小田原市立病院などでコロナ交付金を過大受給 会計検査院が指摘
【神奈川】会計検査院が5日に公表した決算検査報告で、県内2病院で交付金計約3億1196万円の過大受給が見つかった。国は県を通じて病院側に返還を求める。
報告書などによると、過大受給があったのは新型コロナウイルス感染者らの病床確保を支援した厚生労働省の「緊急包括支援交付金」。病床数などに応じて医療機関に支払っていたが、神奈川、山口両県と大阪府で過大受給が見つかった。
県内では、小田原市立病院と横浜市泉区の湘南泉病院(現在は休止し、ゆめが丘総合病院に病院機能を移転)の2病院。約3億418万円が小田原市立病院分で、約778万円が湘南泉病院だった。県は、病院からの実績報告書の確認が不十分だったとしている。
小田原市立病院は6日、過大分を国に返還すると発表した。来年の3月定例市議会に補正予算案を提出するとしている。
同病院によると、過大受給とされたのはコロナ診療を巡る2020年度の病床確保料。20年8月にコロナ専門病棟を設置したが、その後も一般病棟にコロナ患者用の病床を確保していたとして、交付金を原資とする補助金を県に申請。この分が過大と判断された。
同病院の担当者は「当時は実際に一般病棟でも患者を受け入れており、基準が明確ではない中、現場の実績にあわせて確保病床数を算出した。検査院の決定は受け入れるが、その判断には納得がいかない」としている。
検査報告でほかに県が指摘を受けたのは、コロナ禍で自治体の経済対策を国が支援した、総務省の「地方創生臨時交付金」。23年度分の申請において、物価高などの影響で光熱費が高騰したとして交付金を申請したが、約9179万円が「不当」と認定された。
実際に高騰した分ではなく、締め切りに合わせるため見込み額で申請したという。この交付金を巡っては、相模原市で約587万円、鎌倉市で約406万円が「不当」とされた。県の審査でも見抜けなかったという。
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