「さやさんの主張はすべて田母神さんのコピー」
古谷:彼女は横浜出身で、青山学院女子短期大学英文科を卒業しました。その後、ニューヨークに行き、本場の『アメイジング・グレイス(讃美歌)』を聴いて感動し、歌手を目指した。そして、地元横浜のライブハウスで歌うようになり、やがて音楽家の塩入俊哉さんと出会って結婚しています。
私も何度もライブに招待していただきましたが、歌は確かに上手いです。でも、国民的ヒットを狙えるタイプではありません。彼女はジャズシンガーですが、民謡や演歌なども歌います。右の界隈には激しい音楽が苦手な人が多いので、彼女のようなキャラクターがちょうどいい。やがてチャンネル桜から声がかかり、司会業をやるようになりました。
そうした中で、徐々に右系の政治思想に傾倒していったと思います。ただ、そもそも政治や歴史を勉強してきたわけではなく、その方面の知識が乏しいので、どのような言論が右なのか、左なのか、中道なのか、まるで認識がありませんでした。
人柄がよくて素直なので、年配の男性視聴者たちからはモテました。私にその方面の方から飲み会の声がかかり、目的はさやちゃんなんてことも一度や二度ではありません。ただ、彼女には旦那様がいるので、そういう誘いは本人が断っていました。
彼女は純粋に音楽活動で評価されることを望んでいたと思いますが、お客さんが自然とチャンネル桜系の右のおじさんたちになっていました。
右界隈の番組司会者として、またイベントの華として10年以上やってきましたが、どこか添え物のような存在として認知されることに耐えられなくなっていたのかもしれません。
一度、国民民主党から出馬しないかという話がきましたが、チャンネル桜からNGが出て、やがて声がかかった参政党から出馬しました。いきなり東京から参議院選挙に出られるのですから優遇です。
JR大井町駅で街頭演説するさや氏。右界隈の番組司会者として存在感を放っていた(写真:Pasya/アフロ)──「核武装のほうが安上がり」「徴兵制をやったほうがよい」という彼女の発言は、元航空幕僚長の田母神俊雄氏からきているというお話がありました。
古谷:さやさんは田母神さんから強い影響を受けています。彼女が最初にチャンネル桜でアシスタントをした番組が田母神さんの番組でした。もともと自分の政治観や社会観を持ち合わせていなかった彼女は、乾いたスポンジが吸収するように、田母神さんの考え方や主張を自分のものにしていきました。彼女の主張は全部、田母神さんのコピーです。