「陰謀論を政治経済と同列に扱うことにためらいがない」
古谷:憲法改正、歴史認識、靖国参拝、南京事件、慰安婦問題など、保守業界には絶対に守らなければならない暗黙の踏み絵のような政治テーマがいくつかあります。
神谷さんもそうしたテーマに対しては、いわゆる保守のポジションに立ちますが、個別のテーマの具体的な話、たとえば歴史認識について深い話になると、途端に話が続かなくなってしまう。知識量が乏しく、あまりにも浅い。
彼が人脈づくりに励んでいた頃も、メディア幹部の方々からは「こういう中身のないお兄ちゃんっているよね」という印象しか持たれませんでした。だから、彼は後に「政党DIY」という考え方を掲げ、「相手にされないのなら自分で作ってしまおう」と考えたのです。それが参政党の原点だと僕は思います。
──神谷さんが立ち上げた「イシキカイカク大学」は、陰謀論者やスピリチュアル信仰者を講師に迎えることもあったと書かれています。
古谷:神谷さんは『チャンネルグランドストラテジー(CGS)』という人々を啓蒙する教養番組を作りました。右系の論者たちが出演する番組です。このCGSから発展してできたのが「イシキカイカク大学」です。こちらは一定料金を払い、専門家たちがセミナーを提供します。
そこでどんな授業が行われているかというと、古代史、霊性、大和魂、有機食品など、かなり微妙なトピックを独特の観点で組み合わせて語っていました。スピリチュアル、オカルト、陰謀論などを政治経済社会系のテーマと同列に語ることをためらわないのです。CGSと並行して、2014年頃からこうした取り組みを続けていました。
──神谷さんは、そういった方面の知識や講師たちの情報をどこから得ていたと思われますか?
古谷:私もかつて経験したのでよく知っていますが、保守界隈にいると、そういう人たちとのつながりや、その方面の情報が自然と入ってきます。「日本人の祖先はユダヤ人だ」「稲作は日本独自の発明だ」など、我流の珍説を発する人たちが保守界隈に紛れ込んでおり、ほとんど一体のようになっている。
──そうしたコンテンツを扱うことの危険性をよく理解した上で、あえて注目を集めるためにやっていたのか、それとも無邪気に信じていたのでしょうか?
古谷:無邪気に信じていると思います。
確信犯は自分の商売や選挙のために、時にスピリチュアルや陰謀論を信じているふりをします。でも、そういう人たちは自己矛盾が苦しくなり、言動の端々に迷いやとまどいが出ます。でも、神谷さんは全く迷いがありません。「メロンパンを食べると健康に悪い」「ワクチンは不妊につながる」など、信じているふりをしているのではなく、信じているのです。
──参政党の主要メンバーで、参議院議員の「さや」こと、塩入清香氏と古谷さんが一緒にチャンネル桜に出演していた時期についても書かれています。