

 

と、柚葉が出口の場所の在り処をきくと、狛野くんが答える。

 

「さっきタンザナイトさんが俺を助けてもらった時、下っ端から聞き出したが...どうやら実験棟の二階にあるらしい」

 

「実験棟?」

 

『あいつが言うには、倉庫の正面ゲートを出て向かいの建物にある。そこの二階に安定した裂け目があって、工場港の近くまで通じてるらしい』

 

「他の道は?」

 

『後は...倉庫の反対側だが...』

 

「あー、そっちはダメだね。柚葉たちが連れてこられた道だから。かなりの確率で鉢合わせちゃうかも」

 

『なら、決まったな』

 

「うん、急いで脱出しよう!」

 

そうして私たちは実験棟を目指して走り抜けることになった。

 

 

~~~~

 

side タンザナイト

 

行く手を阻むミアズマを対処しつつ、通路にあるエレベーターまで一気に駆ける!

 

「裂け目は二階だよ、急ご!」

 

『ああ!...っ!』

 

急いで向かってる途中、突然横の扉が爆発し、その瓦礫がリンに当たろうとしていた―――

 

「っ!」

 

「ぬおおっ!」バッ

 

『インフィニティ!!』

 

―――わかってる!

 

バリリリリリッ!!

 

ガコンッ!!

 

「ん....!」オォォォ...

「うっ...!」オォォォ...

 

俺は急いで、『(ダブルゼロ)モード』に変化し、リンを庇う狛野を盾で庇う。

 

『...無事か!』

 

「うん、私は大丈夫!」

 

「え....ああ、無事ッスけど.....え?誰っスか、あんた?

 

「あっ...そっか。狛野くんは知らなかったね....この人はタンザナイトだよ。その何て言えばいいんだろう....タンザナイトの体の持ち主が心意一体になることでなれる形態だよ」

 

「た、タンザナイトさんっスか?これが!?」

 

「一気に骨格が丸々変化してるでょ....どうなってんの?」

 

「それは...もう『タンザナイトだから』ですましたらいいんじゃないのかしら?....そうしないと、色々ツッコまないといけないのだわ....」

 

「....だね」

 

『...うん?』

 

すると、俺は後ろを振り返ってみると、何者かの気配を感じる。なんだ、どっかで感じた気だな....

 

『FU――HAHAHAHAHA!!』

 

『な、なんだぁこいつは!?』

 

白い体に縦半分黒色が混じっており、後ろに風船らしき物があってどこかピエロ感がある巨大な鋏を持った怪物が笑いながら現れた。

....というかこいつ!

 

『あれは...サクリファイス!?

 

「嘘...こんなもの作っていたの...!」

 

「えっと...サクリファイス?」

 

「うん!讃頌会がずっと研究してきた怪物なの!こんなところに閉じ込めていたなんて....」

 

『なんか段々、技術の進歩が上がってきてないか?』

 

『HYAHAHAHAHAHA!!』ジャキッジャキッ!

 

「くっ...フェロクスの部下たちに気付かれる前に、さっさと片付けよ!」

 

そうして、不思議なピエロの怪物のサクリファイスと、戦闘に入るのだった。

 

『HYAHA!』ズォッ!!

 

『ふんっ!』

 

キィィィンッ.....

 

サクリファイスが襲い掛かって来て、俺は槍で攻撃を受け止める。

 

『シルバーブリッツ』っ!』ビリリッ―――ドキャァッ!!

 

『!?』ビューン...

 

その隙に、電撃を纏った蹴りでサクリファイスの腹に当て、吹っ飛ばした。

 

「おお、すげぇ!」

 

「私たちも行くよ!」

 

「ええ!」

 

続いて、アリスがサクリファイスに追撃を仕掛ける。

 

「たぁっ!」

 

『っ!』

 

キンッ!―――カンッ!―――ギイィィィンッ!!

 

怒涛の剣撃のぶつかり合いで、火花を散らすアリス。

....その隙に、柚葉が遠距離で支援する。

 

「プレゼントだよ~!」チュド―ンッ!!

 

『っ!?』

 

「おらぁっ!!」ズドォォンッ!

 

『GYUFU!?』ビューン...

 

