経済・社会

2019.06.15 09:00

海にゴミを捨てまくる「豪華クルーズ船」企業の呆れた実態

George Rose / Getty Images

George Rose / Getty Images

世界最大のクルーズ客船の運営会社「カーニバル・コーポレーション」が、バハマ海にプラスチックごみなどを不法投棄していたことを認めた。同社傘下の「プリンセス・クルーズ」は不法投棄や環境破壊に対する罰金として、2000万ドルを支払うことに合意した。
 
米国のパトリシア・セイツ裁判官はカーニバル・コーポレーションが長年に渡り、ごみを海に不法投棄していたことに関し、強い憤りを表明した。同社は残飯やプラスチックごみをバハマ海に捨てており、観光保護団体や顧客らは罰金の額が少なすぎると不満を述べている。
 
2000万ドルという額はカーニバル・コーポレーションの2018年の売上、188億ドル(約2兆円)のわずか0.1%程度の金額だ。同社は排出するごみの量を正確に計測しておらず、乗務員らに査察を受けた際に備え、虚偽の報告書を提出させていた罪にも問われた。
 
カーニバル・コーポレーションと傘下の企業らは、プラスチックだけでなく石油も含む様々なごみを長年、海に不法投棄してきた。2017年にカーニバル傘下のプリンセス・クルーズは豪華客船「カリビアン・プリンセス」から、石油を不法投棄し国際的な隠蔽工作を行ったとして有罪判決を受けていた。
 
その際の罰金4000万ドルも、カーニバル・コーポレーションが2017年に生み出した売上、175億ドルの0.2%程度でしかなかった。
 
今回の裁判所の決定により、カーニバルは新たな査察の受け入れを要求され、環境面でのコンプライアンスの遵守や、使い捨てプラスチックの使用量の削減を求められる。この条件を破った場合、1日あたり100万ドルから1000万ドルの追加の罰金が科されることになる。
 
セイツ裁判官はもしも同社が今後も態度を改めない場合は、カーニバルのクルーズ船を米国の港から締め出すと宣告した。
 
「当社は今後、環境保護に全力を尽くし、我々が暮らし、働き、旅をする海の環境を守っていくことを誓う」とカーニバルの代表者はメディアの取材に応えた。

編集=上田裕資

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テクノロジー

2019.03.21 07:30

米空港で進む、乗客全員の「顔認証システム」の恐ろしさ

metamorworks / Shutterstock.com

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米トランプ大統領は3月6日、2021年までに全米トップ20の空港において顔認証システムを導入するという大統領令を出した。全ての国際便の乗客が対象となり、米国市民も含まれる。顔認証システムを導入する目的は、「米国への入国が認められた外国人によるテロ行為から国家を守るため」だという。

しかし、バズフィードによると、米国国土安全保障省は顔認証システムの導入を急ぐあまり、システムの精査や規制面のセーフガードが疎かになっているという。プライバシー擁護派は、国土安全保障省の取り組みは法に反するとして反発を強めている。

バズフィードは、「電子プライバシー情報センター(Electronic Privacy Information Center)」からプロジェクトに関する346ページの資料を入手した。税関・国境警備局が「生体認証出入国管理システム」を構築した場合、1週間当たり1万6300便の乗客に対して顔認証を実施することになる。

資料によると、提携航空会社が顔認証システムのデータを使用する上での制限は何も設けられていないという。税関・国境警備局の広報担当者は、バズフィードに対して次のように述べている。

「我々は、安全面の課題を解決しながら、旅行客の利便性向上に努めている。空港や航空会社と提携することで、信頼性が高く、迅速に動くスタンドアローンなシステムを提供することができる」

イノベーションと利便性向上は、多くの場合安全性を犠牲に達成されることが多く、今回はその典型的な事例になる可能性がある。本来、税関・国境警備局は生体認証システムの導入に先立って国民の意見を聴取する必要があるが、バズフィードが入手した資料によると、今回は行われていないという。

誤って「犯罪者」と判定される可能性も

ここで問題となるのは、まず、顔認証技術の精度に課題があり、大量の旅行客を対象に使用する水準に達していない可能性だ。One Identity でディレクターを務めるPatrick Hunterによると、顔認証システムは誤検出が多く、「乗客が誤って犯罪者だと特定されてしまうリスクがある」と指摘する。

プライバシー保護も大きな問題だ。先月、中国で顔認証システムを手掛ける企業のデータベースから、250万人分のデータが漏洩したことが明らかになった。「提携企業が国際法を犯していないか、誰が確認するのか。生体認証のデータベースは、ユーザーネームやパスワードよりはるかに貴重な情報を含んでおり、洗練されたなりすまし犯罪に使われかねない」とHunterは話す。
次ページ > データの乱用を防げるか

編集=上田裕資

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