転生先はエーテリアス   作:YEX

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なんか辞め時分かんなくなってめっちゃ長くなった....


複雑な過去

side タンザナイト

 

探してみると、灰色の子供がいた....もしかしてメローかな?そう思い、俺たちは話しかける。

 

『ちょいと君...もしかして君がメローかな?』

 

ひっ....そ、そうだよ」

 

『......』

 

「しょ、しょうがないよタンザナイト!見た目がエーテリアスだし、怖がられるのも仕方がないよ!」

 

『グスン....』

 

いくらこの体に慣れようとも、子供に怖がれるのは心にくるぜ.....

 

「.....えっと、僕に何の用なの?」

 

「メロー坊や、このあたりで輝磁の材料を取引してると聞いたのだけれど、この写真に写っているものを見たことは無いかしら?」

 

「ちぇっ、これかよ....まぁ、見たことあるよ」

 

『それは本当か?』

 

「なんだよ、信じられない?ふん、僕の情報網はね、泅瓏囲全体でも折り紙付きなんだ!」

 

「それを信じてるからこそ、わざわざ貴方に教えを請いに来たのだわ。メロー坊や、この輝磁の欠片がどこから来たのか、教えてくれないかしら?」

 

と、アリスが丁寧に話すが、メローはそれを拒否した。

 

「やだ、こっちは見ての通り忙しいんだ。壊されたおもちゃを直さなきゃだから、話してる場合じゃないんだ。これはタウンハンターのラジコンなんだ!一年かけてお小遣い貯めて、やっと買えたんだよ!それをダンテのやつ....」

 

子供にとっては、確かに大事だな....俺はエーテル専門だからここは機械に詳しいリンに任せるか....

 

『リン、いけるか?』

 

「うん、任せて!....ねぇ、それ私が直そうか?」

 

「えっ、おもちゃを直せるの?本当に直せるなら、あれがどこから来たか教えるよ!」

 

そうして、リンはちゃっちゃとおもちゃを直すことに成功した。

 

「わぁ、すごい!本当に直っちゃった!」

 

「それじゃ坊や。この輝磁の欠片がどこから来たのか....お姉さん達に教えてくれる?」

 

「うーんと....やだ」

 

『はぁっ!?』

 

「へ....ぼ、坊や....?約束を守るということは、とても大事なことなのだわ。貴方もそれは、ちゃんとわかってるはずでしょう?」

 

「でも母さんが言ってたよ、最近はポーセルメックスがよそ者をシャットアウトしてるって。なのにお姉ちゃんたちのことは見かけたことないし....怪しい人と喋っちゃ駄目なんだ」

 

うーん、困った残等な理由で言い出せないな...

 

「ほら、見て!こんな優雅なお姉ちゃんが、悪い人なわけないでしょ?」

 

『俺もそうだそうだと言っております』

 

「こほん、褒めてくれるのは嬉しいけれど...!それじゃあ誰も信じてくれないのだわ。いい?坊や...実は私達、奇々解々の店主である浮波宝栄さん....のご息女、柚葉さんとは知り合いなのだわ。今日は一緒にここへ来たの」

 

「ぷっ....あははは!それで信じろって言うのは無理があるよ!宝栄おじさんの苗字は『黎(リー)』だもん。『浮波』じゃないよ。柚葉ねえちゃんがおじさんに引き取られたってのは、みんな知ってるはずなのに...怪しい」

 

てっことは....柚葉は養子だったんだ....確かに名前の雰囲気は違う感じはしたが...

と、そんなことを思っていると、肝心の柚葉が来た。

 

「大丈夫だよメロー。この人たちを連れてきたのは柚葉だから」

 

「柚葉ねえちゃん!」

 

「この色の濃い輝磁がどこから来たか....メローならわかるんだよね?」

 

「知ってるよ。それはダンテが見つけたやつだから。絶対高く売れるって言うから、僕がそんなことはないよって言い返して、それで喧嘩になったんだ。僕はおもちゃを壊されて...だから僕もあいつのディニーガンを壊した。柚葉ねえちゃん、その輝磁がどうしたの?ダンテのやつ、変なことに巻き込まれてしてないよね?」

 

『お前...ダンテのこと心配してるんだな。安心しろ、大丈夫。だから、お互いに謝っとけよ』

 

「ほ、本当?わかった。ダンテと仲直りしてくる....それじゃあ、もう行くね」

 

そう言い、メローはダンテと仲直りするため、去って行った。

 

「じゃ、情報も手に入ったし....私達もとっととダンテを探しにいこっか。はぁ.....ぷぷっ!

