入手困難な宝塚チケット、私設ファンクラブ通じ購入できるものの…不透明な「お花代」の慣行今も
定価との差額分は、事務用品代や印刷代などのファン会運営費や劇団員への差し入れ代などに充てられるというが、購入者に対して使途は明確には示されていない。「劇団員への寄付のような認識だ」という声もあるが、ファン会を通じて購入しているファンの一人は「チケットが手に入ると考えてお花代を払う人は少なくないと思う」と話す。
数年前までファン会の運営に関わっていた関係者は「お花代を受け取っていた」と説明。現在、ファン会を運営している別の女性らは「取材には応じられない」と答えるにとどまった。
識者「不正転売否定できず」
興行主の同意なく定価を上回る金額でチケットを譲り渡す行為は、2019年施行のチケット不正転売禁止法で禁じられ、宝塚歌劇のチケットも対象になる。同法に詳しい東條岳弁護士は、お花代などの受け取りが、「実質的にチケットの価格に上乗せをして販売されていると判断されれば、不正転売に該当する可能性は否定できない」とする。
歌劇団側は9、10月の宝塚大劇場公演から、ファン会ルートの販売方法を見直した。これまでトップスターのファン会が取りまとめ、他のファン会に分配していたが、行き渡る枚数が不確定で券が余ることもあったため、各ファン会代表者らが希望枚数を申し込める形に変更した。しかし、ファン会から個人に譲り渡す行為への対策は講じられていない。
阪急電鉄は、ファン会がチケットのやり取りでお花代などを受け取っている実態を把握しているか尋ねた読売新聞の取材に、「当社が(団体購入の形で)チケットを納品した後の取り扱い方について、制約を課したり、内容をすべて把握したりしているわけではない」と回答。ファン会による分配行為に積極的には関与しない姿勢を示す。法に抵触する恐れについては、「判断を行う立場ではない。個別のケースについての回答は控える」とする。
宝塚歌劇に詳しいコラムニストの桧山珠美さんは、お花代を払った経験があり、「チケットをファン会に頼れば、お花代などを払うことになり、釈然としなくてもそのシステムに巻き込まれてしまう。歌劇団側が知らぬ存ぜぬでいいのだろうか」と疑問を投げかける。「歌劇文化のすそ野を広げていくには、歌劇団側が閉鎖的なチケットの扱いを改めるよう促し、見たい人がきちんと見ることができる販売方法を整理するべきだ」と語る。