【ARG】かがみの特殊少年更生施設 新章『少年の声、彼女のうた』調査レポート
こんにちは、リー猫と申します。
2025年6月19日、第四境界の代表作「かがみの特殊少年更生施設」の新章『少年の声、彼女のうた』が公開されました。
施設のwebサイトが正式公開された2024年4月1日より一年余り、新章では初公開時を大幅に上回る160ものページが用意され(初回は127ページ)、調査体験も大幅に向上しています。
筆者は事前に「ぼくらの表現祭(Phase01)」をクリアした状態からスタートしたため、約4時間ほどで最終ページへ到達できましたが、Phase01から通算すると2日くらいは要したのではないかと思います。
本記事では、筆者が実際にプレイした内容を時系列にまとめ、各所に一次調査で得られた情報を補足しながら、クリアまでの手順を記載しております。
また、最後に今後の展開についての考察もいくつかまとめてみました。
すでにクリア済の方や、とりあえずストーリーを把握したいという方の参考のひとつになれば幸いです。
※本記事では、初回公開時の調査を「一次調査」、令和六年度施設案内冊子を「二次調査」、シナイドリぬいぐるみを「三次調査」、新章(本記事)を「四次調査」と表現しております。
一次調査の体験レポートは下記よりご覧いただけます。未履修の方はぜひこちらからお読みください。
<注意>
答えとなる検索ワードや各ページへのリンク、結末までのストーリーを全て記載しておりますので、プレイ予定の方はクリア後にお読みいただくようお願いいたします。
1.ぼくらの表現祭(Phase01)
2025年4月15日~20日にかけて開催された第四境界初のリアルイベント「東京侵蝕2025」の会場にて、かがみの特殊少年更生施設の院生作品を展示する『ぼくらの表現祭』が行われました。
一次調査では展示会のようすを動画で確認できるだけだったこの表現祭。
— 気づいて (@about_A_message) March 4, 2024
今回は、院生が主体となって企画・運営を行ったとされ、各作品や音声ガイドにはさまざまな偽装を施したメッセージが隠されています。それらのメッセージから、施設で何が起きていて、彼らが何を伝えようとしているのかを知ることが新章のPhase01となります。
ぼくらの表現祭で展示された内容は、6月19日より「Web表現祭」として一般公開され、だれでも無料で調査が可能となりました。
展示作品は半日で入れ替えが行われたため(16日~20日まで各日前半後半の全10回)、Web上では展示回ごとに作品を鑑賞することができます。
本項では、謎が仕掛けられた作品の解法と隠されたメッセージを、展示スペースごとに解説していきます。
◆キャプションのラベルシール
各作品に添えられたキャプション(説明文)には、展示回ごとに一か所ずつラベルシールが貼られ、文章が改ざんされていく。全10か所のラベルの文字列を繋げるとメッセージが完成する。
①ー16日前半 題名『ともに卒院する日』
②ー16日後半 「シナイドリ」
③ー17日前半 ごあいさつ
④ー17日後半 題名『ふぞろいな僕たち』
⑤ー18日前半 おわりに
⑥ー18日後半 題名『草花と蝶』
⑦ー19日前半 題名『ともに卒院する日』
⑧ー19日後半 題名『憧れの街』
⑨ー20日前半 題名『ぼくらの表現祭』
⑩ー20日後半 題名『この道の先には』
彼女に託した言葉は
サイト調査の端緒になる
キーワード
毎回変わる絵の中にある
「毎回変わる絵」とは、全ての展示回で作品が変わる【展示スペース07】を指し、キーワードの解読には絵の内容が毎回変化する【展示スペース05】がヒントになる。
◆音声ガイドの隠しメッセージ
音声ガイドのページでは、各展示作品に併記されている番号を入力することで解説を聞くことができる。この音声ガイドには5つの隠しメッセージが仕込まれている。
①検索番号【1003】
展示スペース01、02、03のガイド番号が1001、1002、1004と飛び番になっている点に着目する。
「作品を隠し撮りし、SNSで拡散してほしい」
②検索番号【0223】
シナイドリの解説(1004)にて、誕生日の2月23日を【0223】と繰り返している点に着目する。
「この施設から何人もの院生が消えた。隠した音声を見つけてほしい」
③検索番号【8312】
『ともに卒院する日』の解説(2003)にて、解説が終わってもシークバーが途中までしか進んでおらず、最後まで聞き続けると「8312を聞いて」という声が流れる。
「ある院生は別人のようにおとなしくなった。僕たちはある仮説を立てた」
④検索番号【6840】
展示スペース12『ふぞろいな僕たち』で示された数字。
「別人のようになった人は、額に手術跡のような大きな傷ができていた」
⑤検索番号【3287】
①~④までの隠しメッセージの最後に流れる数字を組み合わせる。
「僕たちがいる建物の隣の廃棟に灯りが点くようになり、女子の声が聞こえる。施設の対象範囲が拡大しているのかもしれない。もしそんな施設を見つけたら調べてほしい」
◆展示スペース04
16日前半『遠くの海』の船のマークと16日後半『夕焼け空』(展示スペース07)のキャプションを合わせ、波の模様部分に重なる文字を読む。
令和7年度の表現祭にメッセージ
展示作品は半日ごとに変化する
差分を読み取って
17日前半から20日前半まで計7回続けて展示された、立体コラージュ作品の『ぼくらの学園、きらめく想い出』。展示の切り替えごとに赤→橙→黄→緑→水色→青→紫の順で言葉が示されていった。(こちらは立体作品のため、ヒントサイトを見ない限りすべてを確認することは不可能)
ぼくは施設
のサイト更新
に関わる立場
サイトを調査して
次のアップデート
女子棟の監視システム
あの女をにがせる
◆展示スペース05
期間中は全日程とも『ともに卒院する日』の固定展示。半日ごとに院生の顔へ変化が現れ、展示回ごとに変化する顔の位置は、読み取る文字が何文字目に当たるかを表している。
(完成するメッセージは【展示スペース07】にて)
顔の変化が表す文字位置
16日前半 【8】
16日後半 【4】
17日前半 【1】
17日後半 【6】
18日前半 【10】
18日後半 【3】
19日前半 【2】
19日後半 【5】
20日前半 【7】
20日後半 【9】
◆展示スペース06
16日前半から17日後半まで展示されたアクリル絵画『あの日の夢』(計4回入れ替え)。ツリーの電飾が点字を表しており、変換することでメッセージが完成する。
自分は模範生として
少女たちとの
連絡役になった
そこで知ったこと伝えたい
18日前半の『白いつばさ』、18日後半の『花瓶の花』、19日前半の『イマジネーション』にはそれぞれメッセージが隠されている。これらは繋げて一つの文章になる。
S284は体が弱く
施術への耐性がないと判断され
独房に監禁されているが
処分が決定している
◆展示スペース07
全ての展示回で作品が入れ替わり、それぞれひとつずつ文字隠されている。
16日前半 『奇術』
トランプを数字順に線で結ぶ
隠された文字:【イ】
16日後半 『夕焼け空』
ト音記号と五線譜に見立てて音符の位置を読む
隠された文字:【ミ】
17日前半 『山の中で』
絵画の一部に光を反射する塗料が塗られている(webでは判別困難)隠された文字:【き】
17日後半 『みんな一緒だよ』
檻の柱以外を塗りつぶす
隠された文字:【い】
18日前半 『いるはずのない猫』
三毛猫だけを線で結ぶ
隠された文字:【て】
18日後半 『幼き日の記憶』
2人の子どもの指がアルファベットの指文字になっている
隠された文字:【NO】
19日前半 『ぼくのセカイ』
カレーが12時の位置になるように回転、8:20の位置の手旗信号を読む
隠された文字:【み】
19日後半 『憧れの街』
キャンバスの上下左右も含めて俯瞰する(要ヒントページ)
隠された文字:【ら】
20日前半 『生命をつなぐ樹』
9分割されたパネルを並べ替える
隠された文字:【を】
20日後半 『この道の先には』
右上のピースに漢字が隠れている
隠された文字:【希】
隠されている各文字を、【展示スペース05】で示された順に並び変えるとメッセージが完成する。
イミきいてNOみらを希
↓
きみNOミらいをイ希て
(君の未来を生きて)
◆展示スペース08
期間中一日ごとに作品が入れ替わり、前半と後半の展示入れ替えで微妙に変化が起きる。その差分からメッセージを導き出す。
16日 『どんなダイスの目が出ても』
同じ種類のダイスの目を2~3桁の数字としてシフトJISで変換する。(シフトJISとは、コンピュータで日本語の文字を扱うための文字コードの一つ)
17日 『死を想い、明日を生きる』
前半の展示で黒猫のマスコットが置かれた位置を基準として、重なった本のタイトルを縦読みする。
18日 『ぼくの生まれた場所』
ゴミ置き場のコラージュ写真が、後半の展示では赤いペンキで汚されている。前半と見比べ、ペンキで隠れてしまった部分の文字を抜き出す。
19日 『傷つきながら咲く』
写真のバラの上に表示されたブロックノイズを前半と後半で合体させる。
以上、四点の作品に隠されたメッセージを繋げると下記の通り。
これを読んだ人
力を貸してほしい
S284を処分させてはならない
どうか彼女を助けて
◆展示スペース09&12
16日~18日にかけて4回の変化がある『憩い』という作品。写真の中のオセロ盤が同じ日の【展示スペース12】の8行詩と対応しており、白石にあたる文字を抜き出すことでメッセージとなる。(18日のオセロは白石を置いた後の変化も考慮する必要あり)
以上、四つのメッセージを繋げると、下記の文章が出来上がる。
廃棟には女子五人
男子棟以上に監視厳重
脱出は不可能
施設が施術を計画している
◆展示スペース10
期間中は全日程とも『ふぞろいな僕たち』の固定展示。
展示スペースの作品では確認できないが、Web表現祭トップページに同作品が映り込んだ会場の風景写真がある。画像をクリックして拡大すると、特定の数字だけ光っている。(光を当てると反射する塗料が塗られていた?)
