自他ともに認める「意図的な編集」
「今回は魔が差した」「いつかやると思っていた」……その印象に個人差はあっても危機的状況であることは確かだ。
14日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、中国出身女性のインタビューを不適切に編集・放送した『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)の審議入りを発表した。
委員会は局に報告書と番組DVDを求めた上で協議した結果、「女性が話した内容とは全く異なる文脈へと意図的に編集され、他国の文化に対する尊重を著しく欠いていた疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について放送倫理上の問題が無かったかどうかを詳しく検証する必要がある」として審議入りを決定。今後は局の関係者からヒアリングを行うなどして審議が進められていく。国内の番組にとってこの事態は重く、存続の危機に直結する。
一方、日本テレビは3月24日の当該放送から3日後の同27日、番組ホームページ上で「制作スタッフの意図的な編集によって女性の発言の趣旨とは全く異なる内容となってしまいました」と原因を明かした上で、「取材に協力いただいた女性ご本人並びに視聴者の皆様に心からお詫び申し上げます」などと謝罪した。
特番の放送強行と番組内の謝罪なし
さらに「直ちに今回の事実関係及び原因の確認を行うとともに、改めて番組制作のプロセスを徹底的に見直し、再発防止に努めてまいります」とコメントしたが、今回はそれで収まるほど簡単ではないだろう。
国際問題にも発展しかねない悪質な編集である上に、同じ古立善之が手がける『世界の果てまでイッテQ!』が2019年に番組のために祭りを用意したことでBPOに「放送倫理違反があった」と判断されたのは記憶に新しいところ。今回はフリーのディレクターによる問題だが、エースディレクターの管理下にあったことは確かであり、言い訳のできない状況であることは間違いない。
そしてネット上をさわがせたのは、BPOの審議入りが発表された当日の夜に『月曜から夜ふかし 日本の大大大問題春の全国一斉調査 2時間スペシャル』が放送されたこと。また、問題が発生した3月24日のあと、同31日と今回の4月14日に放送されたが、番組内での謝罪がないことも含め、日本テレビの対応にも批判の声があがっている。
人気番組だけに擁護や応援の声も多いが、危機的状況であることは間違いない。「街頭取材を止めている」ことを明かすなど厳戒態勢の中で放送された2時間スペシャルは、細心の注意を払って編集されたはずだが、そこにもいくつかの危うげなポイントが見えていた。
その危うげなポイントをあげながら、あらためて今回の件は何が問題で、どんな対応が求められるのか。さらにBPOの審議入りでどんな未来が待っているのかなどを掘り下げていく。