世の中には普通何気なく使っている簡単な言葉でも、その本当の意味を分かってなく使っている場合がまま有る。
その一つが「右」と言う言葉である。
今更、右も左も分からない人は居ないと思われる。
では、“右”って どっち?と改めて聞かれると、皆さんはどう答えるでしょうか?
様々な答えが帰って来そうですね。
①右は「左」の反対側さ。・・・ウーム、では「左」はどっち?となりますね。
②「そりゃ、箸を持つほうが右さ」・・・昔は良くそう言っていましたね。
でも最近は左利きの人が結構多い。箸では決着が付きませんね。
③ある欧米人が言いました。「ナイフを持つ側が右で、フォークを持つ方が左さ」
いや、これも箸と同じく、左利きには逆になりそうですね。
では、では辞書ではどう定義しているのでしょうか?
辞書なら明確に定義されてる筈・・・!
④広辞苑(岩波書店):「南に向かって西の方向」
⑤国語辞典(集英社):「北を向いた時東に当たる方向」
⑥大辞泉(小学館):「東に向かって南の方向」
⑦新明解漢和(三省堂):定義なし
辞書の定義、東西南北の方位を用いた定義の仕方に一時、ナルホドと納得しました。
それにしても、何故、各社で基準の方位が南、北、東 とバラバラなのでしょうか?
どれも同じことを言っているのに、基準としている方位が異なるのは何故でしょうか?
何故それが基準の方位になるのか、その根拠、理由が聞きたくなりますね。
それにしても、その人が見知らぬ町中で、星も出ていない夜だったり、或いは地下街に
居た時には、どうやって東西南北の方位を知ることが出来るのでしょうか?
これでは右や左を知る前に先ず“東西南北”が分からない。
あまり実用的な定義ではないのではないだろうか?
更に、問題なのはその人がどんどん北上し、北極点に達した時、また、逆にどんどん南下して
南極点に達した時、北極点では全ての方角が“南”となり、逆に南極点では全ての方角が“北”
となり、辞書の定義では「右」を判定することが出来ません。
更に、さらに昨今は宇宙時代、地球から離れ、宇宙に飛びだった宇宙船の中では
東西南北をどう判断するのでしょうか?
東西南北と言う言葉さえ意味を成さなくなるかもしれません。
ウーン、では、どうように定義すれば良いのでしょうか?
答えは簡単でした。
数年前 『舟を編む』という映画がありました。(原作:三浦しをん、映画監督:石井裕也)
この中で、見事に明解に解決してくれました。
それは、
『“10“と言う数字を書いてごらんなさい。その“0”のある側が右です。』
何と明瞭、簡単、完璧な定義ではありませんか。
これなら、夜でも昼でも、知らない町でも、地下街でも、北極点南極点でも、宇宙の何処でも、
10と書き、10と読める人であれば誰でも何時でも「右」を知ることが出来ます。
めでたし、メデタシ\(^o^)/