光る数字の【6840】は、音声ガイドの検索番号を表しており、入力すると隠しメッセージを聞くことができる。※音声ガイドについてはまとめて後述
◆展示スペース11&13
16日前半から17日前半にかけて展示された作文・短歌の中にメッセージが隠されている。Web表現祭トップページの「全日程展示作品リスト」の備考がヒントになっており、制作期間の月が行を、日が文字数を表している。
16日前半 『最初の思い出』
16日前半 『かがみの交流会の拡大提案』
16日後半 『心の場所』
16日後半 『再生』
17日前半 短歌
17日前半 『河原にて』
抜き出した文字列を繋げると、以下のメッセージが完成する。
施設の隣にある
長年使われていなかった廃棟
このごろ光が灯りはじめました
その建物から
夜更けにときどき
少女の歌声が聴こえる
展示スペース11にて17日後半から18日後半にかけて展示された作文には、ところどころ青字で書かれた文字があり、抜き出すとメッセージが完成する。
17日後半 『更生への道しるべ』
18日前半 『藤棚を仰ぐ』
18日後半 『大切な時間』
青字を抜き出して完成するメッセージは以下の通り。
少女の一人が施設に抵抗している
少女はS284と呼ばれている
時折聞こえる歌声は彼女のものだ
◆まとめ
以上、「ぼくらの表現祭」に隠されたメッセージをまとめると、次のような事実が判明します。
・更生施設の隣には長年使われていない廃棟がある
・廃棟には女子が五人おり、監視が厳しく脱出は不可能
・最近その廃棟から女子の歌声が聞こえる
・歌声は「S284」と呼ばれる少女のもの
・S284は独房に監禁されており施術が計画されている
・「ぼく」は模範生として少女たちとの連絡役になった
・「ぼく」は彼女を助けたい
・「ぼく」はサイトの更新に関わる立場にある
・次のアップデートで女子棟の監視システムに関わる何かが行われ、少女を逃がすことができる?
・彼女に託した言葉『君の未来を生きて』がサイト調査の端緒になる
彼女に託した言葉である【君の未来を生きて】をかがみの特殊少年更生施設のサイトの検索欄に入力すると、「ぼく」が残したと思われるメッセージのページがヒットします。
ここまでが、新章「少年の声、彼女のうた」の調査Phase01となります。
2.サイト調査(Phase02~04)
サイト調査に移る前に、更生施設の愛宝新聞のページを覗いてみると「ぼくらの表現祭特集号」が増えていることに気づきます。
そこには、実行委員長を務めたNくんが音声ガイドの読み上げを行った、とあります。
表現祭の謎解きにより発見したページには、s284と呼ばれる少女を救うために廃棟の管理ページへログインし、非常システムを起動してほしいという依頼文が記載されていました。
また、ログインするには「対象少女再教育事業」のXアカウントを調べ、管理ページのパスワードに設定されている「信条のもと推進すべきもの」を探す必要があるそうです。
まずはそのメッセージに従い、X上で「対象少女再教育計画」を検索してみると、同名の公式アカウントが発見できました。
発起人とされる翔界誠心会の「きたみ(喜多見)勇次郎」は、一次調査にも登場した政府側の人間です。
このアカウントはまだ1件もポストを投稿しておらず、プロフィール文からも「信条のもと推進すべきもの」の手がかりは得られません。
しかし、ヘッダー画像をよく見ると右上にLINE公式アカウントのQRコードがあることに気づきます。
さっそくQRを読み取り、現れたLINEアカウントを友達登録すると、すぐにいくつかのメッセージが届きます。
その中にある、事務局からのメッセージとされる音声を聞いてみると、喜多見が語る「清らかな芽は何度でも芽吹く(どう聞いても「ねぶく」と聞こえる……)」という信条のもと、再教育を通じて心を整える「清芽計画」を推進する、と述べられていました。
この「清芽計画」がパスワードで間違いと確信し、サイトへ戻ってログインページを開きます。
パスワードなので半角英数の「seigakeikaku」と入力すると、無事にログインすることができました。
施設と紐づけられたデバイスでのみログインするように、という注意書きに不安を覚えながらも、ENTERボタンをクリックします。(EXITを押すと更生施設のトップページへ戻る)
すると、院内で頻発した不審な動きに対する緊急措置として、パスワードが二重化されてしまっていました。
不審な動きとは、表現祭にメッセージを仕込んだ彼のことなのでしょうか。
ふたつ目のパスワードは喜多見の最新政策スローガンとのことですが、対象少女再教育事業に関するアカウントや、一次調査の各ページからはそれらしい言葉は見つかりません。
パスワードは一旦保留として、リンク化されている『不審な動き』をクリックしてみます。
リンク先には、セキュリティ強化の原因となったいくつかの「不審な動き」が挙げられていました。
その中から、怪しい単語を二つピックアップします。
◆模範生の少年
※以下、ページ遷移は
【検索ワード】→発見できたページ(ページNo、機密レベル)
の形で記載します。
※検索によるネタバレ回避のため、重要ワードは一部分を伏せております。
【七村■記】
→表現祭実行委員任命書(No.102、LV5)
→担当引き継ぎ書(No.103、LV5)
不審な動向ありとされた院生(以下、七村)のフルネーム検索で、二つのページ(表現祭実行委員任命書・担当引継ぎ書)がヒットします。
実行委員任命書は、七村が表現祭の実行委員長に任命された際に発行されたと思わる文書。担当引き継ぎ書は、施設の更生官である谷崎から七村へ業務を引き継ぐ旨が記載された文書です。この任命書から、愛宝新聞にあった実行委員長のNくんとは、七村であることが判明します。
また、担当引き継ぎ書によると、本来であれば施設職員である更生官が行うような業務まで任され(押し付けられ)たようです。
【誠■未来寮】
→リスキル研修会事業について(No.118、LV6)
→喜多見先生ご講演書き起こし(No.119、LV6)
ヒットしたページには、寮生に配布されたのか、または寮に掲示されていると思われるチラシの画像が掲載されています。
その内容から、表現祭に隠されたメッセージにあった「廃棟=誠■未来寮」「女子五人=にじのはし研修生」という繋がりが見えてきます。
研修生のうち一人だけ名前が塗りつぶされているのが気になりますが、画像からその名前を読み取ることは不可能です。
また、チラシデータの下には再教育事業の代表・喜多見の略歴が記載されています。その中の政治活動10周年記念講演がリンク化されており、公演で語られた内容を文字起こししたデータが見つかります。
その内容は、女性の自立や社会進出が国を誤った方向へ向かわせる原因であり、理想の婦人であった自分の母のような大和撫子を育てるため、伝統的女子教育を復古再建させるというもの。まさに前時代的な男尊女卑の思想です。
この二つのページには検索に引っ掛かりそうなワードがいくつかありますが、どれも新たなページはヒットしません。ただ、ひとつだけ「にじいろ健診」が二語検索の候補(※)であることが判明します。
※二語検索に含まれるワードで検索した場合、下のような検索結果画面が現れます。
こちらではそれ以上の収穫が望めそうにないため、七村に関する書類を掘り下げていくことにします。
【ボイスレコーダー 貸与申請書】
→ボイスレコーダー貸与申請書(No.104、LV5)
【七村■記 谷崎■智】
→模範生推薦書(No.105、LV5)
表現祭実行委員任命書に記載されている「ボイスレコーダー等機材については、貸与申請書にて別途申請すること」という文章から、ボイスレコーダー貸与申請書が発見できます。
ボイスレコーダーの貸与申請書は、表現祭の音声ガイドを録音するために七村が提出したと思われます。
