熊谷両親殺害放火で無罪判決「心中でも説明つく」 埼玉

 熊谷市の自宅で両親を殺害し、火を放ったとして殺人と非現住建造物等放火罪に問われた無職、羽鳥浩一さん(43)に無罪判決を言い渡した3日のさいたま地裁判決は、検察側が積み上げた間接証拠をいずれも否定した。さいたま地検幹部は公判後、「放火は犯罪の類型上、残る証拠が限られるが、その中で起訴できると考えたので当然起訴した。必要な主張立証は尽くした」と淡々と話した。

 羽鳥さんは平成23年3月に父の平吉さん=当時(68)=と母の輝子さん=同(69)=を殺害し、自宅に放火したとして起訴され、2月の初公判から一貫して無罪を主張していた。

 検察側は母親に首を絞められたような痕があり、父親にも急性硬膜下血腫があったことなどから2人が殺害されたと主張したが、判決は父親の急性硬膜下血腫が「攻撃によって生じたとまでは認められず、他殺とはいえない」と指摘。「父親が母親を殺害した後に自殺した心中であっても説明がつく」とした。

 また、検察側は、羽鳥さんが持っていた携帯電話の電源を火災後に切った上にわざと壊し、自動車で伊豆半島まで移動した後に故意に車を転落させて事故を引き起こしたと主張。これらの「不審な行動」が犯人性の証明になるとしたが、判決は「被告が犯人であることと矛盾しないというに過ぎない」と否定した。

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