NHK「未解決事件」、急な編集よりも胸に残った遺族にとっての時効

宮田裕介
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記者レビュー

 NHKの「未解決事件」が1日に放送された。

 取り上げた一つは、1999年に名古屋市で主婦・高羽奈美子さん(当時32)が殺害された事件。放送前日の10月31日に、容疑者が愛知県警に逮捕された。

 急展開となったため、夫の悟さんに逮捕前に話を聞いた場面などには「この事件の容疑者は10月31日に逮捕されました」のテロップを出した一方、容疑者の逮捕を受けて、改めて悟さんに取材した映像なども織り込んだ。

 ただ、印象に残ったのは、急な編集対応よりも、時効の問題だ。

 2010年に、刑事訴訟法などの改正で殺人事件の時効が撤廃された。悟さんも、殺人事件の遺族団体の中心メンバーとして時効撤廃の法改正を訴えてきた。

 26年を経て事件が動き出した背景には、警察の地道な捜査はもちろんだが、遺族たちの粘り強い訴えがあってのことに違いない。

 番組が次に取り上げたのは、16年前の2009年9月埼玉県熊谷市で、小関孝徳さん(当時10)が車にはねられて死亡したひき逃げ事件。危険運転致死罪の時効は迫り、残り4年となった。

 孝徳さんの母・代里子さんが、ラジオ局で犯人にこう呼びかける様子を映した。

 「息子の命を奪って、いま何をしていますか」

 事件の解決を待ち望む遺族にとって「時効」はないことを改めて痛感させられた。

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この記事を書いた人
宮田裕介
文化部|メディア担当
専門・関心分野
メディア、放送行政、NHK