柚葉の支援が当たった隙に、狛野が剣を振りかざし、サクリファイスを吹っ飛ばす。

 

『―――FUFUFU....』パチンッ

 

「なっ!」

 

『消えた!?』

 

サクリファイスが立て直すと、指をパチンッと鳴らした後、空間が歪んで消え去った....あいつ、移動できる空間も使えんのかよ...!

 

「あれって...もしかして、亜空間(ゲート)!?あいつ、タンザナイトの技も使えるの...?」

 

『そりゃそうだもんな...俺の細胞も入ってるから使えてもおかしくないもんな....』

 

「そんなやばいもんなんすか!?」

 

そんな会話をしていると、急に笑い声が聞こえたので、その方向に目をむけると...サクリファイスが上空に浮かんでいた。

 

「っ!いたのだわ!」

 

『あいつ、飛んでるじゃねぇか!』

 

『HYAHAHAHAHA!!』リンリンカーンッ!

 

サクリファイスがなんか鈴のような音を鳴き散らすと、斬撃が多数飛んできた!

 

「うわっ!斬撃を飛ばしてきたよ!」

 

『任せろ!みんな俺から一箇所に集まれ!―――『エルブスリング』!

 

俺は、リング状のものをいくつか自分の周りに展開し、そのリングから強力な磁場を発生させ、リン達をサクリファイスの攻撃から防ぐ。

 

『HAHA!?』

 

「うわっ凄い防御力...あいつの攻撃を受け付けてないね」

 

『ああ―――それと!』ギルルルッ―――グッ!

 

俺は持っていた槍で回転し始め、電気を纏わせた後、狙いを定める。

 

『エルブスピアー・シュート』っ!!*1バキュュュンッ!!

 

『!!』

 

 

ズドォォォンッ!!

 

 

電気を纏った槍がサクリファイスにぶっ刺さり、その衝撃でサクリファイスは爆発を起こす。

....ふぅ、なんとか討伐できた。

 

『...あいつが、もう少し成長していたらやばかったな....』シュンッ

 

「...!待って、誰か来る」

 

『∞モード』から解除すると、柚葉は何者かが近づいてくる音を察知する。―――それは、フェロクスの部下達だった。

 

「実験棟の中で物音がしたぞ!あの怪物を閉じ込めていた場所からだ!」

 

「まさか、この音は閉じ込めていたあいつらの仕業じゃあ....」

 

「クソ!ならこうしちゃいられねぇ....第一班が裏口から二階にはいったそうだ、俺たちは一階の扉を塞ぎに行くぞ!あいつらを裂け目に近づけさせるな!」

 

どうやら、挟み撃ちの形で俺たちを追い込むようだ...やばいな。

 

「いけない、さっきの戦いで聞きつけられたのだわ!」

 

「チッ...二階と扉の外からも音がしやがる。どうすりゃいい...」

 

「タンザナイト、『亜空間』からの脱出は?」

 

ごめん、無理。ここの空間、エーテルが雑すぎて探知するのに時間がかかりすぎる....』

 

「どうしよう....早く考えないと...」

 

もう最悪の場合、二階から正面突破するしか....そんなこと考えていると、柚葉が口を開いた。

 

「....みんな聞いて!脱出する方法はもう一つあるの!」

 

『マジで!?』

 

「前のエレベーターで地上に降りて、廊下を進んでいったら、()()()()()()()()()()()()()()()大きな下水道があるの!危ないけど、確実にホロウから脱出できるよ!」

 

「なんだって―――」

 

「敵が追ってきてる!早く柚葉についてきて!急いで間に合わなくなっちゃう!」

 

『...どうやら、考えている暇はないようだ』

 

そうして、俺たちは柚葉に言われるがままに案内され、急いで向かうのだった...

 

 

 

 

 

 

 

 

「...やっと、『あの日』、私がもらった幸運を...あの子に返す時がきた....」

*1
電気を纏った槍で相手に投げつけるわざ 用は『エルブスピアー』の投擲バージョン




ねじれポイント
狛野は本編だと割と重傷だったが、タンザナイトのおかげで軽症で済んだ。
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