「高市ブーム」でも浮かぬ顔の自民党議員たちの行動パターン 公明・創価学会ナシの選挙におびえる自民候補の駆け込み寺とは
すでに焦りつつある議員は
「そんな中でもハッキリ言えるのは学会票ナシには小選挙区を勝ち抜けなかった自民議員は当然その自覚があり、次の選挙をどうするか頭を悩ませていることです」(同) 昨年10月の衆院選ではライバルとの差が200票余という薄氷の勝利を収めた自民議員もいる。学会票が沈黙するだけで次回の勝利はたちどころにおぼつかなくなる。 公明の連立復帰は当面実現しないとしても、せめて地元での協力関係は維持したい。いかにムシが良いと言われても、そのように願うのは人情というものだろう。 ではどうすればいいか。焦りつつある一部議員が頼る先は、学会との強いパイプで知られる菅義偉元首相ということになる。 「菅氏と学会の政治担当・佐藤浩副会長との二人三脚は憲政史上最長の在任期間となった安倍政権の選挙を強力にサポートしました。そのパイプは今もなお健在です。具体的な動きは聞こえてきていませんが、学会票ナシの選挙で不安な議員にとっては菅氏詣でを始めるのが合理的な行動ということになります」(同)
選挙の方程式が複雑すぎて
いずれ、菅氏の部屋の前に議員の行列ができるという見立てである。 自民党執行部が現在の高い支持率を支える背景として、公明の連立離脱がプラスに働いたという見方を強めれば、当然ながら「復縁」の可能性は低くなり、選挙区での協力は困難になっていく。むろんその分析が正しければ、現在不安を感じている議員たちも、菅氏に頼って「公明・創価学会とは別れてもいいお友達」といったアクロバティックな方法を模索する必要はなくなるだろう。 しかし、そもそも党の分析や戦略にどこまで信頼が置けるかという問題もあるのが現状である。この間の連戦連敗は、石破茂前首相一人のせいではなく、党の戦略ミスという面があったのもまた厳然たる事実。選挙区事情によって、自民党議員たちが解かねばならない方程式の複雑さにはかなりレベルの差が生じてきているのである。 先が見えない次期衆院選に備えるべく、駆け込み寺として菅氏の存在感は高まっていくと見られている。
デイリー新潮編集部
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