文書内には特に気になるワード等はありませんでしたが、判明していなかった七村の院生番号を知ることができました。
また、七村のフルネームで発見したもう一つの文書、担当引き継ぎ書の枠外にあった「谷崎は七村に業務割り振りすぎ」という記載から、それぞれのフルネームで二語検索を行うと、模範生推薦書を発見することができます。
模範生推薦書は、翔界■心会の喜多見宛てに提出された文書でした。また、更生官の谷崎が書いたと思われる推薦文には、前期の模範生として鎌■勇の名前も登場しています。
推薦文の内容から、七村は鎌■勇をはじめ一次調査に登場した蒼乃や乙坂とも同期であることが推測できます。
この貸与申請書と模範生推薦書から得られたワードを使い、次のページへの検索を行います。
【420 七村■記】または【420 第14期模範生】
→七村■記経過報告書(No.106、LV5)
→人物報告書(No.107、LV5)
→児相・家裁報告書(No.108、LV5)
七村の院生番号である420と彼のフルネームで、経過報告書としてまとめられた二つの文書(人物報告書、児相・家裁報告書)が見つかります。
余談ですが、【第14期模範生】のワードでも二語検索の可能性があり、使いどころがしばらく分かりませんでしたが、結果的に七村の経過報告書が【420 七村■記】または【420 第14期模範生】の2パターンで発見できるようになっているだけでした。
おそらく、想定ルートは「院生番号と第14期模範生」の二つのワードが揃ってから経過報告書を発見する流れだと思いますが、一次調査にて【院生番号 フルネーム】での二語検索が使わていたため、そちらとの整合性をとるための措置として、二通りのパターンが用意されたのではないかと考えます。
七村は社交的な性格で、学校生活でも問題点は無く成績優秀な優等生だったようですが、母親の教育方針への反発から度々口論になっていたこと、父親は無関心で唯一の味方であった兄も全寮制の高校で家を出てしまっていたことが、二つの文書から読み取れます。
これらの資料から、次なる検索ワードを見つけることができました。
【不正指令電磁的記録供用事件】
→七村■記事件詳細(No.112、LV5)
児相・家裁報告書に記載されていた、七村が起こしたとされる事件名。検索により、事件の詳細を記した資料が見つかります。
資料によれば、七村は貧困から高校進学を断念した従妹(いとこ)のためにアルバイトを始めましたが、母親の反対により退職。入学金を工面する方法として、自作ウイルスによる詐欺を企てました。
必要金額は50万円ほどでしたが、被害者は3,000名以上、被害額は1億9,000万円という大規模な事件となってしまったようです。
【離巣認可通達】
→七村■記離巣認可通達(No.109、LV5)
→乙坂■卒院後経過報告(No.110、LV5)
→蒼乃■翔卒院後経過報告(No.111、LV5)
七村の人物報告書の最下部に記載されていた「離巣認可通達済み」という記載から、3つのページがヒットします。離巣(りそう)とは、鳥の雛が孵化後に巣を離れ自立して生活することを指す言葉です。
かがみの特殊少年更生施設では「卵体」や「擁卵」といった呼称が使われており、院生を鳥の雛に見立てているフシがあります。どうやら、施設を卒院することは「離巣」と表現されているようです。
七村の離巣認可通達には、翔界誠心会の議員付き私設秘書へ内定した旨が記載されています。”かがみの”と深い関わりを持つ翔界誠心会。どうやら施設内で優秀と認められた人材をリクルートしていると思われます。
おそらく、前期の模範生であった鎌倉勇もこの会へ就職しているのではないでしょうか。
また、一次調査の蒼乃や乙坂のその後について記載された文書も同時にヒットします。一次調査の時点ですでに卒院していた両名ですが、乙坂は建築会社に就職しデザイナーとして順調に仕事をこなしているようです。一方の蒼乃は、製造系の企業と思われる会社に就職したものの、精神的に不安定な面が見られるようで、再度更生措置を受けさせられる可能性が示唆されています。
注目すべきは知人の少女が職場を訪ねてきたという一文。
これは恐らく、「気づいて」アカウントにてAくん(蒼乃)の身を案じ続けていた花城■子であると思われます。
花城が蒼乃に関する情報を手に入れられた経緯については、公式設定資料パンフレットにてある事実が明かされています。
【鳳■表彰】
→フォルダ01_250213Y1GGbVVJNi(No.113、LV6)
→File250210NyIpVUfr5H.m4a(No.114、LV6)
→File250213CEaHc6qbUL.m4a(No.115、LV6)
→File250213gLv4zGZkOC.m4a(No.116、LV6)
→FileHerSong250213xzGcvl4dKM.m4a(No.117、LV6)
七村の離巣認可通達に記載のあった「鳳■表彰」という単語。施設での成績や生活態度が優秀とされた院生に贈られる称号のようです。
ヒットしたページは、英数字が羅列されたフォルダと、その中身である音声ファイルです。これは、表現祭の音声案内の収録のために七村が借りた、ボイスレコーダーに保存されていた音声ではないかと推測します。
フォルダのページには「鳳翼表彰のはく奪を申請」とあり、模範生である七村が何らかの不正や違反を犯してしまったものと思われます。
(この時点では、表現祭へメッセージを仕込んだことがバレてしまったのではないかと思いました)
各音声ファイルの文字起こしは以下の通り。
・File250210NyIpVUfr5H.m4a
あー、あー。録音テスト。
2月10日、令和七年の表現祭実行委員長に任命される。
音声ガイド作成用のボイスレコーダーを院長から貸与された。
・File250213CEaHc6qbUL.m4a
2月13日午後、ソウダミサオ先生が来院。院内を案内した。
外は快晴、風が強くて冷たい。寒い。
・File250213gLv4zGZkOC.m4a
廃棟の方から不審な歌声が聞こえる。
谷崎さんに報告した方がいいだろうか。
・FileHerSong250213vl4dKM.m4a
(雑音に交じった女性の歌声)
ファイル名の6桁の数字が収録された日付を表していると思われます。
最後のファイルの日付の前に「HerSong」と追加されているのは、七村が追加した文字列でしょうか。
このフォルダを発見するところまでが新章の調査Phase02となっています。
表現祭へメッセージを仕込んだ「ぼく」こと七村の素性が判明し、5人の少女が監禁された廃棟が寮として使用されていることも明らかとなりました。
◆s284と呼ばれた少女
【にじいろ健診 宗田操】
→にじのはし研修生人物報告書(No.120、LV6)
「File250213CEaHc6qbUL.m4a」の音声にあったソウダミサオ先生という人物。これはリスキル研修会事業についてのチラシにあった宗田医師のことではないかと思われます。
同ページでは「にじいろ健診」が二語検索の候補になっており、健診を担当する宗田医師のフルネーム(操は推測)と合わせて検索を行うことで、研修生の人物報告書を発見することができました。
報告書では、リスキル研修会の名簿にあった少女たちの詳細なプロフィールが確認できます。彼女らには院生番号ではなく研修生Noが付けられており、いずれの少女も家庭にトラブルを抱えているという共通点がありそうです。
しかし、肝心のs284については情報が無く、最下部に「※s284の略歴や特別な能力については別紙記載」とあるだけでした。
この「特別な能力」とは何かと考えたとき、各少女たちの備考欄に「感情知能指数(EQ)、好奇心指数(CQ)、知能指数(IQ)」といった指数が記載されていることに気づきます。
