小型船スルメイカ漁 1日から初の採捕停止/枠超過で水産庁命令 来年3月末まで

 水産庁は31日、全国の小型イカ釣り船漁業者に対し、スルメイカ漁の採捕停止命令を官報に公示した。停止期間は11月1日から2026年3月末まで。小型船によるスルメイカの全国漁獲量が今期(25年4月~26年3月)の漁獲可能量(TAC)を超過したためで、TAC制度導入以降、スルメイカ漁の採捕停止命令は初。

 今期のスルメイカTACは、全体枠が2万5800トン(前期比67.4%減)。鈴木憲和農相は31日の閣議後会見で、国留保分の5700トンについて「ほかの漁業種類の消化状況も確認した上で、小型イカ釣り漁業に振り替えるための調整を進めている」と、あらためて説明した。11月5日に都内で開かれる水産政策審議会分科会に諮問する。

 ただ、今期のスルメイカ全体の漁獲量は10月15日時点で1万5757トンに上り、TACは全体的に逼迫(ひっぱく)している。小型イカ釣り船への当初枠は2800トンとされていたが、三陸沖を中心とした好漁を受け、同庁はこれまで国の留保から3度の追加配分を実施。小型船の配分枠を4900トンに増枠していた。

 同庁によると、小型船によるスルメイカの全国漁獲量は10月24日時点で5896トンとなり、配分枠を約千トン超過。一方、沖合底引き網や大中型イカ釣りなど他の漁法ではそれぞれの配分枠を超過していないため、停止命令の対象外となる。

 同庁はこれまで、小型船同様に漁獲量が積み上がっていた沖合底引き網に対しても3度の追加配分を行い、当初枠から3900トン増枠している。また、前期は太平洋沖でアカイカ(ムラサキイカ)を漁獲していた大中型イカ釣り船の多くも、今期は9月以降、三陸沖でのスルメイカ漁に切り替えているため、全体の漁獲量は今後さらに増える可能性がある。

 採捕停止命令に先立ち、県小型いか釣漁業協議会は10月20日から、青森県所属の小型イカ釣り船によるスルメイカ漁を自主休漁している。

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