9月27日の東京拘置所の一日

 

   矯正展があったので、8時30分から吹奏楽が流れていて昼間になると演歌歌手の演歌があった。朝から、プァ~といって、よえこが、ドッタバッタと踊るといった印象であるが、勾留されている人たちからすると、土曜日なのでただラジオが流れているだけで、刑務官も、ただ静かに居室を回っているだけだし、なんとも間抜けな一日だった。別に観察していなければメシを食べて終わるだけという、別に収容者が何をしていても同じであろうというような一日である。全体で2000人の犯罪者が収容されているが、フロアによって収容されている人が違い、のんびりとしていてまぬけな空間でもあるし、裁判戦おうと思っている収容者にとっては発信ができないからイライラしているだけの日でもある。

 食事は、 昼は、うま煮が出るが、夕方はカボチャと野菜汁だけで済ますといったスタイルである。栄養はいかにもない。小さい鶏肉とトマトでうま煮にしていて味があるが栄養があるのかどうかは分からない。ゆう方になると、カボチャと汁物だけで済ませてしまうといった生活で贅沢なものは食べられない。

 自分で購入できるものは中のファイルに記載されており、そこに書いているものしか購入できない。チーズケーキとかカスタードケーキといったお菓子、パン、食パン、はごろもフーズのいわし程度である。親族や知り合いがいると、外にある2カ所の売店に置いているより多様な商品を差し入れることができるが親戚や知り合いがこなければそういうことも実現しない。親族や知り合いがいない被告人や受刑者は実に損をすることになる。

 受刑者といっても東京拘置所の場合は、少数の工事、食事、洗濯、計算の受刑者しかおらず、それ以外は50人程度の死刑囚が10階につめこまれている。

 9月27日は、土曜日で、クイズノック放送部が、20時30分ごろから、鬼塚ちひろの月光を流した。東京在京民放5社は一般に仕事関係のトークしか流さないが不定期でYoutubeに上がっている何万回も再生されている有名な曲を流すことがあり、9月27日の場合は、Youtubeにある鬼塚ちひろの月光が流れた。

 しかし、同日の20時30分から、同社が、それを流した趣旨は不明であった。

 平日も、歌謡スクランブルが、誰も知らない興味のない曲を6つ集めて順次流す場合と、Youtubeにあがっている平成のポップミュージックを6つ大放出する場合がある。ところが、東京拘置所では、職員の誰もそのことは語らないのであった。