 

『?』

 

「あはははは....『浮波宝栄』だって!さっきは笑わないようにするの、大変だったんだから!パパに聞かせてあげたいくらい変な名前!」

 

「浮波さん、本当にごめんなさい。決して貴方のプライバシーに探りを入れようとか、そういうつもりどはなかったのだわ.....」

 

「全然いいよ。柚葉が養女なのはホントだし。それに、家のない私を引き取ってくれたのは優しいパパだった―――それはすっごくラッキーなことだもん。むしろ不思議なのはあなたのほう。タイムフィールドなんて名家も名家だしょ。衛非地区にくるのは、何もあなたじゃなくてよかったはず....そうじゃない?」

 

まぁ確かに....こんな若い子を任せるのは変な話だしな....

 

「それは...うちの一族は、もうあまり人がいないのだわ。父が数年前に事故で他界し、以降は私と祖父の二人きり....その祖父も、今は病床に臥せっていて.....」

 

「...ふーん。あなたもいろいろ大変なんだね。とにかく、柚葉の身の上なんて気にしなくていいから....そうやってペコぺコしてばっかりじゃダメだよ。あなたはちゃんと教育を受けたお嬢様、もっと自信を持って!ねっ?」

 

「え、ええ。わかったのだわ!」

 

「じゃ、行こっか」

 

何かいい感じにまとまったところで、俺たちはダンテの所へ向かった。

すると、意外な人物と再開した。

 

「イゾルデさん....このディニーガン、まだ直せるかなぁ?」

 

「もちろん、お姉さんは軍にいたんだ、もっと複雑な銃だって直せるとも。トリガーに繋がるロッドが外れているだけだから、こうして分解してやれば.....うん....よし、これでいいんじゃないかな。さあダンテくん、弾を...ディニーを一発くれないか。試しに撃ってみよう」

 

「うん!」

 

そうして、おもちゃの銃から放たれたディニーの弾丸は、私達が隠れている場所の壁に着弾した....

 

「五人とも、なかなか肝が据わっているね。ならこういった方がいいか?次は実弾だ」

 

「撃たないでっ!降参!降参ですイゾルデさん!」

 

と、俺たちは壁からわらわらと現れる。

 

「防衛軍を代表してきてるあなたが、ポーセルメックスの言いつけを破ってこんなところにいるなんて....まさか思わなかったから」

 

「ふっ、交渉事に長けているのだな、リン君。こちらが先手を取ったつもりだったのだが。いかにも...私も諸君と同じく、秘密裏にここを訪れた。今やお互いに弱みを握り合う仲というわけだ...まずは私から誠意を示そうか」

 

「ここに来たのは、ダンテくんの御実家を訪ねるためだ。彼の叔父とは、軍属時代の戦友だったものでね」

 

「柚葉姉ちゃん、大丈夫だよ!イゾルデさんは悪い人じゃないから!昔から毎年、僕たちに会いに来てくれるんだ!」

 

『そうなんだ....スタッフには初めていったことある振る舞いだったんだがな....』

 

「ふふ....私は防衛軍の誠意を示すためにいるんだ。余計な揉め事は起こさないに限るだろう。私はここでダンテくんの母上が帰って来るのを待つ。君達は好きにするといい」

 

ちょうどそのとき――

 

「あら、今日はウチの前が賑やかねぇ...柚葉ちゃんに真斗くん...あら、イゾルデさんまで!?

