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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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捜査開始

「通報される前に責任者に相談ですか……手が早いと言えば早いですね」

「黒だったら逃げられかねないから俺達も早めに動いた方が良いだろうし……ね。出来れば大事ではない事を祈るしかないね」

「じゃあとりあえずみんなで治療院や教会辺りを当たってみよう。文字とかまだ覚えきれていないし……あ、あの時は留守にしてたガエリオンちゃんが知ってるかもしれない」


 最近ではフィロリアル様を始め、お義父さんの配下を玉座の間に連れて行くのは避けておりますぞ。

 お義父さん曰く、豚王が教育上悪いからだとか。

 今日も城の庭で訓練をしているか遊んでいるのではないですかな?


「と言う訳で行ってみようか」

「わかった」

「ガエリオンさんですか……知ってると良いんですけどね」

「まったく頼りに出来ませんな!」


 俺達はライバルに相談しに行きました。


「あ! なおふみなのー!」


 ライバルがお義父さんを見つけて元気よく近寄ってきますぞ。


「サクラも負けないー」


 負けじとサクラちゃんもやってきます。

 物凄い土煙が上がっておりますな。


「空気を切り裂く音が聞こえてますね」

「電車が通り過ぎる時の風を感じるな」


 樹と錬が各々感想を述べますぞ。

 妙に冷静ですな。


「元康様、お帰りなさいませですわ。今日は何をいたしますか?」

「魔物退治ー? コウ最近退屈ー」

「波が偶々起こらない時期ですからなー……」

「元康さん、もう忘れてます」

「今日は色々と用事がありますぞ」

「そうなのー?」


 後に続く様に助手とモグラがやってきますぞ。

 勉強中だったのですかな? 助手とモグラは本と筆記具を持っております。


「どうしたなの? また何処かにお出かけなの?」

「ちょっと依頼を受けてね。ガエリオンちゃん、君の竜帝の知識に無いか聞きに来たんだ」

「わかったなの。ガエリオンの知る知識を総動員して答えるなの」

「えーっと、じゃあ人間に憑依した魂を見分ける方法ってある?」


 お義父さんに尋ねられてライバルはしばし考え込んでいる様ですぞ。


「霊視……魂を見る魔法資質を持つ者は生き物と魂の結び付きが見えるなの。普通の憑依の場合なら結び付きが無く体を操っているから一目で分かるはずなの」

「じゃあその資質を持つ人を見つければ一目で分かるのかな?」


 案外簡単そう、と言った雰囲気でお義父さんが呟くとライバルは首を横に振りますぞ。

 出来ないのですかな?


「ガエリオンも多少はわかるなの。それで見分けが付かなかった事があるなの」

「え? それって……」

「メルロマルクでの攻防時に、別人の魂が乗り移っているのにガエリオン、気付かなかったなの!」


 ライバルの返答にお義父さんは肩を落としますぞ。

 それではダメですな。

 つまり豚が大好きオカルト類、霊能力で見分けは付けられないという事ですぞ。


「ちなみに亜人には死んでもある程度自我を強く維持し続ける種族が――」

「ありがとう。ガエリオンちゃん」

「なの!」


 ライバルは褒められて嬉しそうにしていますぞ。

 く……さあ! サクラちゃんも負けじと知識でアピールするのですぞ。


「んー?」


 くああああああ!

 サクラちゃんはおっとりさんでしたぞ。

 知識担当はむしろみどりでしたな!

 みどりは何処ですぞ!


