米ニューヨーク市で今月、市民権のない住民でも永住権などがあれば市の選挙での投票を認める条例が成立した。現在の登録有権者約560万人に加え、米国民でない80万人以上が新たに投票権を持つ見通しだ。移民など少数派の声が届きやすくなる期待の半面、「市民権を取る動機が薄れる」といった懸念も。画期的な改革は全米最大都市をどう変えるか。(ニューヨーク・杉藤貴浩、写真も)
◆移民にも地域での政治参加の機会拡大を
新しい条例では、ニューヨーク市に30日以上居住し、グリーンカードと呼ばれる永住権か労働許可証を持っていれば、市長選や区長選、市議選などに投票することができる。子どもの時に親に連れられて不法入国した若者らの強制退去を猶予する米政府の救済策「DACA」の対象者も含まれる。今月9日に可決された。2023年1月から投票が可能になる。
市民権のない住民への地方選レベルでの投票権付与は、東部メリーランド州内の複数の都市などで認められているが、全米最多の人口830万人を誇るニューヨーク市での実施は画期的だ。
条例を推進してきたドミニカ共和国系のイダニス・ロドリゲス市議は可決直後、「今日、歴史がつくられた」と表明。「選挙に勝とうとする人は今後、上流階級の地区に費やすのと同じ時間を、新たに選挙権を持つ人々の地区に使わなければならない」と述べた。
移民国家米国を象徴するニューヨーク市では多様な国や地域出身の人々が暮らし、市経済を支えるが、古くからの市民との経済格差は大きい。とりわけ市民権を持たない人が多い移民第1世代は政治参加の機会が乏しく、生活改善や地位向上を十分に訴えられないとの課題があった。
地元出身で自身は市民権を持つ自営業男性(40)も取材に「多様性の街として、市民権がない住民の意見を取り入れることも重要だ」と理解を示した。
◆共和党などに反発の動きも
一方、野党共和党の市議らは条例成立前から「投票権拡大は違法だ。市民権のない人々は母国で投票できる」と強調。少数派住民の支持が厚い与党...
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