埼玉県熊谷市で平成23年、夫婦が死亡し、自宅に放火された事件で、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われ1、2審で無罪とされた長男の羽鳥浩一被告(46)について、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は、検察側の上告を棄却する決定をした。羽鳥さんの無罪が確定する。21日付。3裁判官全員一致の結論。
羽鳥さんは23年3月10日ごろ、自宅で父の平吉さん=当時(68)=と母の輝子さん=同(69)=の首を圧迫するなどして殺害し、11日に放火したとして起訴された。
羽鳥さんは一貫して無罪を主張していた。
27年3月の1審さいたま地裁の裁判員裁判判決は、現場の複数箇所から灯油反応が出たことなどから、放火による火災と認定する一方、「父が母を殺害して心中した後、第三者が自宅に侵入して放火した可能性も否定できない」と指摘。無期懲役の求刑に対して無罪を言い渡した。
これに対して28年6月の東京高裁判決は、「夫婦とも何者かに殺害されたとみることができる」と判断。その上で、羽鳥さんが「殺害時間帯に自宅内にいたとまでは断定できず、第三者による犯行の可能性を排除できない」として、無罪という結論については1審を支持した。
最高検の大場亮太郎公判部長は「主張が認められなかったことは誠に遺憾だが、真摯(しんし)に受け止めたい」とするコメントを出した。