ところが、AQにだけは〇〇指数という説明がありませんでした。
【s284 逆境指数】
→荒嶋■音人物報告書(No.121、LV6)
AQを検索で調べると「逆境指数」を表す略語であることが分かります。これとs284を二語検索することで、七村が救おうとしていた少女の氏名がついに判明します。
s284こと荒嶋■音は、鹿児島出身の17歳(2025年8月12日で18歳)。兄弟が多かったため両親は経済的に困窮しており、家事や育児に十分な時間を割けなかったようです。高校進学を気に叔母の元へ移ったようですが、叔母もまた多忙を理由に彼女を半ば放任していました。
気になるのが、上京と職業訓練校への進学という記載。
荒嶋は年齢的には高校三年生に当たります。通常であれば高校卒業後に進学すべきところを、2025年の2月時点ですでに誠■未来寮(=職業訓練校?)へ入寮していました。ほかの少女たちも、本来なら高校生であるはずの年齢です。さらに、「上京」とありますが更生施設があるのは茨城県です。様々な違和感を抱きつつ、次の検索ワードを探します。
【荒嶋■音 七村■記】
→フォルダ02_250220rjSPxtmLTH(No.122、LV6)
→File250220tn003YFpMu.m4a(No.123、LV6)
→File250220HWawYYMBS4.m4a(No.124、LV6)
荒嶋の人物報告書最下部にあった「※荒嶋■音含む研修生5名の生活サポート係は、第14期模範生が担当」という記載。それをヒントに、第14期模範生である七村と荒嶋のフルネームを二語検索することで、新たなボイスレコーダーのフォルダが発見できました。
二つの音声の文字起こしは以下の通り。
・File250220tn003YFpMu.m4a
にじのはし研修生の世話の初日。食事を運んだ。
あの歌声の女はs284。態度が悪い、最悪だ。返事もろくにしない。
独特な訛り……鹿児島の方?
出身を訪ねたら、「さくらぐん」とだけ答えた。
・File250220HWawYYMBS4.m4a
今年の表現祭の副題を「ぼくらの表現祭」に決めた。
職員の人の力を借りず、院生だけで作り上げる表現祭。
大変だとは思うが、これしかない。
…………いや! いつまでも職員の人に頼り切りなままじゃいけないから。
フォルダページにも記載がありますが、七村のs284(荒嶋)に対する印象は、この時点では最悪だったようです。また、表現祭へ何かを仕込む計画はこの辺りから始まっていたと思われます。当初は施設での怪しい手術を暴露することだけが目的だったのではないでしょうか。
ここまでが新章の調査Phase03です。
s284と呼ばれた少女の名前が明らかとなり、表現祭に散りばめられた情報のピースが一つずつ嵌っていく感覚を覚えます。
四次調査で最も苦戦したのが、この次のページを発見することです。報告書の備考欄には「鹿児島県内の郊外に位置する郡で育つ」という不自然な書き方がされており、音声にも「さくらぐん」という名称が登場するため、これではないかと睨んだものの、「桜郡」でも「佐倉郡」でも通らず、二語検索なども試しましたが一向にヒットしません。
(荒嶋の現住所が桜汐町なのも非常に巧みなミスリードでした)
【佐久良郡】
→荒嶋■音履歴書(No.125、LV6)
もしかしたら「郡」を怪しませること自体がミスリードなのかもしれない……。という迷宮に足を踏み入れる前に、とりあえず「さくら」で変換できる全ての単語を試してみようと思ったのがラッキーでした。
佐久良郡でヒットしたのは荒嶋が施設に送ったと思われる履歴書。そこには歌手を志す彼女の熱い想いが綴られていました。「スクール」と称された訓練校を心から信頼しており、そこでなら夢が叶えられると本気で信じていることが感じられます。(許せねぇ……)
この履歴書が書かれたのは、恐らく2024年11月3日。荒嶋が高校二年生の時点です。自身が通う高校を「卒業見込み」としていることから、やはり本人も高校卒業後に訓練校へ進学するつもりだったのではないでしょうか。
◆負の文化遺産
【新寮送致対象者】
→新寮開設のお知らせ(No.126、LV6)
荒嶋の履歴書の担当者記入欄に記載されていた「新寮送致対象者」というワードで発見できたページは、旧・カガミノ脳病院の保護養生棟を改装して新寮として開設するというお知らせの文書です。
カガミノ脳病院といえば、かがみの特殊少年更生施設の前身と思われる病院です。昭和17年には既に存在していたカガミノ脳病院。更生施設の初代施設長であった金森寿一郎が、現在も行われている「カネモリ式適合術」という洗脳施術を確立した因縁の施設です。
少女たちをそこへ住まわせ、いったい何をしようというのでしょうか……。
【保護養生棟】
→関係資料(No.127、LV6)
改装され新寮となった「保護養生棟」のワードで、次の資料が発見できました。見つかったのは、昭和62年の新聞記事の切り抜きです。
記事の上部にある建物のスケッチは、新章が始まる前のスタートページに表示されていたものと同じでした。
記事によると、保護養生棟はカガミノ脳病院の重篤患者の収容先として使用されていた隔離病棟であり、終戦後は国に買い取られたものの、その建物だけは手付かずのまま放置されていたようです。
脳病院および更生施設には黒い噂が絶えず、秘密裏に人体実験を行っているのではないかという疑いが持たれていました(まさにその通りなのですが…)。そのため、保護養生棟は「負の文化遺産」と称されています。
ページ下部には「翔界■心会の情報ファイルよりアーカイブ化」という記載があり、翔界■心会で検索を行うと二語検索の候補であることが分かります。記事内には「金森家の末裔・金森■津氏に与党議員が接触し、買い上げの交渉を試みた」とあり、同会がその交渉に関わっているのではないかと推測できます。
【金森■津 翔界■心会】
→廃棟購入記録(No.128、LV6)
案の定、金森■津と翔界■心会の二語検索により、2022年から2023年にかけて行われた交渉の経過を記したページがヒットします。新聞記事は昭和62年(1987年)のものなので、”かがみの”はずっと前から廃棟の購入を検討していたことになります。(かがみの特殊少年更生施設の解説は昭和29年)
金森寿一郎の姪である金森■津が高齢となったタイミングを見計らっていたのでしょうか。
個人的な推察ですが、カネモリ式適合術の生みの親である金森寿一郎は、その非人道的な施術に疑問を持っていたのではないでしょうか。一次調査にて、彼は自身の研究施設にて一部の研究資料を破棄したうえで自死していたことが明らかとなります。もしもこれが自責の念に駆られての行為だったとしたら、姪である志津もその意思を継ぎ、廃棟の売却を断り続けていたのかもしれません。
最終的に、喜多見勇次郎との直接交渉により、金森■津は廃棟の売却を承諾したようです。その際、喜多見が同調したとされる金森■津の信条「寛徳美誠(かんとくびせい※)」という言葉が気になりますが、検索は無反応でした。※Google検索でもヒットしないため造語だと思われます。
【金森博士像】
→フォルダ03_250303oRzSn9TC8O(No.129、LV7)
→File250221kvDhE5yFOy.m4a(No.130、LV7)
→File250226GVrgmeyVeG.m4a(No.131、LV7)
→File250227lXHIjx3t3K.m4a(No.132、LV7)
→File250303ckujFTxzMc.m4a(No.133、LV7)
廃棟の購入にあわせ、金森家で保管されていた研究資料を譲り受ける条件として恒久保存が約束された「金森博士像」。そのワードにて、ボイスレコーダーの新たなフォルダが発見できました。
各音声ファイルの文字起こしは以下の通り。
