高校時代、早生まれの同級生
が遅れて自動二輪免許を取っ
た。
GT380の最初の1型(Bゼロ)を
買った。オールシルバーメタ
に全塗装してある車両。
くっそ速かった。
「これ、スプロケ交換して二
次減速いじってんじゃね?」
という程にゼロからの加速が
鋭かった。なにこれ?という
程に。
エンジンはモーターのように
淀みなく上まで回った。
ギブソンギターの音を奏でな
がらガ行音が混じって回るカ
ワサキマッハとは違った。
唯一、少しでも旋回でサスを
沈めてバンクさせるとマフラ
ー(チャンバーマフラー部)を
ガリガリと擦った。
あと3気筒のうち、真ん中の
気筒が横二つに比べて焼け過
ぎた。
それ以外は欠点が見つからな
いようなオートバイだった。
荒川の土手道で友人がUターン
に手こずってる時、私がサン
パチで「こうやりな」と一気
にアクセルターンしたら、免
許取ったばかりの彼は「え?」
みたいな顔をしていた。
友人はその爆速サンパチで免
許が消えた。累積で(笑
免許消えてから私がそいつを
そのサンパチのケツに乗せて
いろんなとこに行った。
湘南に2ケツで行った時も、
実に快速走行をしてくれた。
環八では白バイが横に来て、
全く族仕様ではないサンパチ
なのに、上から下まで例のツ
ッパリがやるようにねめまわ
して見て「けえれよ。おめー
ら。どこ行くんだよ。けぇれ。
チッ」と横で低速並走しなが
ら言う。フロントタイヤ蹴っ
てやろうかと思ったが、お前
の氏名階級、所属を言えと大
声で言ったら捨て台詞を吐い
て先に走って行った。
だが、別な日、甲州街道R20
の調布交番前信号でやはりサ
ンパチ2ケツで停止した時、
交番から若いオマワリが出て
来た。俺らと齢は変わらない。
そして例によってツッパリが
やるように上から下までア~
ン?みたいに見てから「免許
証見せろ」と言って来た。
「任意か?強制か?」と言っ
たら「何だとぉ?ゴルァ!」
と言いながら私の襟首掴んで
バイクから引きずり下ろそう
とした。
2ケツバイクは転倒しそうにな
った。
「ゴタゴタ言ってねぇでこっ
ちこい!ゴルァ!!」とオマ
ワリは俺と同級生を交番に引
ずって行く。
車検証も免許証も見せて、何
も検挙事項がないのでグダグ
ダいちゃもんつけている若い
オマワリも冷めて「早く消え
ろ」と交番から放り出した。
1970年代の警官などはそんな
もん。
ろくでもないのを出せといっ
たらそれはオマワリだった。
「おまわりさんは悪い人を
捕まえる人」だなどと思って
る奴がいるとしたら、それは
底抜けの馬鹿だ。お花畑で花
でも摘んでろ。
まあ、サンパチの1型は実に
良いオートバイだった。