クレームで撤去、一転展示 プロ撮影のギネス花火写真 市川市、相次ぐ抗議に市長謝罪
8月の市川市民納涼花火大会で「最も高い山の形をした仕掛け花火」としてギネス世界記録に認定された花火を巡り、ギネス認定証と並んで展示されながら突然撤去された写真家撮影の花火の写真が29日、再び認定証の横に設置された。1人の市民から「写真家のPRにつながる」などとクレームがあり、担当部署が撤去を決めたが、写真家は反発、多くの市民からも「撤去はおかしい」との指摘や抗議が寄せられた。田中甲市長が自身の交流サイト(SNS)で市の誤りを認めて謝罪、20日ぶりの「復活展示」となった。
「現時点において市川市の対応が間違っていたと認めざるを得ない」。田中市長は28日夜、自身のSNSへの投稿で市の対応ミスを認め是正措置を約束。その数時間前には、撤去された写真を撮影した写真家の白井俊一郎さん(53)に直接「おわびの意」を伝えた。 白井さんは「Shun Shirai」の名前で活動。無料で花火大会を撮影し、市の求めに応じ写真を無償提供した。 市の説明によると、8日に市役所第1庁舎でギネス認定証と白井さんの写真の展示を始めたが、翌9日午前に1人の市民から「公の施設を使って特定のプロの写真家のPRや利益(売上)促進につながるような行為を市が行うのはよくないのでは」と指摘があった。クレームは激しいもので、担当部では白井さんの活動への影響なども含め総合的に判断し、写真の撤去を決めたという。 白井さんは「不可解だし、納得がいかない」と反論。市には問い合わせや抗議が約120件寄せられ「たった1人の不合理な指摘をすんなり受け入れるのはおかしい」「市民にしっかり説明すべきだ」などと批判的な声が多かったという。テレビのワイドショーなどでも取り上げられ、市への批判が広がっていた。
担当部は27日時点では「白井さんに申し訳ない」としつつ、再展示には否定的だったが、市長が「担当部長から今までの流れを確認した」とした28日に状況は一変。市役所、行徳支所と続いたギネス認定証巡回展は、29日の「いちかわ観光物産インフォメーション」での展示から白井さんの写真が復活(11月5日まで)。展示は6~13日のアイ・リンクタウン展望施設まで続く。 白井さんは「市民の声が市長に届き、多くの人が喜んでくれる形になってよかった。巡回展では写真も楽しんでほしい」と話した。 (小北清人)