 

「久しぶりだな、アイタナ」

 

「そっか...もう一年経ったのねえ――最近はポーセルメックスが厳しくしてるから、泅瓏囲まで来てくれるなんて思わなかったわ....こらダンテ、みんな来てくださってるなら、どうしてお家に上がってもらわなかったの!――あっ、それにまたその鉄砲を持ち出して...!前にお母さんと約束したでしょ?もうそれで遊ばないって!」

 

「えー、月(ユエ)やメローは他のおもちゃがあるけど、僕にはこれしかないもん!どーやって遊んだらいいのさ!どうして母さん、僕が大きくなって防衛軍に入るのがそんなに嫌なの!?僕分かんなーい!」

 

『!』

 

「この悪ガキ、今なんて―――こおら、戻ってきなさい!」

 

そうして、ダンテは向こうへ行ってしまった....親が反対する理由が分かるが...

 

「はあ...来てもらって早々、みっともないとこ見せちゃったわね」

 

「ダンテくん、将来は防衛軍を?」

 

「そうねぇ。いつも叔父さんが叔父さんが、って言ってるくらいだから....あの子にとってはうちの旦那より、叔父さんのほうがよっぽどすごいみたい。あったこともないのにね」

 

「最近はどうだ、みんな元気にやっているのか?」

 

「うーん、まあまあかしら。私と旦那が仕事に行ってる間、ダンテも他の子と輝磁の廃材を拾いに行けるようになったからね。一応はお金に換えられてるのよ」

 

「そうか。あまり多くはないが、この金を受け取ってくれ。生活の足しにしてくれたらいい」

 

「これは...あなたのお金?それとも防衛軍からの遺族補償金?

 

....()()()()()?な、なんか複雑な感じがするな....

 

「防衛軍からだ」

 

「嘘ばっかり。防衛軍か補償をくれるつもりなら、とっくに支払ってたはずよ。弟が受けるべき敬意は、軍からのものでなければいけないから...そのお金は受け取れないわ。時々....いいえ、時々じゃないわね。旧都があんなことになってからずっと思ってる。弟の死も、あなたたちの今までの頑張りも....何の意味もなかったって

 

「アイタナ、そんなことはない。マクシムや他の戦友たちの努力がなければ、ダンテくんのような子供たちが、こうして浜辺を自由に走り回れる日は来なかったろう。もちろん、あの時防衛軍が受けた損害は甚大だった。旧都陥落を阻止できなかったことで、今でも市民たちが私達に向ける目は冷ややかだ....」

 

「悲しみに暮れる遺族にしかるべき補償が行き渡らず、犠牲となった兵士たちの名誉を守ることもできなかった――それは防衛軍の重大な怠慢だと私は思っている。すまない...君達は本来、もっと良い場所で暮らすことがてきたはずなのに。私に力がなかったばかりに....」

 

イゾルデさん....そんなことがあったんだ....

 

「昔の戦友を忘れないで、こうして毎年会いに来てくれるだけで十分嬉しいわ。はあ...こんな昔話するつもりじゃなかったのに。あの悪ガキのせいね.....過去は過去として、受け入れるしかないわね。私にはダンテとあの人がいるんだもの。前を向いて」

 

「そうだな。この世界にはまだ、君にとって大切なものがたくさんある」

 

「あ、ごめんね柚葉ちゃん。久しぶりに友達が来てくれたものだから、ついほったらかしにしちゃったわ....私達に何かようだった?」

 

おっとそうだった...重要な話していたから、パッと抜けていたぜ.....

 

「うん、実はダンテたちに会いに来たの。あの子がどこから拾ってきた輝磁のことで、ちょっと話を聞きたくて。たいした用事でもないんだけどね」

 

「そうだったの...あの子ったらスネて飛び出してっちゃったけど、きっと浜辺に行ったんだと思うわ7。しばらくしたらケロっとして戻ってくると思うから、うちで休んでかない?」

 

「ありがとおばさん。でも、やっぱり浜辺まで行ってみようかな。ダンテくらいの年頃の子って、私達が思っている以上に悩みが多いから」

 

そう言い残して、ダンテがいる浜辺へ向かうことにした。

...イゾルデさんって結構色々経験してきた風格あったな....

