読売新聞と毎日新聞、愛知県蒲郡市を提訴 著作権侵害で
読売新聞グループ本社と毎日新聞社は6日、新聞記事の無断利用で著作権を侵害されたとして、愛知県蒲郡市をそれぞれ東京地裁に提訴したと発表した。市職員らが閲覧できるイントラネット上に市が許諾を得ず記事を掲載したとして損害賠償を求めた。
両社によると、蒲郡市は2012年から24年にかけ、新聞記事を画像データとして複製し、イントラネットで共有していた。記事は職員らが使う端末機器で閲覧でき、両社は著作権法が保護する複製権と公衆送信権を侵害されたと主張している。
読売新聞グループ本社は849件の記事が無断利用されたとして、記事利用料相当額を含む約6100万円の損害賠償を請求した。毎日新聞社は980件の無断利用があったとして約2200万円の支払いを求めた。
記事の無断利用は24年7月に内部通報で発覚した。両社は利用実態を照会したが、市は応じなかったという。
読売新聞グループ本社広報部の話 蒲郡市による記事の無断利用や責任を否定する対応を看過できないことから提訴した。
毎日新聞社社長室広報ユニットの話 新聞社にとって記事は最も重要なコンテンツであり、貴重な知的財産だ。行政機関が著作権を侵害していた行為は極めて遺憾だ。
愛知県蒲郡市の話 訴状が届いていないためコメントできない。
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