「身を切る改革」を掲げる維新がコレ? 藤田文武共同代表の釈明会見でまた出した「非を認めない」党の体質

2025年11月5日 06時00分 会員限定記事
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 ビラの印刷などを巡り、秘書が代表を務める会社への発注が報じられた日本維新の会の藤田文武共同代表。「還流」疑惑の釈明に動いた藤田氏は違法性を否定した一方、誤解払拭のために今後、発注先を変えるという。率先して襟を正したようにも映るが、初動対応などを踏まえても「潔い」と言えるのか。(佐藤裕介、太田理英子)

◆「今後は当該企業には発注しない」だけ?

 「(秘書側の企業への発注は)誤解や疑念を招くというご批判は真摯(しんし)に受けたい。今後は当該企業には発注しない」。4日に会見した藤田氏はそう口にした。

公設秘書が代表を務める会社への支出について話す日本維新の会の藤田共同代表=4日、国会で(佐藤哲紀撮影)

 今回の一件は共産党機関紙「しんぶん赤旗」日曜版が報道。藤田氏側が2017年6月〜24年11月、公設秘書側の会社に約2000万円を支出したなどと伝えた。
 先月29日に電子版が配信されると、藤田氏は翌30日にX(旧Twitter)で「実態のある正当な取引」と違法性を否定。今月2日にはYouTubeチャンネルで動画を配信し、「公設秘書は兼業届を提出している」「仕事の質、スピードともに信用できる」と釈明した一方、「今後の政治活動では、当該企業への発注は一切行わない」とした。

◆「身内」を使う政治家…「規制が必要では」

 こうした対応を「潔い」と捉えるべきか。

「しんぶん赤旗の記事について」と題した動画の中で釈明する藤田文武氏(自身のYouTubeチャンネルより)

 政治家が身内に資金を流す行為はかねて批判されてきた。例えば、岸田政権下の寺田稔総務相や秋葉賢也復興相。議員の政治団体の事務所賃料を親族に支払う利益誘導の構図が問題視された。他にも不祥事が重なり、両者は更迭された。
 かたや岐阜県議会では昨年6月、県議本人や生計が同じ親族が代表などを務める会社の所有物件を議員の事務所として借りた場合、政務活動費を事務所費に充てられないとする規定を県議会の運用指針に記した。

2022年、「政治とカネ」をめぐり、岸田文雄首相(当時)に更迭された寺田総務相(左)と秋葉賢也復興相

 そんな中で報じられた藤田氏の一件。国会議員の秘書経験がある「国民投票総研」の南部義典代表は「(大規模なビラの発注などは)単価が大きく、利益の出やすい『おいしい仕事』。秘書側にそうした発注をするのは道義的にも問題がある。何らかの規制が必要ではないか」と説く。

◆藤田氏の初動対応も議論を呼んで

 藤田氏の初動対応にも批判の声が上がる。先月30日のXの投稿では、赤旗の報道に対して「悪意のある税金環流のような恣意(しい)的な記事」「赤旗は公平性を重視するような報道機関では無く、共産党のプロパガンダ紙」と批判。取材記者名や電話番号などが記された名刺をネット上で公開した。

日本維新の会の藤田文武共同代表がXで公開した、しんぶん赤旗への回答文や記者の名刺(スクリーンショット、一部画像処理)

 翌31日の読売新聞では、藤田氏に取材を申し込むと「SNSで公開したもの以上に答える気はない。定例会見で聞かれたら答える」と回答があったと記された。
 ジャーナリストの江川紹子氏は「与党としての説明責任を果たすべく、すぐに会見を開いて取材に応じるべきだったのではないか」と問題視する。

◆維新の創設者、橋下徹氏に「追い込まれた」

 維新の創設者、橋下徹氏も非難をぶつけていた。先月30日に「こういう金の動きを堂々と正当化するのが今の維新国会議員団。これがまずいというセンサーが働かない」「適法・違法が問題なのではない。『外形的公正性』の問題」とXにつづった。2日後の今月1日には維新の吉村洋文代表が投稿し、連休明けの会見で説明させると記した。