「ど、どうしたんですか?」


 モグラがお義父さんに尋ねますぞ。


「えっと、勉強中にごめんね」

「い、いえ。何かお力になれますか?」

「んー……さっきガエリオンちゃんに話した事が今回の依頼かな?」

「えっと……そう言うのは教会でお尋ねした方が良いと……思います」

「だろうね」

「ただ、伝承にそういう勇者の話を聞いた事があるので……」

「ああ、確かに……もしも神を僭称する存在が暗躍しているなら過去にもやっている可能性は高いね」


 納得したようにお義父さんはモグラの言葉に頷きましたな。


「じゃあ俺達は教会の方へ行ってくるよ。サクラちゃん達、ガエリオンちゃん。行きだけお願いね」

「わかったー」

「がんばるなの!」


 サクラちゃんとライバルが盛大にじゃんけんを始めましたぞ。

 どっちがお義父さんを背中に乗せるか公平に決めているそうですな。


「ほいほいほーいー」

「なのなのなのー!」


 凄い接戦ですぞ。


「みんなは心配せずに楽しく学んでいてね」

「「「はーい!」」」


 お義父さんに心配せずにと念を押されたのでモグラも真面目に頷いた様ですぞ。


「結局は教会で聞いた方が早いか」

「ガエリオンさんの話を参考にすると普通に憑依か見分ければ良い様な気もしますけど?」

「まあ、そうだけどね。可能性が無い訳じゃないから予防線は張っておこう」

「面倒になって来たな……」


 錬が溜め息をしてますな。


「まあまあ」


 俺達は四聖教会へと送ってもらい、教皇に相談をしたのですぞ。

 ついでに教会が勇者へと秘蔵にしていた資料の閲覧もしております。

 いろんな魔法の類もあるようですな。

 資質の関係で覚えられない物もありそうですぞ。


「肉体の正しい持ち主か、そうではないかを見分ける方法……でしょうか? ハイ」

「ええ、教皇さんは波からの刺客に関しては既にご存じだと思うのですが、その敵のパターンに確かにありえるのでこうして調査している状況です」

「なるほど……」


 教皇も難しい注文に唸りますぞ。


「我が教会でも時々悪魔や魔物、悪霊に憑依された者が運び込まれますが、一見すると見分けが付き辛いとなると難しい、です。ハイ」

「ああ、やっぱりそういう仕事もあるんですね」

「何処かの邪教とはやっぱり違うな」


 まったくですな。

 まあ、ゲームだった頃のクエストにもそう言ったのはあった様な覚えがありますが、回復職の作りだす聖水とかでどうにか出来ましたぞ。

 最終的には物理でどうにか出来ましたからな。


「確かに悪魔の類は隠す事に関しては有能ではありますが、聖なる言葉や魔法に極端に弱いと言う性質がある手前、弱点さえ突けば正体を表します」

「その弱点を克服している場合は?」


 樹が失礼を承知でと前置きして聞きました。


「……悪魔が暴れるのを見てからでないと難しいでしょうね」

「……なるほど、ありがとうございました。じゃあもしも正体を暴いた場合の話です。憑依している悪魔を安全に引き離す事は簡単でしょうか?」

「それも状況によりますが、聖職者の目を誤魔化せるほどの者となると強力でしょうから難しいかと思います。ハイ」


 中々に難しいですな。

 お義父さんが今度は別のアプローチを始めました。


「じゃあ次の質問です。過去の四聖の伝説などの中で、そう言った敵と戦った話はありますか?」


 おお、ちゃんと聞くのですな。

 実際に可能かどうかの次は伝説から紐解こうとするのですぞ。


「何代か前に消失しかかった資料にあった覚えが……その辺りの物もあの部屋に保管されていると思われます」

「本当……悪意的に資料の消失があるのはきっと波が起こるよりも遥か前からある敵の策略なんじゃないかな?」

「一応、フォーブレイの教会の関係者はその辺りを重く見て厳重に保管してくれていた様ですね」

「……問題は俺達に読めるか、だな」


 預言書の石碑は読めましたが他の石碑はこの世界の文字だったりするので難しいのも多いですぞ。

 もはや古文書と変わりませんな。


「この世界も何だかんだで文字が何度か入れ替わったり、古い文字が突然消失していたりするしね」

「石碑に刻んであるのを破壊するのが難しいと判断したら文化を破壊でもして文字の読みとりを阻害しようとしてるんだろ」

「……昔、小説で読んだ事があるな……疫病か何かで一度、その町の伝承が途絶えて、新しくその町に住んだ人が推測で補完しただったかの話。かなり真実から遠ざかる感じになっちゃってた」

「ちなみにありそうなパターンを尚文さんは想像できます?」

「んー……世界を滅茶苦茶にした暴君とかが称賛した文字とか……使いたい?」


 樹が教皇に視線を向けると頷いておりますぞ。


「ビンゴのようですよ」

「他だと大国が国家統一を宣言して、支配国の文化を全て破壊して数世代統治……過去を抹消させるとか」


 あ、またも教皇が頷きましたぞ。

 と言うか戦争が多いですな。

 これは異世界だからですかな?


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