贈り物。それは大切な人に日頃の感謝と愛を形に込めて表す、素晴らしい文化である。しかし、昨今はSNSの普及によって「贈り物」に対する賛否両論の意見が飛び交いやすくなった。
日本において最もその“とばっちり”を受けているブランドといえば、ジュエリーブランドの4℃(ヨンドシー)に他ならない。数年前にXで物議を醸し出した「30代の女性に4℃のジュエリーを贈るのはダサい」事件の炎上から早数年。あれから、4℃はどのようにその汚名を晴らし、生き残り戦略をかけているのだろうか。今回はその現状について解説していく。
原宿発ジュエリーが国民的ブランドになるまで
4℃(ヨンドシー)は株式会社ヨンドシーホールディングスグループの主要子会社である、株式会社エフ・ディ・シィプロダクツが運営するレディース向けジュエリーブランドである。2025年6月時点で全国に125店舗を展開しており、メンバーズクラブの会員数は134万人を誇る。
始まりは1972年、広島の繊維会社である株式会社アスティ(旧:十和織物株式会社)と第二空間株式会社の共同経営で、原宿の一角にアクセサリーショップを開業した。それまでジュエリーは高級品で、若い世代には手の届かない存在だった。しかしこの店舗では、20代でも高品質なジュエリーを楽しめるよう、手頃な価格帯で販売を展開。この戦略がヒットし、その名は瞬く間に全国へ広がっていった。
そして1986年には、「4℃(ヨンドシー)」というブランドネームを正式に発表。この頃は女性の社会進出も盛んになり、いわゆる「自分へのご褒美」として気軽にジュエリーを購入する女性が急増していた時期だった。バブルまっただなかでギフト文化も盛んであったことから、男性から女性へのプレゼントとしてジュエリー市場自体が急拡大。そうした好景気に乗じて、4℃はブランドの認知度を浸透させていくことに成功した。