2013年9月、記者会見する橋下徹氏(左)と松井一郎氏=大阪府堺市で

 政治ジャーナリストの鮫島浩氏は「藤田氏が橋下氏に追い込まれた形だ」と述べ「『身を切る改革』を主張していた維新の幹部が実は身を肥やしていた。『定数削減を言う資格があるのか』という話にもなってくるだろう」と見通した。
 吉村氏も4日に会見している。今後は党の内規を改め、秘書が代表を務める会社などへの政党交付金の支出を禁じると明かした。「秘書という関係になると外形的に見て適正だと証明しづらい」と述べた。

◆相次ぐ不祥事「急速な政党拡大のツケ」

 維新といえば、潔白さが疑われる問題が続く。
 今年に限っても、国から公設秘書の給与をだましとったとして、石井章元参院議員が詐欺罪で在宅起訴。維新の母体となる地域政党「大阪維新の会」から公認を受けた大阪府岸和田市の永野耕平前市長は、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕、起訴された。

自民党との連立政権樹立で正式合意し、記者会見をする日本維新の会の吉村代表=10月20日、国会で(佐藤哲紀撮影)

 さらにさかのぼれば、愛...

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    みんなのコメント6件

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    AA 11月5日20時40分

    維新の不祥事リストを時々ネット上で目にするが、自民に負けずとも劣らない数の多さと悪質さで驚く。おそらく「選挙で勝ちさえすれば何してもOK」という意識が与党内に蔓延っているのだと思う。選挙はいかにも神道系保守層が大好きな「禊」などという精神的なものではない。犯罪は犯罪、違法行為は違法行為、「知らなかった。次から気を付けます」で済むものではない。

    安部元首相が国会で堂々と虚偽答弁を重ねてもそれを社会が追及しなかったつけがどんどん広がっている。裏金議員を臆面もなく起用した高市首相も同じメンタリティーなのだと思うが、公職に就いている人の問題行為、違法行為をなあなあでやり過ごす大手メディアや支持を続ける国民がますますこのような与党体質を助長させていくのだと思う。

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  • ユーザー
    いとっちょ 11月5日19時29分

    今後は当該企業に発注しないとしながら、法的には問題ないという、開き直りに怒りを覚える。おまけに赤旗に言いがかりをつけ、取材記者のプライバシーをネットに暴露するなどまるでヤクザの手口ではないか。ノンフィクションライター西岡研介氏の指摘に納得する。これまでも数々の不祥事を起こしている維新が政権に入り、これから何が起きるか非常に不安だ。

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    • ユーザー
      クレヨン伯 11月5日11時6分

      毎日.jpによると「過去に約40件の発注」だそうで、7年強ですので年5~6件。2か月強に1回は常識的な回数だと思いますが、各回平均50万。素人にはけっこうな額に見えますがそうでもないのか。毎回何を何枚ずつ刷ってこの値段か(①)。
      またときどきまともなことも突然言い出す維新創業者氏が「身内(秘書)の会社から印刷業者等へ発注した金額を明らかにしなかった」と指摘された由ですがその通りで、部外者に支払った実費を差し引いたこの身内会社の手取りがいくらで、どういう付加価値に対する対価なのか(②)。
      ①②を進んで明らかにしないのはふつう「隠したいんだろ」と思うわけで(私が藤田氏の立場でやましくないなら進んで資料化して全メディアに配ってほら見ろ赤旗!どこが問題じゃ!とドヤります。記者の名刺晒すよりよっぽどそっちのほうが相手に打撃になる)、東京新聞さんも頑張って①②を逃げ切らせず明らかにさせてください。
      (この記事はこの記事で問題点を読みやすく整理した良記事だと思います)

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