ダーティハリー キヴォトス・ハード   作:さんめん軍曹

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こんばんは、さんめん軍曹です!

チュートリアル編、いよいよ大詰めとなりました。
シャーレ奪還まで彼らはどう立ち回るのか…

それではご覧ください!!


Regain control of S.C.H.A,L.E.

 

ここは首都D.U.外郭地区。

とりあえず目の前の不良共を片付けた一行は、敵の小規模な拠点で補給をしつつ新たに合流したジョン・マクレーン刑事へ状況を説明していた。

 

「…という訳で、どうやら俺は連邦捜査部とやらの顧問をやらされる事になっちまったらしい」

「ハッ、そりゃ災難だな。…しかし、連邦生徒会長が行方不明、ねえ…」

 

目の前の男、マクレーン刑事はしばし考える。そんな様子の彼にハリーは声をかけた。

 

「なあ、マクレーン刑事」

「なんだ」

「あんた、行く当てはあるのか?」

「そりゃあ…………ない」

「だろうな。そこで提案なんだが……」

 

ハリーは改めてマクレーンを見る。

 

「これだけ規模のデカい組織を俺だけで束ねるのは、どうも自信が持てなくってね。……よければあんたも一緒に来ないか?」

「そりゃあ結構だが……なんか他に訳があるんじゃないのか?」

 

箱から取り出した手榴弾と発煙弾を眺め、ポケットや拾ったバッグに入れながら彼は質問する。

 

「実のところ……ナカトミビルのニュースはうちの署にも届いててね、マクレーン刑事。あんたなら、俺と組んでも生き残れそうだと思ったからさ」

「……相当恵まれなかったんだな。とりあえず、この先にいるガキ大将を月までブッ飛ばした後でなら考えてやる」

 

マクレーンは拝借したAKS74Uのコッキングレバーを引きながら立ち上がる。

それに連られて、ハリー達も腰を上げた。

その時リンから通信が入る。

 

『この騒ぎを巻き起こした生徒が判明しました』

「ほう。そいつは誰だね」

『ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後矯正局を脱獄した生徒です』

 

リンから渡されたスマホに送られてきた写真を見る。狐の面に赤色のヘイローが特徴的な、日本のキモノを着用している風体だ。

続けてファイルが送られてくるが、ハリーはそれをどう操作したらいいか分からず途方に暮れる。

 

「なんだキャラハン、スマホの操作を知らんのか。ちょっと貸してみろ」

 

マクレーンはハリーからスマホを受け取ると、慣れた手つきで操作していく。

 

『似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気をつけてください』

「どうやらそうらしいな」

「イタズラ少女にはお仕置きしなきゃダメだよな、キャラハン?」

「そうとも」

 

そんなやりとりを交わしつつ、一行がシャーレのビルまで目前に迫った時、異変が起きた。

 

「なんの音だこりゃあ?」

 

マクレーンが辺りを見回す。振動と轟音はこちらへ近づいて来ているようだった。

ハリーはその正体が何なのかを一瞬遅れて思い出す。

 

「まずい、伏せろ!!」

 

全員が伏せた直後、砲弾が彼らの上を通り過ぎ、その横にあったビルのテナントを吹き飛ばした。

 

「ぶぇあっ!?何だぁクソッ!ゲッホ、ゲホッ!!」

「大丈夫ですかマクレーンさん!?」

 

チナツが慌てて駆け寄る。それを見たマクレーンは片手を挙げて無事のサインを示した。

 

「ああ!ホコリ被っただけだ、大した事ァない」

「そういえばさっき、通信で巡航戦車って言ってたけど、これってまさか……」

「……間違いありません。うち(トリニティ)の制式と同型です!」

 

生徒達が気づくのと、道路の先に積み上がった瓦礫の向こうからクルセイダー型戦車が姿を見せるのは同時だった。

 

 

「だあぁぁぁぁ!!!嘘だろおい!!」

 

一度は進んでいた前線も、今や1輌の戦車によって押し返されつつあった。

 

「なんだってガキがあんなモン持ってんだよ!ハルマゲドンかここは!?」

「どうせハッタリだと思ったが、こりゃあとんだ大物だ」

「先生達、大人でしょ!?アレを潰す案を考えてよ!!」

「そうは言ってもな…ん?」

 

遮蔽物に隠れながら繰り広げられる会話。

ユウカにせっつかれて辺りを見回したマクレーンは、とある建物に注目する。

そんな様子のマクレーンを見たハリーが質問する。

 