・File250221kvDhE5yFOy.m4a
令和七年度の施設案内冊子の制作が始まった。業務が多い。
・File250226GVrgmeyVeG.m4a
再三「歌うな」と言っているのに、s284は聞く様子がない。
夜にも裏庭の銅像のあたりで聞こえた。
職員にバレて目をつけられたら、そのうち独房送りになるっていうのに。
頭の悪い女。
・File250227lXHIjx3t3K.m4a
廃棟の改装業者「フジミアーキテクト」の人たちを案内した。
始めて地下の独房エリアに入った。
上と違って狭いしカビ臭い。
もうすぐ災害対応の設備を強化する予定とのこと。
・File250303ckujFTxzMc.m4a
表現祭に出す作品の構想が固まった。
展示のアイデアも思いついた。
本当にできるんだろうか……でもやるしかない。
他に方法はない。
2月21日の音声より、更生官の谷崎より引き継いだ(押し付けられた)令和七年度の施設案内冊子も、このあたりから制作が始まったことが分かります。(※冊子については後述)
また、七村の注意を聞かず、s284(荒嶋)は歌を歌い続けているようです。
ここまでが調査Phase04となり、廃棟の正体や七村と荒嶋の関わりなどが少しずつ明らかになってきました。
3.サイト調査(Phase05~調査完了)
◆施術へのカウントダウン
先の音声を手掛かりとして、次の検索ワードは廃棟の改装業者「フジミアーキテクト」ではないかと思い、漢字を当てたり色々と試してみましたが一向にヒットしません。(”フジミヤ”も試した)
ここで、「そういえば乙坂の就職先が建築会社だったな……」と頭に浮かび、改めて彼の卒院後経過報告書を開いてみます。
よく見ると、黒塗りで隠された会社名が少しはみ出していることに気づきます。さらに、始めの文字が「フ」で最後の文字が「ト」になりそうです。
これはもしや「フジミアーキテクト」なのではないか、検索にヒットしなかったのは、会社名が正式名称でなかったからなのではないか、と推測します。
【フジミアーキテクト総合建築会社】
→誠■未来寮マップ(No.134、LV7)
予想通り、廃棟の改装業者は乙坂の就職先である「フジミアーキテクト総合建築会社」でした。会社の正式名称で検索を行うと、寮の全体マップを掲載したページがヒットします。
誠■未来寮は地上二階地下一階の建物で、外部の者が居住スペースである二階に行くためには監視員室を通らなければならないほか、監視カメラや人感センサーが複数台配置されるなど厳重な監視体制が敷かれています。
地下一階のマップには、更生推進棟への地下通路が新設されるとの記載があり、かがみの特殊少年更生施設のマップと比較してみると、二つの建物の位置関係がおおよそ把握できます。
金森博士像も、この時すでにマップ上に存在していたとは……。
マップ内には情報が多く、いろいろなワードで検索を試してみますが、s284が入れられてしまうと七村が危惧していた「独房」の一室が、次なるキーワードでした。
【独K06】
→移送指示書(No.135、LV7)
独房の一室を表す「独K06」の検索で、荒嶋の移送指示書が発見できました。発行日は3月12日、移送日は3月13日となっています。荒嶋が独房へ監禁されているという情報は、七村が仕込んだ表現祭のメッセージにて明らかとなっています。
指示書には、ある施術室の使用順が来るまで待機という記載があります。
【カネモリ弐式統合施術室】
→カネモリ弐式統合施術室使用スケジュール(No.136、LV7)
金森寿一郎が確立した洗脳施術「カネモリ式適合術」は、施術期間を大幅に短縮する改良が加えられ「カネモリ弐式統合施術」という新しい施術に進化していました。(全く喜ばしいことではありませんが……)
執刀は一次調査の時と同様、脳神経外科医の岡部勝博が担っているようです。同ページには3月と4月のカレンダーも掲載されており、職員の手書きと思われる施術のスケジュールや経過が記載されていました。
カレンダーによると、荒嶋の施術は3月19日に決定していたようですが、急な発熱と嘔吐により2週間後の4月2日に延期(岡部の来院は隔週水曜とのこと)。4月2日にも嘔吐や腹痛を訴えたため、さらに延期されて4月16日にずれ込んだようです。
しかし、各種検査の結果異常が見当たらなかったため、荒嶋の訴えた症状が詐病(病気と偽ること)ではないかと疑われます。その結果、体調に関わらず4月16日の施術は決行すると判断されました。
4月16日の「施術決行日」には赤線が引かれており、これが次のキーワードではないかと思い検索してみると、二語検索の一部であることが判明します。
【施術決行日 4月16日】
→フォルダ04_250314B5ewQB1rZW(No.137、LV7)
→File250308b4e1safcNl.m4a(No.138、LV7)
→File250311uTboK84lLo.m4a(No.139、LV7)
→File250314EmL18ZCvs1.m4a(No.140、LV7)
施術決行日と4月16日の二語検索で、ボイスレコーダーのフォルダがヒットします。フォルダのページには施術決行日や特殊な措置など、機密事項が院生(七村)に漏洩していたとの記載がありました。
各音声ファイルの文字起こしは以下の通り。
・File250308b4e1safcNl.m4a
表現祭の展示をローテーションにすることになり、業務がいきなり増えた。
間に合うかどうか……。
仕事は増えるが、これでようやく計画を実行できる。
これしかないんだ。
・File250311uTboK84lLo.m4a
施設案内冊子はもうすぐ完成しそう。
施設の外にいるはずの誰かさんに、いつか届くように。
・File250314EmL18ZCvs1.m4a
s284はとうとう独房へ移された。
拘束監禁措置だけでは済まなかったらしい。
本当に馬鹿な女。
何度注意しても歌い続けたんだから当然だ。
あいつの世話係も外れた。
施術決行日が来れば、もうあの歌を聴くこともなくなるだろう。
更生官の谷崎から施設ホームページのアップデートを引き継いでいた七村。コンピュータウイルスを自作できてしまうほどの知識を持つ彼なら、施設のサイトから様々な情報を得ることは容易だったと考えられます。
ここまでが調査Phase05です。
荒嶋の施術が決定し、七村はどう動くのでしょうか。
◆命がけの時間稼ぎ
ボイスレコーダーの音声と、フォルダページに記載されていた「特殊な措置」という言葉から、次のキーワードを推測します。
【拘束監禁措置】
→警備報告書(No.141、LV7)
ヒットしたのは、更生施設の夜間警備員が提出したと思われる警備報告書です。4月8日の深夜、一人の院生が突如奇声を上げて激しく暴れ出したため、拘束監禁措置を行ったとのこと。
その院生はこれまで成績素行ともに極めて優良だったという一文から、もしや……という想像が頭をよぎります。
【保護安静室】
→観察報告(No.142、LV7)
当該院生が移動させられた「保護安静室」のキーワードで、その後の様子を記録した観察記録カードが見つかりました。
異常行動を起こしたのは、やはり七村でした。
カードには、4月8日から13日までの彼の様子が記録されています。4月11日まで激しい興奮状態で大声を上げたり暴力行為を繰り返した後、12日になるとそれらの症状が突如消失、発言も減少し、急に笑みを浮かべるなど不明瞭な状態になったとのこと。
表現祭のメッセージとここまでの経緯から、彼の行動が違法薬物や病気によるものではないというのは明確です。
【突発性アレプシア幻妄症】
→七村■記医療データ(No.143、LV7)
→施術適用指示書(No.144、LV7)
七村の異常行動から疑いありと判断された病名「突発性アレプシア幻妄症」。Google検索ではヒットしなかったので架空の名称のようです。このワードで、七村の医療データと施術の指示書がヒットします。
