人類全体の兄弟姉妹になる。
神戸在住の女性C様から「須磨駅と言う駅の真ん前に海があるから、海で会いたい。場合によっては泳ぎたい」とご連絡をいただいた。私の正しい使い方である。坂爪さんに会う前は、いろいろなことを話したいと思っていた。これまでは自分に向けて死んじゃえと思っていた。最近は人に向かって死んじゃえと思えるようになった。だけど、海と坂爪さんを見たらそんなことはどうでもよくなってしまった。言葉がなくても会話はできるんだと思った。C様は、そのようなことを言った。
C様は言った。踊りが好きで、スタジオを借りて踊っていたけれど、本当は自然の中で踊りたいと思っていた。夏の須磨海岸はあちらこちらに海の家が出来て、たくさん人がいて、近くに住んでいるのにあんまり近寄ることができなかった。だけど、今日来てみたら「ずっといられるな」と思った。人も少ないし、誰が何をしていようがそんなことは全然気にしない感じがする。そう言って、C様は靴と靴下を脱いで、足先を海に浸した。バチャバチャ水を蹴りながら「楽しい」と言った。
誰に会っても、初めて会った気がしない。初対面だと思うのは最初の数秒間だけで、幼馴染のような、クラスメイトのような、昔からの知り合いに感じる。知り合いなんて言葉は水臭いから、友達になりたいと思う。なんでも話せる友達と言うよりは、何も話さないでも一緒にいられる友達。沈黙が苦にならない友達。頻繁には会わなくても、あいつも頑張っているのだから、俺も頑張ろうと思える友達。私は結婚をしていない。結婚の予定もない。未婚の私が生きることを許されるのは、人類全体の父になった時だと思う。特定の誰かの父になるのではなく、全人類の父になり、全人類の友になり、全人類の兄弟になった時だと思う。
C様は言った。満足しました。今日は夕方まで何も予定がないから、しばらくここにいようと思います。風が冷たいので、寒くなったらいつでも言ってくださいね。私は「実はとても寒いです」と言った。C様は「そうですよね」と言って、笑った。握手をして、私たちは別れた。一緒にいた時間は三十分にも満たなかったが、友達になるのに時間も回数も関係はないのだなと思った。二度と会うことはないとしても、この時、私たちが同じ時間を共にしたことは消えない。優しくて、温かくて、激しいものが、私たちの間を流れていた。
ここに生きる命が一つある。細くて小さくて弱いけれど、はっきりとここに。死にたいのは、生きたいから。優しくて、温かくて、激しいものが、私たちの中を流れている。何もなくていい。優しさだけがあればいい。喜びは消えない。愛した記憶も、愛された記憶も消えない。知り合いになるより、友達になろう。どちらかが死んだら泣けるくらい、友達になろう。生きたいのは、会いたいから。優しくて、温かくて、激しいものが、私たちの間を流れている。歌となり、踊りとなり、血となり、涙となり、私たちの中から流れて行く。
おおまかな予定
11月6日(木)東京都中央区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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ばっちこい人類!!うおおおおおおおおお!!


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