「何か名案でも?」

「ガキ大将の前に、あのゴジラを銀河の彼方まで吹っ飛ばしてやらァ!!」

 

彼は言い終わらないうちに、鹵獲していたスモークグレネードを全て投げる。

 

「俺が戻ってくるまで、あのキングコングをひきつけておいてくれ!!」

 

そう言うが否や、マクレーンは交差点の角のガソリンスタンドへ一気に駆け出していった。

他方で、ハリーは素早く周囲を確認すると、まだ無事だった1台の乗用車へするりと乗り込んだ。

 

「先生、一体何を!?」

「あの戦車の動きを止める。君達は銃を撃ちまくって、あいつの気を引いてくれ」

 

ハリーはステアリングコラムの後ろ側の配線を弄って短絡させ、エンジンをかける。

 

「これが最初の指示だ」

 

 

スモークで敵の目を誤魔化しながら、なんとかスタンドへ入ったマクレーン。そのまま給油所を横切って事務所へ入るなり、カウンターに置いてあったダクトテープと近くに転がっていたポリタンクをひったくって、レーンへ戻る。

 

「ええと……しまった、金がねえ!」

 

辿り着いたはいいものの、この世界はおろかアメリカの通貨すら持っていなかった。代わりに、持っていたベレッタの握把を機械に叩きつける。

 

「頼む動けッ、動いてくれよッ!」

 

何度か叩きつけたのが功を奏したのか、壊れた機械から給油開始のアナウンスが流れた。

 

「助かったぜ!ハイオク満タンだ、お代はあのSUKEBAN共につけといてくれ!!」

 

そう言って3色の中から赤いノズルをポリタンクに突っ込み、ガソリンを補給していく。

そしてバッグから手榴弾をいくつか取り出すと、ダクトテープでグルグル巻きに貼り付けた。

 

「よぉーし見てろ、独立記念日もびっくりのドでけえ花火を打ち上げてやる」

 

 

大人達が行動している間、生徒達は撃っては移動を繰り返していた。いくらクルセイダー型の巡航戦車でも、スモークの中で動き回る人間を見つけるのは容易ではないようだ。

 

「くっ……」

「先生達は何してるの!?」

「このままではいずれスモークが切れて……」

「先生、早く……!」

 

4人の願いとは裏腹に、薬剤の容量が無くなった煙は晴れていく。

その時。

激しいスキール音と共に1台の車が全速力で戦車の角にぶつかって来た。

相手の動きが止まる。

 

「先生!」

「衝突試験は合格だ」

 

車から出て来たハリーは襟を正す。

すると、間髪を入れずにマクレーンの叫び声が聞こえて来た。

 

「おい!早くそこから離れろ!!」

 

1人の刑事が、赤いポリタンクを持ってこちらへ走って来ている。彼がこれから何をしようとしているのか、すぐに察知したハリーは生徒達に声を飛ばす。

 

「さあ行け、向こうへ走るんだ!」

 

ハリー以下生徒達は物陰へと退避し、マクレーンは戦車へ突進する。

 

「がああああクソッ!なんて重てえんだこのタンク!!」

 

片手で戦車に向かって9mm弾を浴びせれば、砲塔がこちらへと動き始める。

今しかない。そう思ったマクレーンは貼り付けていた手榴弾のピンを全て引っこ抜いた。

 

「おいそこのガメラ!給油のお時間だぜ!……いぎぎぎがががぁーーーっ!!!」

 

そのままの勢いで大きく振りかぶり、ポリタンクを投げる。そして転ぶ。

ガソリンいっぱいのポリタンクは少しの弧を描いて飛んでいくと、彼が狙った通り後部の排気口に着地した。

 

「おお痛え……やったぜ狙い通りの場所だ!……っていけねえや!!」

 

マクレーンが慌てて起き上がり、今来た方へ折り返そうとしたその時。

点火された手榴弾の信管が炸薬へと到達し、ガソリンに引火させながら大爆発を起こした。

そしてハリーが衝突させた車も誘爆し、ジョンも爆風で吹っ飛ぶ。

 

「お"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ーーーーーーッッッッ!!!!!」

 

バランスを崩して地面へとダイヴし、そのまま何メートルか引き摺られていく。

まさに先ほどの発言を有言実行したマクレーンが起き上がると、目の前には巡航戦車だったものが後部から激しく炎を吹き上げていた。

 

