秘密機関が開発したウイルス兵器「ペスト感染ノミ(PX)」!中国を恐怖に陥れた細菌爆弾と731部隊とは
旧日本陸軍が創設した秘密機関「731部隊」を描いた中国映画「731」をご存知でしょうか。
もともと映画の公開は2025年7月31日を予定されていましたが、突然の延期が発表され話題となりました(2025年8月4日時点の情報によると、映画の公開は2025年9月18日を予定しているとのこと)。
今回は、そんな映画「731」の題材となった日本の秘密機関「731部隊」についてみていきましょう。
※本記事の内容は様々な方に魅力を感じていただけるよう、筆者が足を運んだ歴史スポットとともに史実を大筋にした「諸説あり・省略あり」でお届けしています。
731部隊と細菌兵器
731部隊は、満州国(かつて日本が占領した中国領土)を拠点にした旧日本陸軍の研究機関。1936年-1945年まで、中国人捕虜を「丸太」や「猿」と命名し、ペスト菌・コレラ菌に感染させてデータを記録する人体実験を行いました。
この人体実験の末に誕生したのが、通称「細菌爆弾」と恐れられるウイルス兵器。正式名称を「ペスト感染ノミ(PX)」といい、1940年6月4日から中国西北部に実験散布されました。結果、一次感染で約20人、二次感染で約3000人が死亡しました。
実験散布の効果を確認した731部隊は、PXの増産を開始。満洲国を拠点に、中国南部も支配下に置くことが目的でした。
そして、1940年10月27日。日本軍航空機が日中親善を記したビラと一緒にPXを付着させた麦を大量投下したのです。
数日後、ペスト菌の感染者が続出し、地元の医療機関はパンク。医師がクラスターを宣言し、ペスト菌の汚染区域に指定された一帯には地元住民の出入りを規制する隔離壁が施されました。
しかし、隔離されたことによる恐怖からかパニックを起こした地元住民が脱走を企てます。
脱走者は四方八方に霧散し、彼らが避難した先では新たな感染者が発生。中国政府は感染者の流出を制限できなくなり、中国全土でペストが大流行してしまうのです。
この事件は、実際に731部隊が関与したことで知られています。
しかし、のちのソ連侵攻により、満州国が解体され日本軍は中国から撤退。人体実験に関与した当事者たちは責任感から終戦した後も後悔を背負って生きたといわれています。
戦争はどちらの陣営に立つかで被害者と加害者が異なることも多いですが、実際は戦争に関わった当事者全員が被害者なのかもしれません。
広島県は第二次世界大戦で世界初の原子力爆弾を投下された地域でもあり、県内には当時の負の遺産として「原爆ドーム」などが保全されています。このほか、同県福山市にある「福山自動車時計博物館」には、戦時中の資料が多数展示されているため気になった方は足を運んでみてください。