【緊急事態の虎】岡田監督、虎党ヤジに激高!神宮ならでは…前代未聞の事件勃発(1/2ページ)

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神宮の虎党が激怒。岡田監督と一触即発となった

 え、マジ!? 2008年10月4日。誰も予想しなかった事件が神宮球場で起きた。ヤクルトに対し、引き分けた阪神・岡田彰布監督が、試合後に激高。怒りの矛先は選手に? 報道陣に? いや、ファンに向かってだった。

 プロ野球の監督であれば絶対に避けられない道がある。

 勝てば大統領。負ければ…。胸を突きさすようなヤジだけじゃなく、メガホン、ビール、鶏の骨、枝豆までもが飛んでくる。それが神宮の試合後。敵味方問わず、グラウンドを通らないと、ベンチからクラブハウスに戻ることはできない。

 かつて広島市民球場もそうだったが、今、12球団の本拠地で、この動線は神宮だけ。ファンからすれば特に内野席は選手に直接声をかけることができる特等席ということになる。だから「何かを叫ばなければ、もったいない」という心境になる。これが度を過ぎると緊急事態になる。

 2008年10月4日のヤクルト戦。阪神は先発下柳が五回まで投げ、アッチソン-藤川-ウィリアムス、渡辺のリレーで2-2と引き分けた。1点差を追いついた展開。負けなくてよかったのか、勝てた試合だったのか。ドローの判断はいつの時代も難しいが、2位・巨人との0・5ゲーム差をキープできた岡田監督はホッとしていた。

 「反省しろ! もっと先発、引っ張れよ!」

 レプリカユニホームを着た男性の声が飛ぶ。タテジマ一筋の男にとって、これぐらいは想定内。柔らかい表情で流していた。ところが…。

 「お前は選手の信頼を、失ってんだよ!」

 ブチッッッ!!

 「グラウンドに降りてこい!! 誰に向かって、言っているんや!」

 男性から放たれた二の矢に堪忍袋の緒が切れた。クラブハウスに向けていた足を左に90度、回転。38度線に向かっていった。

 「監督が慌てたら選手に伝わってしまうからな」

 「勝っても浮かれたらアカンし、負けても冷静でないとアカン」

 3年ぶりのリーグ優勝に向け、自らに言い聞かすように話していた岡田監督の姿は…なかった。

 必死で止める球団広報にも「お前も、なんか言えや!」と参戦をうながすほど…。やじ馬も次々と駆けつけた。SNS全盛の今だったら、間違いなく、数秒後にはツイッターやインスタグラムから拡散されるだろう。

 最後は藤川が仲介し、男性ファンは謝罪。事態は収拾したが、チームは最後の最後で失速。最大13ゲーム差を巨人に逆転され、岡田監督は責任をとる形で辞任した。

 1926年に完成した神宮は現在、隣接する秩父宮ラグビー場と入れ替わる形で新球場の計画が進められている。秋の神宮の名物は消えてしまうのか。ヤジはよくない。ただし、それがなくなると思えば、ちょっぴり寂しい気持ちもする。

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