「いでででで…何で俺ばっかりこんな目に…チクショウ…」

「大丈夫かジョン」

 

ハリーがマクレーンへ手を伸ばす。

そしてがっしりと手を取り、彼は立ち上がった。

 

「ああ、おかげさんで…。ハッ。イピカイエ、ざまあみろ」

「その言葉、妙に親近感が湧くね」

「ハリーもロイ・ロジャースが好きなのかい」

「いいや、どちらかと言うと夕陽のガンマンさ」

「クリント・イーストウッドか!そういやあおたく、あの俳優にそっくりだなぁ」

「他人の空似だろう。そう言うあんただって、ブルース・ウィリスに瓜二つだ」

「へっ。よく言われるぜ」

 

軽口を叩き、何事もなかったかのように平然としている2人の大人を見たユウカ達4人は、その規格外っぷりにただ閉口するばかりであった。

 

 

『さあ皆さん、シャーレ奪還まであと一息です』

「先生、何してるんですか?」

「危ないですよ!」

 

リンの掛け声をよそに、ハリーはまだ燃え盛る戦車のボディを登り始めたので、スズミとチナツが止めに入る。

 

「気になる事は足で稼ぐ主義なんでね」

 

と言って、彼は気にも留めずに爆発から免れた所を調べていく。

ハッチを開ければ目を回したスケバン達がおり、改めてキヴォトス人の頑丈さを目の当たりにした。

 

「やれやれ。ヘイローとは素晴らしいもんだな」

「おいハリー!こっちに来てくれ」

 

同じく戦車を調べていたジョンから呼ばれ、彼の元へと近づく。

 

「どうしたジョン」

「これ見てみろ」

 

ジョンが親指で砲塔の残骸を示す。

すると、燃え残った文字がなんとか読めるではないか。

 

「なるほど。カイザー、P……なんて読むんだ?」

「PMCだ。さっき爆破する前に見た。……未成年にこんな物騒なモン与えるなんざロクな組織じゃねえな」

「ああ。流出の線も考えられるがな。どちらにせよ、覚えておいて損はないだろう」

 

2人はひととおり調査を終え生徒達の元へ戻ると、ハリーが声をかける。

 

「待たせてすまん。それじゃ行くとするか」

「なんと言うかお2人は……」

「ヴァルキューレも見習ってほしいよね」

 

スズミとユウカは感動した様子で呟く。

 

「なんだそりゃ?クラシックか?」

「いいえ。このキヴォトスにも警察学校はあるんです」

「警察だと?こんなに街がメチャクチャになってんのに、顔ひとつ見せねえとはなんて体たらくだよ」

 

マクレーンはあまりといえばあまりの事実に憤慨した。ハリーも同じ心境のようだ。

ここはひとつ、機会を作って組織を鍛え直さなければと彼は思うのだった。

 

 

「うーん……これが一体何なのか、全く分かりませんね。これでは壊そうにも……」

 

シャーレの地下。地上が大騒ぎしている間にうまいこと侵入に成功した、件の生徒・ワカモは目標物を発見するが、どこを弄ってもうんともすんとも言わないので途方に暮れていた。

もう一度観察を試みるが、近づいてきた足音に気付き作業を中断した。

 

「……あら?」

「連邦捜査部だ。そいつを置いて、両手を頭の後ろに当てて膝をつけ」

 

暗闇からハリーが現れる。そして、その手に握られた.44マグナムの銃口はしっかりとワカモを捉えていた。

 

「あら、あららら……」

「考えてる暇はない。弁護士を呼ぶか?モタモタしてるとどうなっても知らんぞ」

「…………」

 

2人は見つめ合う。ほんの数秒間ではあるが、ハリーはワカモを観察した。

特に目についたのは、手にしている小銃だ。

あのくそったれ無差別殺人鬼(スコルピオ)もそうだったが、どうして日本製のライフルを使いたがるのか。

暫くじっと見ていると、仮面の向こうの視線が逸れた気がした。

 

その時。

 

壁の上方に取り付けられていた通風口の蓋が蹴破られ、中からマクレーンが銃をブッ放しながら飛び降りてくる。その照準は正確にワカモのライフルを狙っており、見事彼女の手から弾き飛ばしたのである。

 