医療データによれば、4月16日に予定されていた荒嶋の代わりに七村が施術対象になったとのこと。そのため、荒嶋の施術日が4月30日に繰り下げとなったことが分かります。
彼は、命がけの行動により荒嶋の施術を二週間延ばすことに成功したのです。七村の異常行動が12日から沈静化したのは、施術の入れ替えが確定したためだと思われます。(七村…お前……)
その証拠に、施術適用指示書は4月12日付で発行されていました。
また、指示書内のある単語が次なる検索ワードとなっています。
【ハイプライオリティオペ】
→七村■記施術記録(No.145、LV7)
緊急性が高い場合に行われるとみられる「ハイプライオリティオペ」。検索によって、七村の施術記録が発見できます。
資料によれば、施術中に拘束具を外して暴れ出す事故が発生します。その際に頭部を負傷しますが、施設は施術を継続。術後、七村が再び暴れ出したため鎮静剤を投与。その後の彼は人格が崩壊しており、時折なにかの旋律を口ずさむだけ(荒嶋の歌?)になってしまったとのこと。
そのため、彼は処分扱いにされるようです。(処分に関しては三次調査で示唆されています)
【庚キ36497】
→フォルダ資料庚キ36497_250411EYosVXwcPO(No.146、LV8)
→File250411Ups6xLGLDn.m4a(No.147、LV8)
施術記録の最下部に、「術前の監禁期間中の様子については資料庚キ36497を参照のこと」とあったため、その資料Noと思われる文字列で検索を行うと、ボイスレコーダーのフォルダがヒットします。
七村のものとは別のボイスレコーダーなのか、フォルダの命名規則が異なるようです。
音声の文字起こしは以下の通り。
・File250411Ups6xLGLDn.m4a
(壁を叩く音)
全部バラしてやる!
外に出たら全部バラしてやる!
証拠もある、これが世に出たらお前たちは終わりだ!
いつまでも隠し通せると思うな!
自分たちの罪の深さを知れ!
そこには、鬼気迫る七村の怒号が録音されていました。
幻妄症と診断され、優先度の高い施術が行われた理由は、彼が叫んだある種の"脅迫"によるものだったのです。
ここまでが調査Phase06となります。
七村の命がけの時間稼ぎにより、荒嶋の施術は延期となりました。
奇しくも「ぼくらの表現祭」が開催された4月16日に、実行委員長の七村はカネモリ式施術によって廃人と化してしまっていたのです。
◆少年の声、彼女のうた
七村の叫びが保存されていたフォルダページには、模範生推薦によって彼が就職するはずだった翔界■心会ともうひとつ、神洲■翼倶楽部という政治団体と思われる名称が記載されていました。
【神洲■翼倶楽部】
→喜多見■次郎先生ご経歴(No.148、LV8)
謎の俱楽部でヒットしたのは、喜多見■次郎の経歴です。
一部が黒塗りで隠されているものの、「リスキル研修会事業について」の略歴とはまた異なる情報です。
喜多見■次郎については後述しますが、2023年の旧カガミノ脳病院購入についての記載に「金森■津氏が掲げる信条と喜多見先生ご自身が理想とする夫婦の姿、それぞれの四字熟語を合わせたものを、新たな政策スローガンに定めた」とあります。
喜多見の政策スローガンといえば、不審な動きによって二重化されてしまった共同プロジェクトのふたつ目のパスワードに設定されていたことを思い出します。
金森家の末裔である金森■津が掲げる信条は、廃棟購入記録に記載のあった「寛徳美誠(かんとくびせい)」で間違いないと思われます。そしてもう一つは、「喜多見が理想とする夫婦の姿」を表す四字熟語を特定する必要がありそうです。
喜多見は、政治活動10周年記念講演の中で自身が理想とする夫婦の姿について語っていました。
そんな母の姿は、正に雄鶏の後をついて歩く雌鶏のようであり、私には父と母が理想の夫婦に見えました。
「雄鶏の後をついて歩く雌鶏のよう」というキーワードをもとに、四字熟語を検索してみると、「嫁鶏随鶏(かけいずいけい)」という言葉が見つかります。妻が夫に従うさまををつがいの鶏に例えており、この四字熟語で間違いなさそうです。
【パスワード:kantokubiseikakeizuikei】
→共同プロジェクトページ(No.149、LV9)
金森■津と喜多見■次郎それぞれの四字熟語を合わせたもの、とされていたので、試しに寛徳美誠と嫁鶏随鶏をくっつけてローマ字入力したところ、なんと一発で通ってしまいました……。
ログイン後の共同プロジェクトページは、施設の職員がプロジェクトに関する伝達事項を投稿するような形になっており、ログイン時点で5つの書き込みが確認できます。
おおよその内容は下記の通り。
・4月23日に誠美未来寮への災害対応システムの導入が完了
・規格卵420(七村)が施術中に暴れた際、岡部医師が負傷。命に別状はないが精神的に不安定な状況が続いている。そのため「カネモリ弐式統合施術」の予定は別命があるまで無期延期とする。
・七村に貸与されたボイスレコーダーから機密性の高い内容を含む音声が見つかった。該当の音声ファイルは別フォルダへ移管。
・かがみの特殊少年更生施設と翔界誠心会が共同で行う『初葉の虹プロジェクト』が進行中。
七村の施術記録には記載がありませんでしたが、術中に彼が暴れた際、執刀医の岡部にもケガを負わせていました。七村は荒嶋の順番を遅らせただけはでなく、施術を担当する医師をも排除していたのです。これが偶然の産物なのか意図的なものなのかは不明ですが、彼の揺るぎない意志の強さが成し得た結果ではないかと感じずにはいられません。
【共同プロジェクトページより遷移】
→フォルダ資料庚ネ98734(No.150、LV9)
→File250226vpv9hiajgh.m4a(No.151、LV9)
→File250228qje382g3ji.m4a(No.152、LV9)
→File250307co042nkmtd.m4a(No.153、LV9)
→File250313zlzha9nnt2.m4a(No.154、LV9)
→File250328qoy08goe68.m4a(No.155、LV9)
→File250406b84goy5v2p.m4a(No.156、LV9)
ボイスレコーダーから見つかった機密性の高い音声が移管されたフォルダは、プロジェクトページの投稿にリンクがありそのまま移動することができます。
各音声ファイルの文字起こしは以下の通り。
・File250226vpv9hiajgh.m4a
ようやく分かった。
あいつが歌を止めないのは、わざと自分を施術対象にするためだ。
それは、同期の仲間たちの施術を、一日でも先送りにするため。
それで仲間が助かるかどうかなんて、わからないのに。
バカだ。本当に、バカな女。
・File250228qje382g3ji.m4a
あんなバカの計画が狙い通りに進んでしまうのは、どうしても許せない。
あいつの計画をぼくが台無しにしてやる。
s284だけは絶対に助ける。
この「かがみの」から外に脱走した人間は、これまでに一人もいない。
だけど、できるはずだ。ぼくなら。
・File250307co042nkmtd.m4a
あのバカを脱走させる方法は一つ。
それは、避難システム完成後に、それを強制作動させることだ。
フジミアーキテクトの施工が終えるまで、まだあと一か月以上もある。
その間だけは、s284の施術をさせるわけにはいかない。
だってのに……あのバカは今日も歌ってる。
・File250313zlzha9nnt2.m4a
s284の独房移送が決まった。
あいつに食事を運んだ時、メモを一枚渡した。
あのバカが言うとおりにしてくれるかどうか。
・File250328qoy08goe68.m4a
