どこもかしこも、エーテリアスばかりだ……(涙目)   作:bbbーb・bーbb

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今日から返信の「コメント有難うございます。」を「感想有難うございます。」に変えます。 超どうでもいい事ですが。

 合計感想数が百件を越えました!「嬉しい」以外の言葉がありません!皆様本当に有難うございます!!


この先、郊外があるぞ。だから、ああ、愉快な奴らよ!

「これが郊外……砂漠というやつか……」

 

 狩人は新エリー都から飛び出し郊外の砂漠を疾走していた。丸ノコバイクで。

 

 疲れずに長時間やるコツをカリンから教わったのだ。おまけにカリンのそれとは違い刃が二枚ある為安定性が凄い。

 なるほどこれは快適だと狩人は感心した。

 

 狩人がこんな事をしているのには理由がある。遡る事数時間前──。

 

「郊外……か」

 

「何をご覧になっているのですか、狩人様」

 

 狩人が人形ちゃんに持っていたチラシを渡す。ビデオ屋で無料配布されていたやつだ。

 そこには「郊外での運送バイト」という大きな見出しとともに、何も無い荒野の写真が写されていた。

 

 生命すら殆どおらず、枯れた木と砂が支配する大地。見たことも無いその光景に、狩人の魂に宿る知的好奇心(探索したい欲)は全力でくすぐられたのだ。

 

「いってらっしゃい、狩人様」

 

「ああ、行ってくる」

 

 土産を持ってくる事を約束し、早速狩人は夢から覚めたのだ。

 

 そして現在。狩人はぽつりぽつりと立つホロウの黒とサボテンの緑以外には砂の黄色と空の青、ついでに時々雲の白のみが視界に映るウェイストランドを爆走しているのだ。

 

 ローランの聖杯も地上出たらこんな感じなのかな。そんな事を考えていると、狩人の目が単調な五色以外の何かを捉える。思わず回転ノコギリを止めた。

 

「あれは……」

 

 かなり遠くにある自由落下するそれを、辛うじてトラックだと認識出来た。落下先は、ホロウ。

 

 ──あの高さなら、まだ助かるかもしれない。狩人はすぐさまノコギリの方向を変え、ホロウへと向かっていった。

 小さなホロウだ、危険は少ないだろう。万が一助けられずに迷っても、徴で帰れば良いだけだ。そんな、気楽な事を考えながら。

 

 場面は変わりホロウ内。アキラとビリーは命からがらといった様子でトラックから這いずり出ていた。

 

「大丈夫か、店長!?」

 

「ああ、なんとかね……」

 

 アキラ達はビリーを通じて郊外から「パールマンを見つけた」と連絡が入った為に現地まで送ってもらっていたのだ。

 すると突然反対車線からトラックが飛び出し、驚いた彼らはそのまま崖からホロウへと落ちていったのである。

 

「これでよし……」

 

 あと少しだ、と続けて呟くアキラ。彼の持ち前の技術を活かしホロウ内をデータ化、マッピングしている所であった。

 

「なあ、店長……そろそろ急いだ方が良くないか……?」

 

 ビリーが指を指した先に居たのは、ゴリラをひたすら巨大にした様なエーテリアス、怪物であった。

 車まで逃げようとするも、追いつかれ二人とも弾き飛ばされてしまった。

 遂にここまでかと思われた瞬間。

 

B R R R R R R R R R R R R R R!!!!!! 

 

 轟く轟音。それに続いて、怪物の上に飛び出した影。アキラには、それがバイクに乗った人間であると分かった。

 エーテリアスが数歩退くと、ビリーの声に反応しバイクに乗っていた女が振り向く。

 

「あ、姉御ォッ!」

 

「久し振りだな、ビリの字!」

 

 言い終えるのを待っていたかの様に、怪物が突進を始める。だがその時、ビリー達の後ろからまたもや影が飛び出した。

 

 色気まみれの筋肉を黒い装束にぴっちりと包みこんだその男は、凄まじい速度で怪物に近寄ると右手に装着した拳型の武器から炎を噴き出し、そのまま怪物の顔面目掛けて振り抜いた。

 

「なまったっすね、パイセン」

 

 そう挑発してきた男を見て、ビリーも立ち上がった。

 

「随分久し振りじゃねえか、ライト!」

 

 もう一度、戦える三人で怪物に向かい合う。その時。突然、怪物が苦しみ始めた。

 やがて口から緑色の血液を噴き出したかと思えば、そのまま怪物の身体は両断されてしまった。

 

 バラバラになったエーテリアスの間から出てきた黒尽くめの男を見てバイク女と色気男が警戒し構える中、ビリーとアキラが思わず叫ぶ。

 

「君は……!?」

 

「狩人ぉっ!?」

 

「おや、これはこれは。店長とビリーではないか。この二人は知り合いかね?」

 

