安倍氏銃撃公判、「別人が被弾の可能性」 捜査担当警官が証言
安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判第4回公判が4日、奈良地裁であり、奈良県警の警察官が検察側証人として出廷した。銃撃時、安倍氏のそばにいた人物の頭髪が跳ね上がったと述べ、弾丸が頭をかすめた可能性があると指摘した。
証言したのは捜査担当の県警警部。被告が発射した弾丸の軌道や聴衆らが撮影した事件当時の動画の分析などを手掛けた。
警部は証人尋問で、1回目の銃撃直後、安倍氏の近くに立っていた自民党関係者の「頭髪が跳ね上がっていた」と述べ、弾丸が髪に当たった可能性があると証言。聴衆が多数いたことを踏まえ、安倍氏以外の人物が被弾する可能性もあったと述べた。
被告の手製銃についても言及した。2回にわたり6発ずつの弾丸が発射されたと説明。1回目はいずれも安倍氏に当たらず、2回目で「5発ないし6発が当たった」と証言した。
弾丸は左肩や首に命中したほか、首をかすめた。1発は安倍氏が左襟に付けていた議員バッジに当たり、バッジは砕けて散らばったという。
被告が発射した弾丸の軌道を立体的に記した図面も法廷で示された。銃口の延長線上には安倍氏が位置し、被告の弾丸が命中したとみて矛盾はないとした。一部の弾丸は現場や周辺で見つかっていないという。
検察側証拠調べでは、現場付近で発見された弾丸や弾痕とみられる損傷箇所も提示。現場付近で6つ見つかった弾丸のうち3つは発射地点から90メートル超離れた建物の外壁にめり込んでいた。安倍氏の体内からは直径約11ミリメートル、重さ約4グラムの弾丸1つが発見されたとした。
公判は10月28日に始まった。主な争点は量刑。被告の母親による世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への献金で生活が困窮した事情を巡り、弁護側は情状酌量を求めたのに対し、検察側は刑を軽くする理由にはならないとしている。
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