避難システムのパスワードを知るためには、どうしても外にいる人間の協力が必要になる。
そのためのメッセージを表現祭に込めた。
とても複雑な暗号だから、施設の人間が気付くことはない。
外にいる誰か、頼むから、気づいてくれ。
・File250406b84goy5v2p.m4a
s284の最終施術決行日が来週に決まった。
何度も延期があったから、今回の決行日には必ず施術が行われるとのこと。
避難システムの完成まで、あと二週間。
今回の施術さえ延期させられれば、あいつを救えるはずなのに。
s284を守るために、自分に何ができる……。
保存されていた音声は、すべての答え合わせでした。
荒嶋■音が何度注意されても歌を止めなかった理由、七村が表現祭に込めたメッセージの真意、そして命がけの時間稼ぎを行わざるを得なかった状況。
ファイル名の日付から、彼が荒嶋の”計画”を知ったのは2月26日、表現祭に何かしらの仕掛けを行うことを匂わせたのが2月20日です。やはり、当初は単に施設の闇を暴露するための仕掛けを、荒嶋を救うため外部の人間の協力を得る方向へ変えたと思われます。
人のために犯罪を犯した七村は、同じく人のために自身を犠牲にしようとしている荒嶋に強く共感したのでしょう。「バカ」呼ばわりは、自分に向けての言葉のようにも感じました。(単にツンデレなだけかも知れません)
【初葉の虹プロジェクト】
→誠■未来寮活用計画(No.157、LV9)
共同プロジェクトの正式名称「初葉の虹プロジェクト」で、廃棟を購入し誠■未来寮として改装した目的が明らかとなります。ページに掲載されているのは4枚のスライドでした。
イラストが散りばめられた活用計画書に記載されていたのは、その可愛らしい見た目とは裏腹に、何ともおぞましい内容です。
一次利用では、”特別に選ばれた女性”が入れる教育施設として”専門の特殊教育”を受けさせたのちに”最上級の夫”のサポートを行わせる。
”一次に適応できなかった女性”には、二次利用として”特別な施術”を受けさせたのち”子どもを産み続け”させる。
「いや大奥かよ!!」
と思わず突っ込んでしまいました。
最高に気持ち悪いです。
一次利用で行われるのは恐らく「洗脳」。そして、洗脳がうまくいかなかった場合は「カネモリ弐式統合施術」を行って施設の言いなりに改造されてしまう。想像の遥か上をいく卑劣な計画に、思わず鳥肌が立ちます。
(ふと、女性を「産む機械」と表現して猛批判された大臣を思い出しました)
何より許せないのは、更生施設で行われている施術は罪を犯して各地の少年院に入所している少年を対象としているのに対し、未来寮に入れられるのは何の罪もない夢を持つ少女たちです。
おそらく表向きは「格安の職業訓練校」として生徒を募り、家庭環境に問題を抱えていたり、貧困から夢を諦めざるを得ない少女を集めているのではないでしょうか。
罪を犯した人間には何をしても構わないとは言いませんが、未来寮が行おうとしていることの卑劣度は、更生施設の一段上に感じます。
【非常災害時避難システム】
→警告(No.158、LV10)
→非常災害時避難システム管理ページ(No.159、LV10)
→非常災害時避難システムが発動しました(No.160、LV10)
計画書の最後のスライドに記載されていたのは、七村が起動してほしいと依頼していた非常システムの正式名称です。
まず現れるのは警告のページ。システムの起動によって引き起こされる影響について、詳しく記載されています。起動後直ちに発生するのが下記の四点。
・誠美未来寮内監視システムの停止
・常時施錠されている全区域の自動解錠
・誠美未来寮内警備センサーの解除
・自動管理記録システムの中断、およびアクセスログの記録停止
つまり、全ての施錠が解除され警備センサーも解除、監視システムも停止するため、脱出したとしてもすぐに気づかれることは無いでしょう。
通常、二階の居住スペースや地下の独房エリアから外へ出るためには、監視員室を通り抜けて正面玄関へたどり着く必要がありますが、一階の階段のすぐ手前に職員通用口があり、そこも解錠されるはずなので通れるはずです。
警告ページのリンクからシステム管理ページへ移ると、最終確認のメッセージとともにシステム発動ボタンが現れます。
躊躇なくそのボタンを押し、避難システムを発動させたら調査完了です。
発動ページの最下部には、第四境界の調査報告ページへ遷移するリンクがあり、ラストワードが記載されています。そして、ラストワード入力後の調査完了ページでは、七村が聞いた「彼女のうた」を聴くことができます。
本来なら4月30日に行われる予定だった荒嶋の施術は、七村が執刀医の岡部を負傷させたことにより無期限の延期となっています。彼の執念と命がけの行動が、ついに実を結びました。
歌の最後には、七村が荒嶋へ渡したメモが映し出されます。
プレイヤーは少年の声に導かれ、彼女のうたを守ることができたのです。
4.時系列まとめ(簡易版)
新章「少年の声、彼女のうた」内の出来事を時系列にまとめました。
2023.6.29
喜多見勇次郎が金森志津へ廃棟購入の直接交渉
2024.3.19
七村の模範生推薦書提出
2024.11.3
荒嶋履歴書作成
2025.1.吉日
七村の離巣認可通達
2025.1.17
新寮開設のお知らせ発信
2025.2.3
新寮・誠■未来寮開設
2025.2.10
七村が表現祭実行委員長に任命される
2025.2.13
七村が廃棟にて少女の歌声を聞く
にじいろ健診実施
2025.2.20
谷崎より七村に業務引継ぎ
にじのはし研修生の世話初日(荒嶋の態度に苦言)
2025.2.26
七村が荒嶋の計画に気づく
2025.2.27
七村がフジミアーキテクトを案内
2025.3.13
荒嶋が独房へ移送される
2025.3.19
荒嶋の急な発熱と嘔吐により施術延期
2025.4.2
荒嶋の嘔吐と腹痛により施術延期
2025.4.8
七村が暴れ拘束監禁措置
2025.4.11
七村の音声「全部バラしてやる!」
2025.4.12
施術適用指示書発行
荒嶋の施術予定繰り下げ
七村が急におとなしくなる
2025.4.14
七村の音声ファイル移管
2025.4.16
七村の施術完了(廃人化)
岡部医師負傷のため緊急入院(無期限の施術延期)
2025.4.16~4.20
ぼくらの表現祭【東京侵蝕】開催
2025.4.23
災害対応システム導入完了
5.考察と感想
新章「少年の声、彼女のうた」にて明らかとなった事実や、過去調査の情報も含めて、筆者の考察(情報をまとめただけですが)をいくつか記載していきます。
・喜多見■次郎について
一次調査では、政府側(特務省厚生局)の人間として名前だけ登場していた人物でしたが、新章では陰謀を企てる中心人物として顔写真付きで再登場しました。
この喜多見という人物、略歴と経歴を合わせてみると様々な役職を転々として、着実に地位を向上させてることが分かります。
1958年 群馬県花山市に生まれる。
1981年 明鳳大学政治学部を卒業し、喜多見重工株式会社に入社。
1982年 ███に採用。
1984年 喜多見重工株式会社を退職。法務省に入省。
1987年 ██████に配属。
1994年 五条少年院に配属され、院長に就任。
1998年 ███████████課長に就任。
2000年 五条少年院から██████にカネモリ式被験者の提供を開始。
2004年 神洲鳳翼俱楽部に参加。
2006年 ██████長に就任。
2010年 かがみの特殊少年更生施設の更生教育拠点施設への推薦に尽力。
2010年 カネモリ式の臨床実験開始(政府通達)。※
2011年 自国党及び翔界誠心会の関連組織に卒院者の採用を開始。
2012年 衆院選に当選。
2013年 政治グループ『翔界誠心会』を設立。