 

「ようダンテ、ここだったのか」

 

「真斗兄ちゃん、柚葉姉ちゃんも....どうしてここに来たの?」

 

「今日はもともと、ダンテが拾った輝磁について聞きたかったんだ。あー...もちろん、ここへ来たのは心配だったからだけどよ....」

 

「真斗?たぶん前半は余計だったよ」

 

「ぷっ、真斗兄ちゃんはいつもそうだよね。――ありがとう。....わかってるんだ、母さんが心配してるのも。命懸けで戦ったのに、誰もほめてくれなかった叔父さんのことをずっと引きずってて....誰にももう、そんな思いはさせたくないって」

 

「だから、母さんのつらさはちゃんと分かってる。イゾルデさんも前に言っていたけど....旧都陥落で軍人だった大黒柱をなくしちゃったお家は、たくさんあるって。それでも僕、防衛軍に入りたいんだ。母さんが我慢するしかなかった防衛軍の悪いところを、僕が変えたい!もう誰も傷つけないように変えたいんだ!

 

『素晴らしい決意だ。だが、これといった事情は俺でさえ、複雑だから、そのことをよく考えてからな?』

 

と、俺がダンテに言い聞かせていると、イゾルデさんが現れた。

 

「ふふ...子供の夢というのは、時間がゆっくりと育ててくれるものだ」

 

「イゾルデさんもここにいるってことは....もうこのまま帰っちゃうの?」

 

「ああ。さっきポーセルメックスの人間から、私に会いたいと連絡があってね。防衛軍の腹の内を、今一度探っておきたいのだろう。ダンテくん、母上がとても心配していたぞ。彼女に対して怒っているわけではないのなら、早く帰ってやるといい」

 

「....うん。わかったよ。そうだ、柚葉姉ちゃんたちは輝磁の何を聞きたかったの?」

 

『実はな...この輝磁の破片をどこで手に入れたか知りたいんだ』

 

と、ダンテにオブスキュラの一部を見せた。

 

「ああ、これ?3日前くらいかな....午前中に、舟で釣りに出かけた時拾ったんだ。岸から3キロくらい離れた、沖合の小さな島らへん。長いことあそこで待ってたら、この欠片がホロウのほうから流れてくるのが見えてさ」

 

「私の見間違いでなければ、これはオブスキュラ装置の破片だな。衛非地区で製造していたとは知らなかったが....なるほど、君達が泅瓏囲に来た理由がなんとなくわかった。だが詳しくは聞くつもりはない....時には知らない方がいいこともあるからね」

 

「そう言ってもらえて、私達もひと安心だよ」

 

「疑問があるとしたら....どうしてオブスキュラの欠片が、ホロウから漂流してきたのかしら?」

 

「うん...ラマニアン島って水の流れがたくさんあるから、地下に川なんかもあったりするの。この欠片は何かの拍子に水に落ちて、そのまま流れてきちゃったんじゃないかな。ただ、ホロウがあれだけおっきいから....どこから来たのかってなると絞り込めないかもね」

 

(近くにあるホロウの出口を『Fairy』に片っ端から探してもらおっかな....まあ結局、そのあとオブスキュラが流れてきた出口を特定するのが、一番大変なんだけど....)

 

と、リンが何か考えていると、イゾルデさんが妙案を出してきた。

 

「実は計算で割り出す方法がある....そうだダンテくん、母上に疎まれているうえによく壊れるディニーガン....いっそ私に売ってくれないか?それで新しいおもちゃを買うといい」

 

「ええ?まぁ...別にいいけど、イゾルデさん、こんなの買ってどうするの?」

 

「ふふ...もしかしたら、このお兄さんやお姉さん、エーテリアスくんの役に立つかもしれない。さぁ、タンザナイトくん、受け取ってくれ」

 

そう言い、イゾルデさんからディニーガンを受け取る。

 

『....えっと、イゾルデさん?これを....どうしろと?』

 

「腕を高く上げろ。岸に対して垂直に.....遠く海に向って一発撃て」

 

『...えい』

 

イゾルデさんの指示に従って、海に向って一発撃った。

 

「撃ったディニーが、水面を漂っていくのだわ!」

 

「時間を計り始めた。あのディニーは、しばらくしたら岸辺まで来るはずだ。だが、ホロウによる()()()()()()()()()()()()()()()()ため、真っ直ぐ岸に着くことはなく、ある程度のズレが生じる。今日のラマニアンホロウの活性レポートを確認してみよう....ああ、3日前の午前中とさほど変わらないね。それに、この季節はあたりの風速も安定してるから、時間による影響もほとんどないとみていい」

 

「あのディニーの密度は、オブスキュラの破片と()()()()。後で流れ着いた岸の位置と時間を計算がわかれば、海面の流れる速さから逆算して、出口の場所を割り出せるはずだ」

 

『す...すげぇ』

 

ただ、専門的すぎて何言ってるか分かんないが....

