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旧そごう柏店跡地、本館解体後の開発方針:「柏駅東口 駅前再整備 実現化方策」の内容

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2025/09/17 配信

柏駅東口の様子
柏駅東口ペデストリアンデッキの様子

柏駅東口エリアが抱える課題点

千葉県柏市は、老朽化や交通混雑といった都市課題を抱える柏駅東口エリアの再整備に向け、本格的な検討を進めている。

市が2024年2月に旧そごう柏店本館跡地を取得したことを契機として、東口駅前広場を中心とした抜本的な再編の議論が加速中だ。

柏駅東口は1973年の市街地再開発によって形成されてから半世紀が経過し、施設やインフラの老朽化が深刻化している。

駅周辺のビル群は更新時期を迎えており、ダブルデッキを含む各施設の機能低下も顕著だ。

また、東口エリアには緑豊かな空間やオープンスペースが不足している。

柏駅東口未来ビジョン
「柏駅東口未来ビジョン」に記載されている、東口周辺における都市課題。

※引用:柏市

市民意識調査では「商業施設は充実しているが、休める場所や子どもを遊ばせる場所が少ない」との声が多く寄せられた。

特に子育て世代からは「駅前に安心して過ごせる場がない」という意見が目立っており、多世代に対応する空間整備が急務だ。

さらに、交通広場は慢性的な機能不全に陥っている。タクシー乗り場は危険性が高く、バス乗り場・バス滞留場所の不足や歩行者と車両の動線交錯などが顕著だ。

柏駅の東口交通広場
対象エリアの現況。タクシー乗り場は左回りになっており、そもそも乗客の乗降口と車の進行方向が一致していない。また、乗車場はあるが降車場が整備されていない。

※引用:柏市

一般車の長時間駐車も混雑を助長しており、広場全体の規模不足が根本的な課題とされている。

再整備の方向性と3つの配置案

柏市は2023年に「柏駅東口未来ビジョン」を策定し、「人を惹きつける魅力」「広がりある回遊性」「みどり豊かな空間」の実現を目標に掲げた。

これを実現するため、市は交通広場の再編と北側新改札口の設置を柱とした3つの配置案を検討している。

1. 南北施設配置案

既存のスカイプラザ跡を広場化し、施設を南北に分けて配置する案だ。

柏駅東口駅前再整備実現化方策 南北施設配置案
緑地になっている箇所には「スカイプラザ柏」という商業施設が建っており、A棟とB棟があるうちの、B棟については2024年6月から解体工事が進んでいる(A棟の解体予定は未定)。

※引用:柏市

この図で言うと、広場(緑地)の右側がそごう跡地であり、再開発建物の地上階にバス乗り場等が整備されることになる。

最大規模の広場を確保できるのが特徴で、北側にまとまりある商業床を整備できるため、交通広場を利用する乗り換え客の取り込みが期待される。

一方、商業施設が南北に分断されることで、街全体の回遊性はやや弱まる懸念がある。

広場を軸に「にぎわいの拠点」を形成する一方で、商業導線の工夫が不可欠となる。

2. 南側集約配置案

2つ目は駅南側に施設を集中させる案で、二番街小柳町通りの人の流れを取り込み、強力な商業回遊を生むことが狙いだ。

柏駅東口駅前再整備実現化方策 南側への施設建築集約配置案
現状のバス乗り場等は、このイメージ図で言うところの緑地と建物の間に位置している。旧そごうの跡地側へバス乗り場等を移動させて、緑地とは切り離すようなイメージだ。

※引用:柏市

南口・中央口と連携しやすく、既存の商業動線を強化できる点が評価されている。

しかし、北側への人の流動は限定的となり、東口全体の広がりを確保しにくい。

さらに、そごうの跡地となる北側で十分な商業床を確保するのが難しく、低層の商業面積は他案に比べて小さくなる傾向がある。

3. 賑わい施設囲い込み配置案

3つ目は歩行者広場を囲む形で商業施設を配置する案で、低層部に大規模な商業床を確保できる点が最大の強みである。

柏駅東口駅前再整備実現化方策 賑わい施設囲い込み配置案
この案では3つすべての建物をデッキで接続する形になる。交通広場は他の案と変わらず、右側の棟の地上階に設けられる。

※引用:柏市

西口以上の駅直結型商業を形成できる可能性があり、南口・中央口・北口の各改札を結ぶ結節性も高まる。

ただし、広場の開放感は最も乏しくなり、視界の抜けが限定される点が課題だ。

利便性とにぎわいを優先するか、景観やゆとりを重視するかが問われる配置となる。

いずれの案も、北口改札の新設と駅前広場の拡張を通じて交通結節機能を高める点では一致している。

柏駅新改札(北側)設置の実現化方策
3つの案はいずれも交通広場をそごう跡地の側へ移動させることになっている。駅から交通広場へのアクセスを容易にするためには、そごう跡地側に駅の改札を設けるべきという考え方だ。

※引用:柏市

さらに、広場整備による商業床の価値向上や、南棟建て替えによる中央口・南口との結節強化も共通の狙いだ。

これらの検討を踏まえ、市は有識者会議を設け、費用負担や整備スキームを調整していく。

2026年末の旧そごう本館解体完了後、どの案を採用するかが次の焦点となる。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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