2014年 法務委員会理事に就任。青少年の更生支援をテーマに活動。
2017年 法務副大臣に就任。
2019年 自国党政務調査会・法務部会長に就任。
2020年 女子教育復古計画を構想。
2020年 政治活動10周年記念講演を開催。
2023年 旧カガミノ脳病院の廃棟を購入し、女子教育復古計画を本格始動。
2025年 対象少女再教育事業を開始。
また、大学卒業後の就職先が「喜多見重工」であり、大企業の御曹司である可能性が高いです。おそらく個人でも相当な財産を有しており、政界だけでなく財界にも顔が利くのではないでしょうか。
個人的な印象ですが、彼こそが「かがみの特殊少年更生施設のラスボス」なのではないでしょうか。
かがみののトップ(院長)は久下沼智教ですが、彼は一次調査にて息子を被検体として提供していたことが判明しており、犯罪に手を染めた少年たちを更生させる唯一の手段こそ「カネモリ式」なのだと盲信しているフシがあります。
つまり院長の久下沼は、政府の操り人形に過ぎないのです。
今回の調査の過程で「対象少女再教育事業」のXやLINEのアカウントが登場しており、これらが再び動き出す可能性もあります。喜多見の思想(野望)を打ち砕くことこそ、かがみのにまつわる悲劇を防ぐ唯一の方法なのではないでしょうか。
・「かがみの」の更なる企み
かがみの特殊少年更生施設で行われている恐怖の手術「カネモリ式(正式名:社会不適合因子洗脳施術」は、新章にて施術期間を大幅に短縮した「カネモリ弐式統合施術」に進化していました。
これは恐らく、金森■津が廃棟売却時に提供した研究資料を元に改良が進められた結果だと思われます。
七村の決死の行動により無期限の延期となっているカネモリ式ですが、誠■未来寮活用計画のスライドには「新資料の活用でさらなるアップデート」という記載があります。
この資料には「非常災害時避難システムを導入しました」という記載もあるため、作成されたのはシステムが導入された4月23日以降となります。
しかし、カネモリ式の進化版である弐式統合施術はそれ以前から行われているため、更なるアップデートがそれを表しているわけではなさそうです。
つまり、施設はこの施術を今後さらに発展させるつもりであるということになります。
現状、岡部医師のみがカネモリ式の執刀を行っており、彼が復帰しない限り新たな犠牲者は出ないと思われますが、技術の発展次第ではそれ以外の人間でも施術を行えるようになってしまう可能性もあるのではないでしょうか……。
・カネモリ式施術の綻び
社会不適合因子洗脳施術として文字通り人間を作り変えてしまう「カネモリ式」。一次調査にて、この施術には「一般育雛法」と「特殊育雛法」の二種類あることが明らかとなっています。そして、新章にて進化版として登場した弐式統合施術は、特殊育雛法に当たるものと思われます。
ふたつの施術方法の違いは、大まかにいえば脳に外科手術を行うかどうかです。
主に更生施設に入れられた院生(新章では騙して連れてこられた少女たち)を対象として行われるこの施術ですが、二次調査を踏まえると、何名かの施設職員もこの施術(一般・特殊のいずれか)を受けていると考えられます。
そもそも普通の感性を持った人間であれば、施設の非人道的な行いを黙って見過ごせるとは到底思えません。
そして新章では、施術中に負傷した岡部医師が精神的に不安定となった事実が明かされました。
これは、もしかしたら洗脳が解けてしまったのではないでしょうか。
一次調査でも、術中に患者が暴れ出す様子が描写されており、幾度となく施術を行っているであろう岡部が身の危険を感じた事例は今回が初めてではないはずです。
実は、二次調査の過程でも洗脳が解けたと思われる描写が登場しており、そのきっかけは様々だと思われますが、カネモリ式も完璧な洗脳術ではないと推測できます。仮に岡部の洗脳が解けたのであれば、カネモリ式は実質施術不可能となり、”かがみの”は窮地に立たされることになります(前項の研究の進み具合によりますが)。
また、洗脳が解ける可能性は院生も同様であると考えられます。
実際に、かがみのの思惑に反した行動をとる卒院生が、公式設定資料パンフレットにて明かされています。彼は一般育雛法を施されていました。
特殊育雛法にて脳に直接手を加えられた人間が洗脳を解けるかどうかは現時点で不明ですが、どうかそうであってほしいと願います。
・レジスタンスの存在
カネモリ式の洗脳が解ける可能性についての考察を踏まえると、施設に従ったフリをしている(卒)院生や職員がまだ潜んでいる可能性も十分に考えられます。かがみのの院長も完全なカネモリ式肯定派ではないと推察しており、意外にその体制は脆いかもしれません。
Phase02の冒頭で、施設に見られた不審な動きが挙げられていました。
調査では七村と未来寮のキーワードを見つけるための情報に過ぎませんでしたが、下の二つに注目してみます。
未来寮に未申請の工員が立ち入ったという記載。寮の改装業者である「フジミアーキテクト」は、一次調査にてカネモリ式の餌食となった乙坂の就職先でした。
未申請の工員が彼だったとしたら……。
監視カメラが故障ではなく、故意に壊されたのだとしたら……。
また、精神的に不安定とされる蒼乃。
花城の訪問によってその症状は悪化しており、再び施設へ戻される可能性が示唆されています。もし、様々な刺激によって洗脳が解けつつあるのであれば、乙坂と協力して施設の内側と外側から不正を暴くことが可能かもしれません。
隠し撮りを行った見学者もおり、いまだ登場していないジャーナリストや新聞記者などの存在も匂わされています。これらの人々がレジスタンスとなって、「かがみの」の闇を暴こうと画策しているのではないでしょうか。
いつの日か、『反撃編』が語られる日を心待ちにするばかりです。
・第五次調査について
プレイヤーの手によって「非常災害時避難システム」を作動し、七村が身を賭して託した願いであるs284(荒嶋)の救出が実現しました。
令和7年度施設案内冊子では、五次調査として新章の後日談にあたるエピソードを紐解くことができます。
未調査の方は、ぜひこの機会にご検討してみてはいかがでしょうか。
本記事冒頭で、筆者は新章『少年の声、少女のうた』を4時間ほどでクリアしたと記載しましたが、それは表現祭(Phase01)部分を事前にクリアしていたことだけが要因ではないと思っています。
初公開時の一次調査と比べ、調査の導線がしっかりと組み立てられており、謎解きとしての難易度は維持しつつも、理不尽感やストレスのない調査が行われるように設計されていると感じました。
一次調査ではマンガ「バイカラームーン」を調査の中心に据えていたのに対して、新章ではボイスレコーダーに収められた「少年の声」がメインとなっています。
活舌に難ありという意見も散見しますが、個人的には表現祭の音声ガイドから「声」に焦点を当て続けた一貫性がとても良かったと感じています。
また、基本的にすでに起きた事実を後追いするだけだった過去の調査に対して、新章ではプレイヤーの手によって物語を動かすことができた点も、クリア後の達成感をより高いものにしていると思います。
2025年7月時点でユーザー数120万人、PV数7500万回というすさまじい記録を誇る「かがみの特殊少年更生施設」。
ARGにとどまらずコミカライズ版やTRPG版(予定)へ展開されるなど、その世界は大きく広がりを見せています。
世界が広がる限り、必然的に施設の闇が公となる日は訪れないのですが(汗)、ラスボス・喜多見の討伐を夢見て「かがみの特殊少年更生施設」を追い続けようと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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