7日夜に放送されたテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)は、高市早苗首相が同日、衆院予算委員会の準備に向けて午前3時すぎに始動することになった「要因」について報じた。

高市首相自身が同日の質疑の中で、6日夜の時点で全政党からの質問通告がそろっておらず役所による答弁書の作成が遅れたことに言及し、「私が(答弁書を宿舎に)持ち帰ることも、ファクスで受け取ることもできなかった。(答弁書が)できあがるくらいの時間が、おおむね午前3時ごろだという話を受けて、3時に公邸に行った」と明かしているが、番組では、質問の事前通告の現状についても伝えた。

質問の事前通告は、委員会開催日の2日前の昼までに行うよう与野党の申し合わせがあるが、委員会開催日前日となることも多いとされる。番組では、今年7月の内閣人事局の資料とした上で、今年の通常国会での質問の「事前通告時刻」(今年2~3月の集計)について、申し合わせ通りの委員会開催日の「2日前」が約50%、開催日の「前日午後6時まで」が約46%、開催日の「前日午後6時以降」が約4%というデータを報道。さらに、その上で事務方が答弁作成を始める「着手可能時間」の平均は、委員会開催前日の午後6時32分とし、完了は開催日当日の午前1時48分となっているとも伝えた。質問通告が遅くなり、官僚の答弁書作成が深夜や未明に及ぶことは、以前から国会内外で問題視されている。

大越健介キャスターは、「平均で(答弁書作成完了時間が)午前1時48分という中で、高市総理はそこからさらに勉強会を開いて、答弁を練り上げていったんですね」と指摘。これに対し、解説でリモート出演した同局政治部官邸キャップの千々岩森生記者は「前の晩から総理サイドと役所がラリーをする流れは、これまでの総理も同じ。すり合わせが始まり、答弁を固めていくが、時間がかかる理由の1つが、事前の通告が、あくまでざっくりしたものだから。項目立てみたいなもので、本当の詳細は本番まで分からず、1つの項目から類推し、具体的答弁をつくる。それが(委員会時間の)7時間分なので、途方もない量になるのが実態」と解説した。

「前の石破総理も岸田総理も、予算委員会になると連日朝5時から準備を始めていたが、たださすがに午前3時というのは。高市総理の、しっかり準備したいというのもあるでしょうし、性格やキャラクターも相まって、今回の異例のスタート時間になったのだと思います」とも述べた。

大越氏が「答弁を完璧にしたい気持ちは分かりますが、周りの人たちの健康も含め、このままのペースでいいとは思えないんですが」と懸念を示すと、千々岩氏は「時の総理の国会答弁は国会だけでなく国民への説明責任があり、極めて需要な機会」としながらも「一方で、総理大臣が担う仕事は、政策立案もそうですが、外交や安全保障、災害対応など多岐に及ぶ」と述べた。さらに「そもそも日本の総理大臣は、他の議院内閣制の国の総理大臣に比べ、国会に出席する日数が多い」とした上で「日本の総理大臣はあまりに忙しすぎるし、そもそも疲弊しすぎることに、システムとして違和感を覚えてきた。これはだれが総理大臣になっても、どの党が政権を担っていても同じ」と述べた。

「さすがに午前3時はどうなんだ、というのはもちろんありますが、日本という国家が、リーダーの国会対応と国家運営のバランスをどう取るべきなのかというのは、これまで国会改革の議論は浮かんでは消えていったが、あらためて考えてもいいタイミングではないか」と提案した。