100年を超える歴史上初めての女性トップという思い切った人事で、新たなスタートを切った共産党。その独特の組織文化はしばしば論争の的になるが、田村智子・新委員長の下で何かが変わるのか。「日本共産党—『革命』を夢見た100年」の著書がある中北浩爾・中央大教授(政治学)に聞いた。
◆トップ交代 「田村氏が独自に判断できる余地は小さい」
—20年以上にわたり党を率いた志位和夫氏が退き、田村智子氏が新たな委員長に就いた。
共産党は近年、ジェンダー平等を推進し、議員や党幹部に女性を増やしてきた。その一環として高く評価する。しかし、委員長交代の内実は乏しい。国会やテレビ出演などの表向きは田村氏が担う一方で、議長に就いた志位氏が党運営全般について引き続き中心を担う。共産党は集団指導体制の下、長老支配の傾向が強く、田村氏が独自に判断できる余地は小さい。
—刷新人事で局面打開を図った党の現状は。
1960〜70年代は時代とマッチして躍進したが、80年代以降は党員数、機関紙「しんぶん赤旗」の購読者数、国会の議席数などで後退が続く。90年代後半の議席の増加は社会党が、2010年代前半の躍進は民主党がしぼんだ分を吸収したことが大きく、一時的でしかなかった。今年1月の党大会に向けて党員数と「赤旗」の購読者数を3割増しにする目標を掲げたが、現状維持もできなかった。なのに科学的な総括はなされず、精神論で増やせと号令するだけだ。
◆党勢低迷と組織体質 「党内にも権力制約原理を導入すべきだ」
—党低迷の背景は。
ソ連が崩壊し、共産主義が魅力を失ったことが最大の理由だ。共産党はロシア革命を受けて結成された政党。日本共産党が自主独立路線に転換していたとはいえ、かつての総本山が既に崩壊していることや、中国や北朝鮮の兄弟党の現状を見れば、共産主義に未来があるとは思えないだろう。イタリア共産党は民主党に変わり、フランス共産党は共産党のまま衰退した。日本共産党も青年組織の民青同盟のメンバー数がソ連崩壊後に激減し、党員の高齢化が著しい。
もう一つの衰退の理由は、昔ながらの「民主集中制」という組織原則の堅持。革命のため統一的な力が必要だとして、トップダウンで派閥・分派を認めない。しかし、欧州の急進左派の主流は今や共産党ではなく、ドイツ左翼党や「不服従のフランス」など開かれた党組織を持つ民主的社会主義政党だ。
—志位体制下の昨年、党改革を訴えた古参党員を除名し「強権的」との批判を浴びた。1月の党大会では、除名に異論を唱えた地方議員を田村氏が糾弾する場面もあった。
昨年の2党員の除名処分は、従来の体質が変わらないことを示した。先の党大会では、控えめに問題提起した神奈川県議を大勢の代議員の前でつるし上げ、人格攻撃を加えた。中央委員会総会で議論した結果を田村氏が読み上げた...
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