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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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ダンジョン探索

「いくら僕達が見守っていると言っても、自分の身は自分で守ってくださいね。無謀な突撃は厳禁ですよ」

「わかったなのー!」

「うんー」

「やりますわ!」

「コウもがんばるー」


 ライバルとフィロリアル様達が揃って答えますぞ。

 そうして無難な部隊配置が決められていきます。


「えー……ガエリオンさんはウィンディアさんとペアでがんばってください。フィロリアルさん達はー……」

「俺達のLv上げをしてくれた訳だから経験は十分あるんだよね……」

「別働隊で動いてもらうか、強過ぎて経験をさせ辛いかも知れん」

「難しい問題だね。どっちにしてもイミアちゃん達とは別に行動してもらおうかな?」

「が、がんばります」


 モグラがお義父さんに向けて意志を表示しました。

 色々とお義父さんが難しい班分けを錬達と話し合いしたのですぞ。

 Lvだけが全てではないですからな。

 尚、投擲具の勇者の顔を知る者は町で待機するとの事なので、置いて行きました。


「じゃあ出発しようか」


 最終的に適度に経験をさせながらダンジョンの最下層を目指すそうですぞ。

 ライバルの話では今回挑むダンジョンにはドラゴンが縄張りにしているのを感じ取ったのだとか。

 腕が鳴りますな! 必ずや竜帝を血祭りに上げてやりますぞ。


「仕掛けや罠は俺達が対応するから、魔物の方はエクレールさんを筆頭に、ウィンディアちゃんやイミアちゃん、ガエリオンちゃんが対処してね」

「お義父さん、俺やフィロリアル様はどうするのですかな?」

「サクラちゃん達は元康くんと一緒に偵察かな? 元康くんもあんまり暴れるとダンジョンが崩落するかもしれないから、元康くんが戦うのは厳禁、サクラちゃん達の援護をお願い」

「了解ですぞ! つまり魔法で援護をするのですな?」

「くれぐれも攻撃魔法は使わない様にね。ダンジョン内で火の魔法を放てば酸素は元より、味方も巻き添えになるからね。元康くんの所為でサクラちゃん達が焼き鳥になったら嫌でしょ?」

「か、回復魔法を重点的に使いますぞ!」


 とても恐ろしい助言を受けました!

 絶対に攻撃魔法は使えませんな!

 援護魔法は苦手ですが、練習も兼ねてそちらを使う事にしましょう。


「初心者育成を思い出すな」

「似た様な物だけど、どちらかと言うとギルドやチームの遠征や演習かな? 何だかんだでメンバーの経験をさせたのを思い出すよ」


 お義父さんはこう言った組織だった指揮の経験が豊富だそうですからな。

 若干厳しい所でもそれを経験させる事で、次へのステップを踏ませるのが目的なのでしょうな。


「みんな、魔物と戦う時はちゃんと覚悟を持って挑むんだよ? 間違っても遊び感覚でいたずらに命を奪って良いものじゃない」


 お義父さんの言葉に全員が頷きますぞ。


「ただ強くなりたいが為にいたずらに命を奪えば良い結果にはならない。自分達の戦いの先に何があるのかを忘れるな!」


 錬が前回の周回がウソのような顔で言いましたぞ!

 これは驚きですな!

 前回の錬に見せてやりたいですぞ。


「なんだ元康? 俺がゲーム感覚で最強を目指しているだけだとでも思ったのか?」

「そんな事は思ってないですぞ」

「じゃあなんだ、その顔は」

「錬が前回の周回がウソのような顔で言いましたぞ! これは驚きですな! 前回の錬に見せてやりたいですぞ! と思ったのですぞ」

「……若干イラっと来るが、まあいいだろう」


 錬はそう言った後、すぐに口を開きました。


「お前に真実を教えられるまでは強くなりたいだけだった。だが、今は違う。世界を救うという目的は大き過ぎてよくわからないが、知り合った人達を守るために戦うのは……わかっているつもりだ」


 錬は何やら確信的には答えませんでしたな。

 迷いがある様に見えますぞ。


「ただ強ければ許されるとは……もう思わない」

「まあ、気持ちはわかるよ」

「ですね。僕達は力を合わせて波から世界を守るために、こうして下積みをしているんですよ。後輩と言う訳ではありませんが、皆さん自身が戦って波に挑めるように」

「勇者だけが波と戦える訳じゃないのを、エクレールさん、ウィンディアちゃんやイミアちゃんが実践して見せる事でね」

「ああ、これが俺達の目的だ! 世界のルールが錯覚をさせるが結局は殺し合い……俺の知り合いの戦い方じゃないが、敵意を持って挑んで来た奴とだけ戦ってLvを上げて行く!」


