カンパニー社員の俺は仮面の愚者に人生台無しにされる   作:塊ロック

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Ver3.5までようやく追い付きました。
あと2バージョンで終わるのこれ……?


第6話

 

「おっきな会社だから、もっと派手な仕事してるかと思ったなー」

 

日もすっかり暮れた。

俺と花火ちゃんはかなり遅い時間にオフィスに帰ってきていた。

 

「日常は有り触れたことの積み重ね。派手な仕事をするのは上の連中ばっかさ」

「お兄さん、途中で遭遇した宇宙海賊一人でボコボコにしてたじゃん」

「あの程度の装備に人員、多少心得があればなんてこと無いさ。それに……」

 

指を鳴らす。

事務机の上に乗ってた綺麗な石が跳ね、俺の手の中に収まった。

 

「俺の力は並の火器じゃ貫けない強固な防壁を作り出せる……岩石(コイツ)でな」

「後半は能力云々より拳で解決してなかった……?」

「ぶん殴れば黙る。終わり」

「思ってたより脳筋だよねお兄さん……」

 

コーヒーを淹れて、花火ちゃんをちらっと見る。

 

「飲む?コーヒーだけど」

「ミルクと砂糖ってあります〜?」

 

店を漁る。

一応残ってたか。

 

「はい。熱いから気を付けてね」

「ありがとうございまーす」

「俺に付けって言われたけど普通に残業なんだよなこれ……全く何考えてるんだか。花火ちゃん、家族の方は?迎えとか……」

「あ、大丈夫です。家族は居ないので」

「………………ごめん」

「あはは。気にしないでください」

 

何となく気まずくなってしまった。

 

「帰ろうか。送っていくよ」

「え?でもお兄さん仕事がまだ残ってるんじゃ」

「え?ああ……どうせまた戻って来るし」

「帰らないじゃん……」

「でも君はまだ社員じゃないからこれ以上拘束するわけにもいかなくてね」

「スターピースカンパニーってブラックって聞いてるけど」

「そらね……。君はまだ学生なんだから……ん?なんでそれ知って来たんだ?」

「えー?お兄さんに会いに来た……とか?」

「信頼性の低い話だ」

「あー!信じてないでしょ」

「そりゃそうさ。そんな理由でスターピースカンパニーの門叩く奴なんてそうそう居ない」

「……故郷を買い戻すため、とか?」

「………………」

 

世間話の延長線みたいなノリで発せられた言葉。

……俺は、コーヒーを飲んでいた手を止めてしまった。

 

「……何故?」

「あ、もしかして当たり?」

「なんだ……当てずっぽうか」

「花火の勘は当たるんだよ〜?」

「ああ、怖いくらいな……」

「あはは!じゃあ当たったんだ!」

「………………」

「やーん、そんな怖い顔しないで?ね?」

 

ため息を吐き、このあとどう発言するか迷う。

 

(………………)

 

黙っていた所で……事態は一切良くならない。

 

「まぁ……俺の故郷は、カンパニーに莫大な借金をしてたんだ」

「うんうん、よくある話だね」

「…………」

「ごめんってば~~続けて?」

 

茶々入れしてくる花火ちゃんにジト目で返してしまった。

 

「で、住民皆が無理な出稼ぎに行ってな……誰も残らなかったんだ」

「俺がここに就職した後の話かな……一人がたまたま戻ったんだ。そしたらすっかりカンパニーの施設が立ち並んでてな……」

「それ、どうにかなるの?」

「……見通しが分からないけど。俺の一族がカンパニーと契約を交わしたんだ……」

「契約?」

「傘下に入ること」

「ああ……」

「お陰で俺以外の一族は安くこき使われてる。全員警備部門でな」

「うわぁ……」

「ま、そんなわけで一番稼ぎが良い俺が一族の希望って事になってる」

「そうだったんだぁ……」

 

珈琲を啜る。

すっかり冷めてしまった。

 

「なんで会って1日の君にそんな話してるんだか……」

「えー?初めてだと思う?」

「……え?」

「あの雨の日……花火の事、見てたでしょ」

 

あの雨の日。

雨の中で踊る少女。

彼女は、やっぱり花火ちゃんだったのか。

 

「……あれは、君だったのか」

「そうだよー?」

「風邪とか引かなかったかい?」

「気にするとこそこなの?」

「女の子が体冷やしちゃいけないよ」

「はーい」

「さて、じゃあ帰ろうか」

「花火のこと、聞かないの?」

「君とはこのインターンの期間だけの付き合いだ。それに、履歴書の情報だけで世の中判断されるし」

「ふーん?」

「さ、帰ろうか。戸締りするから行こうか」

「はーい」

 

……しかし。

 

あの時、「会っていた」ではなく「見ていた」と言ったのは……何故なのだろうか。

 

 

 




光円錐とか星魂も考えた方が良いのだろうか。
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