インドネシアの人気女性ユーチューバー、ネッシー・ジャッジさんが、自身の娯楽番組内で、過去に日本で起きた少年凶悪犯罪「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の被害者の顔写真を、背景画像の素材として使用したことが批判を集めている。
ジャッジさんはユーチューブで約1150万人のチャンネル登録者を持つ人気の配信者。問題の番組は2日に公開され、韓国の音楽グループ「NCT DREAM(エヌシーティー・ドリーム)」のメンバーとジャッジさんのトークシーンの背景映像に、目線を隠す加工を施した被害女性の顔写真が額縁に飾られている画像が使用されていたという。
この動画を巡り、日本のSNS上では「凶悪犯罪の被害者を茶化しているのか」「許されることではない」「死者への冒瀆(ぼうとく)だ」などと批判が相次いだ。
指摘を受けたジャッジさんは当該の番組を削除。事件について認識しながら写真を使用したことを認めた上で、謝罪した。
その後も批判は続いている。東京都港区議の新藤加菜氏は6日、自身のサイトで、この件に言及。「日本では『コンクリ事件』の名前を聞くだけで胸が締め付けられる人も多い。昭和以降の犯罪史の中でも最悪級の残虐事件であり、被害者は長く『守られるべき存在』として記憶されている」とした上で、「その顔写真が、軽い企画の“ネタ”に変えられてしまった。日本社会の怒りは当然だ」とした。
著述家で元国連専門機関職員の谷本真由美氏も5日、自身のX(旧ツイッター)で「絶対に許されてはなりません」と憤りをつづった。ジャッジさんは自身のXで複数回にわたって謝罪や釈明を繰り返している。