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「唯一無二の本物志向」 解約希望続出の投資ファンドがうたった未来

「ゲートウェイ成田」の開発用地。草が生えたままの土地が目立つ=千葉県成田市で2025年11月1日午後2時48分、洪玟香撮影
「ゲートウェイ成田」の開発用地。草が生えたままの土地が目立つ=千葉県成田市で2025年11月1日午後2時48分、洪玟香撮影

 数年前、盛んに流された時代劇風のテレビCMがあった。

 「老後問題」と書かれた瓦版が配られ街がざわつく中、「わしは『大家さん』だから」と腕を組んで笑う町人。「私も」「拙者も」と広がる声――。

 最後に殿様が出てきて言う。

 「そなたらの大切な資産をともに考えてくれるのが『みんなで大家さん』じゃ」

 その不動産投資商品「みんなで大家さん」に出資をした1191人が、出資金の返還を求めて集団提訴に踏み切ろうとしている。

 一部で分配金の支払いが滞っている不動産投資商品「みんなで大家さん」。
 既に訴訟を起こした出資者に胸のうちを聞きました
 「結果的にだまされた」 買ったはずの安心はどこに?

 「雑誌広告やCMを見て(手を出した)、という人が多かった。勧誘が大規模だったので訴える規模も大きくなった」と原告側弁護団の小幡歩弁護士(第二東京弁護士会)は言う。

 投資の対象になったのは、千葉県成田市に大型ホテルやショッピングモールを整備するとうたった大規模な土地開発プロジェクトだった。

 だが開発許可から6年が過ぎてなお、その用地には草が生えたままの空き地が見える。

3万8000人が2000億円出資

 「成田国際空港へ車で3分、唯一無二の本物志向の街を創造!」

 「最新テクノロジーを駆使したデジタルホテル」

 「カーボンニュートラルに対応したグローバルスペックアリーナ」

 不動産会社「共生バンク」(東京都千代田区)のグループは、土地開発プロジェクト「ゲートウェイ成田」の構想をそう説く。ホームページには近未来的な都市デザインのイラストが添えられ、5000席超のアリーナや大型ホテル、商業施設、バスターミナルが整備されるとうたわれている。

 広さは東京ドーム10個分の45万平方メートル。出資を募ってこの土地を開発・運用し、賃料で得た利益を分配する仕組みを掲げ、「みんなで大家さん」の一商品「シリーズ成田」は2020年11月に売り出された。

 想定利回りは年7%、運用期間は主に5年。分配金は隔月で支払われる。単純に考えると1口100万円の出資に対して5年間、毎年7万円が分配される。満期で元手の100万円が返還されれば35万円が利益として得られる――という算段だ。

 「みんなで大家さん」を運営する共生バンクグループの「都市綜研インベストファンド」(ファンド社、大阪市)は、投資が「老後の資金」「第2の年金」になると呼びかけた。

 少なくとも全国の3万8000人が、2000億円を投じたとされている。

利益分配は4カ月停滞

 しかし、主力商品の「シリーズ成田」はいま、その継続性が大きく危ぶまれている。

 7月末、ファンド社は出資者たちに突如、「分配が遅延する」と通知した。以来、分配金の支払いは1~18号のシリーズ全商品で滞っている。

 1000人超の出資者が解約と返金を求める集団訴訟を起こす大きな理由の一つが、この分配の遅延だ。大半は、このシリーズ成田に出資していたという。

 「裏切られた思い。もう訴訟しか手段はなかった」と、ある出資者の男性は言う。遅配を知らせるメールは10月31日にも届き、4カ月連続となった。

 ファンド社は出資者への通知で、分配金を払えない理由に「当社およびグループの経営環境が急激に悪化した」「グループの資金調達(がうまくいっていない)」ことを挙げた。分配の再開予定は「未定」としている。

「特異」と指摘される収益構造

 「大家さん」の仕組みは「不動産特定共同事業」と呼ばれる。不動産クラウドファンデ…

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