ウマ娘にもトレーナーにもなれなかったモブ転生者   作:塚山 泰乃(旧名:なまけもの)

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第八話を書き直す事になったのでこの話も必要無くなり削除しようと思ったのですが、せっかく書いたんだし投稿します。

ホラー回です。
よろしければどうぞ。


ボツ話 狩猟系ストーカーウマ娘概念

side.山海野太一

 

 うーん、どこから話したら良いのか……。

 

 体調不良で困ってるウマ娘を見つけてはマッサージするようになってからしばらくたった頃、たまたまトレセン学園の制服を着たウマ娘をマッサージした事があったんです。

 施術直後は特に問題無く別れたつもりでした。

 相手も喜んで感謝してくれましたし。

 

 それからどのくらい時間が過ぎたのかは覚えてないんですけど、ある日トレセン学園の近くの商店街を歩いていた時、何の気なしに振り向いたら見覚えのあるウマ娘を見かけたんです。

 後になって施術したトレセン学園のウマ娘だった事を思い出しました。

 ただ、その時はどこかで会ったかなくらいにしか感じてませんでしたし、特に疑問には思わず歩行を再開しました。

 

 確か、何かの用でどこかの店に入って……何も買わずに店を出て、ふと歩いて来た方を見たら、離れた所に先ほどのウマ娘が立ち止まってウマホを操作してるのが見えました。

 その時も特に疑問に思わず歩行を再開して商店街を巡りました。

 

 自動販売機で飲み物を買って、その場で飲んでる時に後方を見たら件のウマ娘が立ち止まってウマホを見てました。

 その時、俺は『進行方向がたまたま同じ』という印象を受け、特に疑問に思わず歩行を再開しました。

 

 商店街を抜け、電車に乗るため駅の改札を通りホームで電車が来るのを待つ間、ウマホを取り出して暇をつぶしてたんですが、ふと横を見たら件のウマ娘が少し離れた所でウマホを見ていたんです。

 ここにきて何か変だなと感じましたが、ちょうど電車が来て停車したので乗り込むのを優先しました。車内では目的の駅に到着するまでウマホを操作してました。

 

 ええと、それでどこかの駅で降りて改札口を通って、ウマホの地図アプリで目的地の店を検索して、どの方向に向かえば良いのか辺りを見回した時、件のウマ娘が離れた所でウマホを見てるのが視界に入りました。

 そこで降りる駅まで同じとかギャンブルはしてないけどそれに例えるならどれだけの低確率なのか、ちょっと偶然にしてはおかしいと思いました。

 

 それで目的の店まで歩いて、入店して、目的の品物を探して、見つからないので店員に尋ねて、店員が在庫確認に行ったので、待つ間暇つぶしに店内の商品を見て回ろうとしたら件のウマ娘がいたんです。

 ここにきてさすがにおかしいと感じて、在庫確認から戻って来た店員に在庫切れで謝罪されて店を出て先ほどの駅を目指して歩いたんですけど、何か嫌な予感がしてちらりと後方を見たら、いたんです。件のウマ娘が。

 

 ならばと電車に乗って本来行くはずの駅とは違う少し遠くの駅まで行って、そこから別の路線に乗り換えて、また別の路線に乗り換えて、利用したことのない駅で降りて改札口を抜けて、さあこれでどうだと振り向いたら。

 

 いたんです。件のウマ娘が。ウマホを見てました。

 

 少し怖くなって、駅前の商店街に入って人混みの中を通って撒こうとしました。時々後方を確認すると、常に一定の距離、俺の歩行速度に合わせて歩いて追いかけてるのが見えて、だんだん怖くなってきました。

 

 商店街を抜けても追いかけてくるので、道をジグザクに進んだりもしたんですが、撒くことはできませんでした。

 とにかく件のウマ娘から逃げる事しか考えてなくて、あちこち歩き回ったんですが、気づいたら、どこかの川の河川敷が見える堤防の上にいました。

 人口密度が低いため、周辺に人がいなかったように思いました。

 

 ここで俺は『もしかして人気のない場所は危険なんじゃないか』と思い至り、後方でウマホを見ながら歩いてる件のウマ娘を見たんです。そこで初めて彼女に変化が起きました。ウマホに向けていた視線を俺に向けたんです。

 どのくらいの間、お互いに見つめ合ってたかは分からないんですけど、無表情だった彼女が。

 

 にたりと笑ったんです。

 

 さらに、これまでとは違って俺よりもわずかに歩行速度を上げてきました。徐々に距離が縮まります。それが嫌でこっちも歩行速度を上げるんですけど引き離す事ができず、むしろ余計距離を縮めてきます。

 

 最後は駆け足になってました。

 不安で不安で仕方なくて走ってる間もしきりに後方を見るんですが、件のウマ娘がぴったりとくっついてくるんです。笑顔で。

 

 恐怖のあまり走り続けました。日が沈んで辺りが暗くなってきたので、闇夜に紛れて撒こうと思いつきました。堤防を駆け下りて河川敷を走って、車が通る橋の下まで走って、躓いて転びました。

 

 荒くなった呼吸を整えたいけど、起き上がってとにかく逃げたい。でも体力が限界でした。

 背後から足音が耳に入り、だんだんこちらに近づいてくるのが分かりました。怖いけど見えないとより怖くなるので勇気を出して振り向きました。

 

 わずか数歩先に件のウマ娘が笑顔で立っていました。そこで彼女が初めて話したんです。

 

「追いかけっこは終わりですか?」と。

 

 半ば自棄になって「遊びにしては悪ふざけが過ぎる。止めろ」と叫んだら、返ってきた言葉が。

 

「遊びではありません。『狩り』です。あなたは私の獲物。さあ、命ある限り抵抗してみせなさい」

 

 そう言って舌なめずりしながら目の前に来て、覆いかぶさってきました。

 無我夢中で抵抗したんですけど、ウマ娘の力で押さえ込まれて……。

 

 そこから先はよく覚えていませんが、気づいたら朝になってて、件のウマ娘はいなくなってました。

 着衣に乱れがありましたけど、何があったのか今でも思い出せません。

 

 信じてください、本当にあったんです。信じてください……。

 

 




※この話のラストの部分は実際にはチート能力の催眠を使い童貞喪失を回避しました。チート能力を隠すためあえて被害を受けたように相手に思わせる発言をしています。
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