「ああ参ったね。どうして俺はどこでも通風口を這ってかなくちゃならないんだろうな?さあお嬢さん、これで2対1だ。今すぐ投降しな。さもなきゃ鉛の弾をプレゼントするぜ!」

「ぷ、プレゼント、ですの……?」

「鉛か腕輪か、好きな方を選びな」

 

ハリーもワカモへ選択肢を与えてやりながら、M29の撃鉄を起こした。

ヘイローを持たない大人なぞ、あっさりと倒せる。しかし彼女は不思議とその気にならず、それどころか身体中が熱を帯びていくのを感じていた。それは、破壊がもたらす快感とはまた別の物であった。

 

「ゆ、ゆびわ……あ、ああ…………し、し……」

 

「腕輪だよ腕輪!手錠の事だ!!言っとくが黙秘権もあるんだぞ。喋ればその分だけ不利にな…」

「失礼致しましたーーーーーっ!!」

 

マクレーンが言い終わらぬうちに目の前の指定手配犯の少女が叫んだかと思えば、目にも止まらぬ速さでライフルを拾い走り去ってしまった。

これには流石のハリーもマクレーンも対処出来ず、彼女が消えていった暗闇を呆然と見つめるだけであった。

 

「何だったんだありゃあ……」

「さあてなんだか……」

「先生、お待たせしました。……何かありましたか?」

「いいや、何でもないさ」

「……そうですか。ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」

 

リンはそう言いながら、白いタブレットを手に取る。どうやら傷などはついていないようだ。彼女は続いて、そのタブレットをハリーに差し出した。

 

「受け取ってください」

「これも現代の電話かい?それにしちゃあ、さっき君がくれたのよりでっかいと思うが」

「これが、連邦生徒会長が先生に残した物。【シッテムの箱】です」

 

ハリーは受け取る。リンの解説によれば、製造元やソフト等、全てが謎に包まれているのだとか。

そして、その所有権はハリーにあり、彼にしか操作出来ないが、タワーの制御権を回復させられるらしい。

 

「なあジョン。電源はどうやって……」

「ああここのボタンだ。ここを長押しすると……」

 

瞬間、2人は白い光に包まれる。

 

「な、なあおい。こいつはハリーしか操作できないんじゃなかったのか?!」

「理由はわからんが、2人で操作したことになってるんだろう」

 

・・・パスワードを入力してください・・・

 

彼らの頭の中に機械音声が響く。

 

「わあっ!?なんだ、どっから聞こえてくるんだおい……」

 

ハリーは目を瞑り、自然と脳裏に浮かんだ言葉を呟いた。

 

「我々は望む、七つの嘆きを…」

「なんだそりゃ、呪文か?」

「ジョン。あんたもこの続きを呟いてみろ」

「あぁ続きだと?……えーと、我々は覚えている、ジェリコの古則を……」

 

『接続者確認。……シッテムの箱へようこそ、ハリー・キャラハン先生、ジョン・マクレーン先生』

「ちょっと待て、先生って俺もかよ!?」

『生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.A.に変換します』

 

そして、真っ白だった空間に段々と色がつく。

少し待ってみると、壁が半壊した、海の望める学校の教室と、机に突っ伏して寝ている少女が目に入った。

 

「Zzz……むにゃあ……」

 

ハリーとマクレーンは顔を見合わせると、微笑みを浮かべながら寝ている小さな女の子へ近づいていった。

 

「カステラにはぁ……いちごミルクよりぃ、バナナミルクのほうがぁ……Zzz」

「なんの夢だいったい……」

「さっぱりわからんが、ロス市警の親友を思い出した。アイツはドーナツが好きでな」

「俺は甘い物よりホットドッグだ。バーガーでもいい」

 

ハリーは彼女の肩を揺さぶる。

 

「起きろお嬢さん。ミルクに溺れる前に」

「えへっ。まだたくさんありますよぉ……」

 

次にマクレーンが、彼女の両頬を指で挟む。

 

「俺、ニホンのコミックでこんな顔してるの見たことあるぜ。確か、アッチョンブリブリとかなんとか」

「うにゅ……ふみ?」

 

少女はやっと目覚めたようだ。

 

「ふみぃ……んへ?」

「ようかわい子ちゃん。糖分は程々にな」

「へ……?あ、あれ、あれれ?」

 

スーツを着込んだ長身の男と、喋りかけてきたツルツルのスキンヘッドにタンクトップ姿の初老の男性を見た少女の意識は、次第に覚醒していった。

 