 ビリーだけが頷くと、狩人が持っていた大剣を鞘と直剣に分離させた。ヒーローみたいな武器だとビリーは何やら目を輝かせていた。同時に場に立ち込めていた警戒が霧散した。

 

「はは……まあ、皆無事で良かっ──」

 

 どさり、と音を立て、アキラが倒れた。大丈夫か、と皆が彼に群がった。

 そして、数時間後。

 

「バーニス……強火で、送ってやってくれ……っ!!」

 

「おお〜っ! 骨になるまで、燃やしちゃうんだね!?」

 

 野晒しにされたソファに乗せられたアキラを囲み、狩人はやたら愉快な連中と葬式の準備をしていた。

 狩人は泣いていた。まさか、こんな簡単に友人が死ぬとは。

 

 暫しヤーナムに潜っていなかったからか、涙腺が脆くなっていると狩人は感じた。

 普段なら、友人の死くらいで大した心の動きを見せることはないのだ。

 

 悲しみに暮れながらもう一度、ソファに眠るアキラへと視線を向ける。

 ……なんか起き上がってないか? 啓蒙を増やしすぎたかと考えたその時。

 

「茶番は終わりですわっ!」

 

 ルーシーと呼ばれる小女が金棒を振り回し、無理矢理に葬式ごっこを終わらせた。

 ルーシーのあとに続く三匹の小さな二足歩行の「豚」を見て狩人が少し顔を顰めた。豚はトラウマなのだ。

 

 ここにはアホしか居ないのかと癇癪を起こす彼女を尻目に、起き上がったアキラに駆け寄るリン。兄の危機を知りすぐさま街からすっ飛んできたのだ。

 

「冗談もここまでにして……灰から蘇ったな! 歓迎するぜ!」

 

 バイク女ことシーザーを筆頭にメンバーが集まると、自分達の名を「カリュドーンの子」だと語った。

 あれ冗談だったんだ。彼らに対する狩人の中での心象がほんの少しだけ悪くなった。

 

 狩人と共に、何故兄妹がこんな場所に呼ばれたのかを聞く。

 曰く、彼らの行う狂気のレース、「ツール・ド・インフェルノ」のガイドをしてもらいたいのだという。

 

 ツール・ド・インフェルノ。二チームに別れホロウの中をバイクで突っ走り、溶岩湖に「火打石」なるものを投げ入れることをゴールとする、ヤーナムでも上位クラスを目指せるイカれ具合の危険過ぎるレース。

 

「火打石」で溶岩湖を活性化させ、ホロウ内のエーテルを吹き飛ばすことで油田を守ることが目的の一つらしいが、最も大きな理由は別にある。

 

「覇者」の座だ。レースに優勝した者は同時に「覇者」の座を勝ち取り、以降ツール・ド・インフェルノで敗北するまで一帯の石油の運送ルートを自由に決める権利を得るのである。

 

 それは、石油の権益を独占する事と同義。故に皆、この命懸けのMADがMAXなレースに魂を燃やすのだ。

 

 ガイドの報酬は、兄妹や狩人、そして邪兎屋の因縁の相手、パールマンの引き渡し。

 

「待ってくれ、既に君達の所にパールマンは居るのかい!?」

 

 アキラが思わず大きな声を出す。どうも彼はパールマンに関する情報が何か手に入れば御の字と考えており、まさか本人と会えるとは思ってもみなかった様だ。

 すぐさま、協力関係は結ばれた。

 

「まあ、とりあえず今日はこの辺で泊まってけよぉ〜」

 

 ふやかした様な口調で話すのはパイパーと呼ばれるこれまた小さな少女である。本人は相当に年を食っていると自称しているが。

 カリュドーンの子の中での運送手らしく、アイアンタスクと名付けられた冗談みたいにデカいトラックを運転している。

 

 好意に甘えて泊めてもらう事にした兄妹。パイパーがじゃあ次はと狩人に目を向けた時。

 丁度、ランタンを見つけた狩人が帰ろうとしている所だった。

 

「おーい、狩う……は?」

 

 客人が目の前で突然「消えた」パイパー。常軌を逸したその現象に、思わず真顔になる。隣で見ていた兄妹が顔を覆った。どう説明しろと言うのだ、とでも言わんばかりの表情で。

 

 先に彼のワープ能力を伝えなかったことを悔いた。先に知らされていれば大した事はないが、いきなり目の前で人間が消滅すればビビる方が普通なのだ。

 

 こころなしか顔色の悪いパイパーになんとか狩人の特性を説明しながら、夜は更けていった。




ジェーン編は狩人の関わらせ方分かんないんで思いついたら書きます。

 あとちょっと文章を詰めて書いてみました。前の方が良かったですかね?

今回の文章の密度について

  • もう少し空けた方が読みやすい
  • 今回くらいが読みやすい
  • もう少し詰めた方が読みやすい
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