 

「わあ...よくわかんなかったけど、私達すごく運がいいみたいだね」

 

「たぶん柚葉姉ちゃんがいるからだよ!いつもびっくりするくらい運がいいんだから....傘を忘れた日はあめが降ってても下校前に止むし、こないだは一か月くらい、ソーダを買うたびに『もう一本』が当たってたんだから!あのとき輝磁の欠片が流れてきたのも、ひょっとして柚葉姉ちゃんに必要だったから...?」

 

「あ....」

 

「なに、真斗?急に声だして」

 

「何でもねぇよ」

 

「はい絶対ウソ。早く言って、3、2、1――」

 

「マジでなんでもねぇて。ただ、()()()()()を思い出してさ」

 

「浮波さんの...苗字?」

 

「あー....ホラ、柚葉のパパは『黎』だから。だって『リー・柚葉』。自分の子供になる以上、そんなセンスのない名前は許せない...って柚葉がどうやってパパのところに来たかをヒントに、別の苗字をくれたの」

 

ああ...だから『浮波』なんだね...

 

「黎さんという方は、とても面白い方のようなのだわ....」

 

「浮波...それが、お父さんと柚葉が出会ったきっかけってこと?」

 

「うん。柚葉は海からドンブラ流れてきて、泅瓏囲の海岸でパパに拾われたんだ」

 

「そうだったの...それは、海難事故とかで?」

 

「違うよ。知ってた?実はラマニアンホロウには竜宮城があるの。柚葉、そこのお嬢様だったんだ~家来たちに大事にされて、毎日幸せに暮らしてたけど....ある日竜宮城に迷い込んだ人から、外にある人間の世界について色々聞いたの」

 

「それでつい、勢いでその人についてっちゃったんだよね~。こっちに来たら竜宮城の場所もすっかり忘れて、それで...皆が言うところの『孤児』ってやつになっちゃった」

 

それどこの浦島?なんか若干違う感じだし....

 

「それ、あのおとぎ話みたい....舞台がラマニアンホロウになってはいるけれど」

 

「まぁ、『みたい』っつーか....まんまだからな」

 

「もう、聞いたことがあるからって茶々いれないでよ!――でも本当に不思議だよね....潮の流れって、いろんなものをこの浜辺に運んでくれるんだから。柚葉もそうだし、あのオブスキュラの欠片だってそう」

 

おもちゃのディニーが騎士に流れ着くのを待ちながら、遠くのラマニアンホロウを見つめている内に――随分と時間が経っていた。

 

「ふう、ようやく計算が終わった。ずいぶん使ってはいなかったとはいえ...軍で学んだ地形学のスキルが、こんなに錆ついているとは思わなかった」

 

と、一息ついてるイゾルデさんをアリスがお礼を言う。

 

「イゾルデさん、お疲れさま。おかげで大助かりなのだわ!」

 

「礼には及ばない。それに....タイムフィールドのお嬢さんも、晩餐会の時より元気そうで何よりだ。やはり、歳の近い子たちといると違うらしい。諸君、それではこれにて失礼する。くれぐれも無茶なことはしないようにな」

 

そう言って、イゾルデさんは帰っていった。

 

「よし、オブスキュラが流れてきた場所も特定できたし、次はホロウに入ってみない?」

 

『やっとか....随分回り道したな』

 

「まだ暗くなるまで時間があるし...ちょっと様子を見に行くだけならいいよね」

 

「柚葉姉ちゃん、みんなでホロウへ行くの?なら、僕たちの舟に乗ってってよ。お手伝い出来たら、メローも月も喜ぶと思うし」

 

『そうか?ならここはお言葉に甘えようかな』

 

そうして、俺たちはダンテ達の舟に乗り、ラマニアンホロウへ向けて出港したのだった.....

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