「せ、先生!?こ、この空間に入ってきたという事は……ハリー先生に、ジョン先生……?!」

「ああ、そうだ」

 

途端にわたわたとし始める少女。とりあえず彼女を落ち着かせ、名前を聞いた。

彼女の名前はアロナ。それ以降はハリーにはよく分からない単語の連続だったが、秘書というところだけは聞き取れた。

マクレーン曰く、"この端末の中にいる、俺たち専属の何でも屋さん"だそうだ。

 

「やっと会う事が出来ました!私はここで、先生をずっと、ずーーっと待っていました!」

「そんなに待ち侘びてたなら、カステラでも持ってくりゃあ良かったか?」

「そいつァいい。俺はバナナミルクのラージサイズだな」

「あ、あうぅ……も、もちろんたまに居眠りしたりしたこともあるけど……」

「常習者は決まって"たまに"と言うのさ」

 

ハリーが茶化すと、アロナはしなしなと萎縮してしまっていた。

見かねたマクレーンがフォローを入れ、何とか気を取り直すと今度は生体認証を要求される。

 

「どうすればいい?」

「少し恥ずかしいですが……さあ、この私の指に、先生達の指を当ててください」

 

そう言って、アロナはピースのようなサインをする。

言われた通り、ハリーは右、マクレーンは左の人差し指を彼女の中指と人差し指に当てた。

 

「まるで指切りするみたいでしょう?」

「そういやあ宇宙人とこんな事する映画があったよな?ハリー」

「あれは1対1だ」

「実は、これで生体情報の指紋を確認するんです!」

 

目が良いのですぐ終わる、と誇らしげに言ったアロナだったが、10秒、20秒と経過するうちに眉間に皺が寄ってきていた。

 

「なあジョン。あれ大丈夫なのか?」

「奇遇だなハリー。俺も同じ事を考えてた」

「確認できました!これで良いでしょう」

「「ほんとか?」」

 

とりあえず、アロナにこれまでの事情を話す。

彼女によれば、連邦生徒会長については残念ながらあまり知らないが、サンクトゥムタワーの制御権は回復できるとのことだった。

その作業が終わるまで、数秒とかからなかった。

 

「今、サンクトゥムタワーは、私アロナの統制下にあります。今のキヴォトスは、先生の支配下にあるも同然です!」

 

なにやら誇らしげなアロナ。だが、大人たち2人は反対に渋い顔をしていた。

 

「うちの本部長なら喜びそうだがね。早いとこ連邦生徒会に返してやってくれないか」

「ジョン先生は?」

「ああ承認するさ。俺たちが持ってたってロクな事になりゃしない」

「わかりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

「ありがとさん。それじゃあ俺たちは戻るぜ」

「これからよろしくアロナ」

 

2人はアロナに背を向け、教室のドアを潜り抜けていった。

 

 

「はい。わかりました」

 

リンの声で2人は我に返る。

 

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました」

「そいつはよかった」

「これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね」

 

彼女がほっと安堵した様子を見せると、ハリーもジョンも肩の力を抜いた。

 

「お疲れ様でした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

「俺たちは仕事をしただけさ」

「まあ何はともあれ、良かったじゃねえか」

「マクレーンさん……いえ、マクレーン先生もお力添えいただき、本当にありがとうございます」

「まあなんだ、シッテムの箱に入れたとなりゃ、俺も先生だって言われてるようなもんだしな。こんな右も左も分からんとこでウロウロしてるよりか、ハリーと仕事してた方がマシさ」

 

とりあえず、このビルを攻撃してきたゴロツキ共は追跡・討伐するとの事だ。

そして、彼女は2人にシャーレを案内すべく、先頭に立って歩くのだった。





いかがでしたか?
これにてチュートリアル編「THE VIGILANTE」終了です!
走る・叫ぶ・暴れ回る2人を書くことができて非常に楽しかったですw

さて、冒頭で申し述べた通り、メインとして執筆している「暁のスイーパー〜もっこり提督と艦娘たち〜」と並行しての執筆となりますので、次回の投稿まで多少お時間をいただくかもしれません。非常に恐縮ですが、お待ちいただければ幸いでございます。
最後に、感想・評価・ここすき等が筆者の励みとなります!よろしければちょちょっとやっていただければと思います。
それでは次回、アビドス編でお会いしましょう!
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