アフガニスタン北部でM6.3の地震、少なくとも20人死亡と当局 「多数の死傷者」が出るおそれ
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アフガニスタン北部マザーリシャリーフ近くで3日午前1時(日本時間同午前5時半)ごろ、強い地震が発生した。地元当局によると、少なくとも20人の死亡が日本時間4日午前までに確認された。
イスラム主義組織タリバンによる政府の保健省は、けが人は530人を超えているとしている。救助作業が進むにつれ、死傷者は増えるとみられている。
米地質調査所(USGS)によると、地震の規模はマグニチュード(M)6.3、震源の深さは28キロと推定される。
USGSは「多数の死傷者」が出るなど、被害が「広範囲におよぶ」恐れがあると警告している。
北部バルフ州のタリバンのハジ・ザイド報道官は、州全域で軽傷者や建物表面の被害がみられるとし、「けがの大半は高い建物から落ちたことによるものだ」と、ソーシャルメディア「X」に投稿した。
3日時点で、バルフ州のタリバン報道官は、同州ショルガラ地区で4人が死亡し、「多数の負傷者が出ている」とソーシャルメディアに投稿した。震源に近いマザーリシャリーフはバルフ州の州都。アフガニスタンでは2021年8月、タリバンが政権に復帰した。
ロイター通信は、近隣の山岳地帯にあるサマンガン州で7人が死亡し、負傷者150人が医療施設に搬送されたと、同州の保健当局者が述べたと報じた。
BBCはこれらの数字について独自に検証できていない。
ハジ・ザイド報道官は先に、「バルフ州内のすべての地区から、軽傷者や、建物の表面的な損傷の報告」を受けていると投稿していた。
投稿によると、「負傷者の大半は、高層の建物から転落して負傷した」という。
マザーリシャリーフには50万人以上が暮らしている。AFP通信によると、地震発生時には多くの住民が自宅倒壊を恐れて屋外へ避難したという。
バルフ州のタリバン報道官は、マザーリシャリーフのランドマークになっているブルーモスク(イスラム教の礼拝所)の敷地にがれきが散乱している様子をとらえた動画をソーシャルメディアに投稿した。
このモスクには、神聖な知識を持つとされるイスラム教シーア派イマーム(イスラム指導者)の墓があると信じられており、現在では巡礼者が祈りを捧げ、宗教行事を行う場となっている。
タリバン政権下のカブール警察のハリド・ザドラン報道官は、同警察のチームが「状況を注視している」とソーシャルメディアに投稿した。
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アフガニスタンでは8月31日にも、東部の山岳地帯でマグニチュード6.0の地震が起きている。この地震では1000人以上が死亡した。
東部の農村地域では、泥レンガや木材で建てられた建物が多い。これらは耐震性が低く、8月の地震では住民が倒壊した建物に閉じ込められるなど、特に甚大な被害が出た。
アフガニスタンは、インドプレートとユーラシアプレートがぶつかる断層の上に位置しているため、地震が非常に起こりやすい。