 錬が力強く告げます。


「そんな知り合いが居るんだ?」

「VRゲームでですか?」

「ああ……まさかアイツの方針がここで意味を持つとはな。殺し合いの覚悟が無く相手と戦うのは失礼と今の俺ならわかる」


 錬は若干嫌そうな顔をしたので、お義父さんも樹もそこまで尋ねる様な事はしませんでした。


「じゃあ……ダンジョンを探索して行こうか」

「「「おー!」」」


 俺達はその足でダンジョン内へと進んで行ったのですぞ。

 道中、エクレアを先頭に助手やモグラ、ライバルが魔物と善戦していた様ですな。


 俺達の仕事は奇襲に備えて警戒する事に留まっていました。

 もちろん、俺はフィロリアル様達とマッピングをしてましたがな。

 割と順調にダンジョン内での戦闘も出来ていた様ですぞ。


 狭い通路に始まり、迷路、時々大きな広間、罠のある部屋などいろんな仕掛けが目白押しでした。

 最初の方では時々冒険者と遭遇しましたが、徐々に奥の方へ行くと死体や骨が転がっている時がありましたな。


 魔物に敗北したのなら餌になるのでしょうが、落とし穴等の罠に掛って死んだ死体は腐ってゾンビ化していたりもしますな。

 もちろん、衛生の観点から腐敗臭がする所は俺が魔法で処理しましたぞ。

 なんて感じにみんなで演習とばかりにダンジョンを大分深くまで潜っていきました。


「思ったよりも深いダンジョンのようですね」

「仕掛けも手が込んでいるしな」

「そうだね。罠の再生というか、修理を定期的に魔物がやりに来るみたいだし……」

「ドラゴンが子飼いにしてる手先が器用な魔物にお願いしてるなの」

「ダンジョン運営側とかも、勇者サイドじゃなかったら楽しめそうだよね……ゲームだったらだけどさ」

「この世界で楽しまれてもどうかと思いますよ? 波がある訳ですし、敵は人間ですよ?」

「まあね」


 お義父さん達と小休憩をしている最中ですな。


「とはいえ、大分竜帝の気配が近づいて来たなの」

「ま、ボス戦は俺達が率先してするべきだろうな。みんな経験はしているようだし」

「結構危なかった所があったからね。俺達が守るからと言って無謀な突撃をしたのは何回だったかな?」


 お義父さんがライバルや助手、モグラ辺りを見ますぞ。

 反省とばかりにシュンとしていますな。


「幾ら俺達が見守っていると言っても、防御をかなぐり捨てちゃダメだよ? 危なかったら避けるなり守るなりしなきゃ」

「はい……」

「問題と言えば問題ですね。尚文さんが居れば一方的に相手を攻撃出来てしまうので」


 樹が助け舟として助手達を擁護しますぞ。

 その通り!

 お義父さんの防御力は世界一ですぞ。


「連携に組み込むのは良いとは思うんだけど、防御行動を取らないと言うのは、問題だと思うんだ。俺が居ない時にやられたら死んじゃうって」

「そう、ですよね。僕も忘れがちになりそうで怖いですよ」

「樹は特にな。尚文と一緒の位置にいる事の方が多いし、戦闘での相性が良過ぎる」

「俺が受け止めて樹が射撃出来るもんね」

「しかも尚文さんは仮に誤射しても、大丈夫だろうと言う安心感があります。前衛の鑑ですよ」

「そんな事言われても全然嬉しくないからね? 勘弁してよ。後方から仲間に撃たれて死にました、なんて」


 縁起でもない事をお義父さんは言ってますな。

 樹もそこ等辺は注意してますぞ。

 実際、樹が誤射した所など見た事が無いですからな。


「命中で問題ないだろ。樹の話じゃ俺が前に居るより安心なんだろうし」

「錬さんも根に持ちますね」


 なんて問答をしている間にエクレアが剣の手入れをしております。

 俺はフィロリアル様に付いた汚れを拭っていますぞ。

 何だかんだで泥臭い場所ですからな。


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