ライフ

「頭が真っ白になりました」結婚のために戸籍謄本を取り寄せた男女が直面した“衝撃の真実”

複雑すぎる生い立ち

 謄本の記載をたどりながら、二人は初めて自分たちの生い立ちを知ることになりました。  父親は、慎二さんを産んだばかりの女性と結婚し、彼を養子縁組しました。その後、不幸にも不慮の事故で慎二の母親は他界したのです。  そして、その約1年後、今度は瑞希さんを産んだばかりの女性と結婚し、彼女を養子縁組したのですが、その女性も病に倒れ結婚後まもなくこの世を去ったと言います。 「戸籍を目の当たりにして、育ててくれた婆ちゃんに食い下がって聞いたんです」と慎二さん。  どうやら、慎二さんは実母方の祖父母へ、瑞希さんは別の母親方の祖父母へと預けられることになりました。父親は二人にほとんど関与することなく、苗字も母方姓に変えそれぞれの家庭で育ったようです。 「まるでドラマみたいですよね。でも私たちにとっては現実でした。聞いた時は複雑すぎて、最初は理解できませんでした。でも、同時になんだかすごい運命を感じています」と瑞希さんは静かに語りました。

それでも「夫婦」であり続ける選択

 兄妹であることを知った時、二人は結婚をどうするか真剣に悩んだといいます。法律的には大きな壁がある。社会的な視線も当然厳しい。それでも二人は「共に歩みたい」という気持ちを捨てられなかったのです。 「兄妹だと知っても、彼女は僕にとって唯一の大切な人でした。離れるなんて考えられませんでした。それに、血縁関係はないので……」と慎二さん。 「私も同じです。この複雑な関係を知ったところで、これまで積み重ねてきた思いが消えるわけじゃない。だから覚悟を決めました」と瑞希さんも続けます。  もちろん容易な道ではありません。それでも互いに寄り添い、支え合うことで今日まで結婚生活を続けている二人。表面上は普通の夫婦に見えますが、その裏には劇的な運命を背負った絆がありました。 「私たちは特別な形で結ばれた夫婦です。だからこそ、普通の夫婦以上に相手を大切にしていきたいんです」と二人は声を揃えます。  その表情には、過酷な現実を乗り越えた者にしか持ち得ない、揺るぎない強さを感じました。 <TEXT/八木正規>
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
1
2
あなたにおすすめ